英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

王座戦第3局 率直な感想

2012-09-19 23:50:37 | 将棋
 銀桂交換を甘受したのが、どうなのかは分からない。
 角を捌かせないため、早めに▲2四歩を突き捨てておいて▲3七角とした手順。その後の▲1六桂の攻めの形が効果的で、局面をリードしたようだ。
 第1局も飛車先交換よりも陣立てを優先、そして、本局も桂銀交換の駒の損得よりも駒の効率を優先させた。その大局観が素晴らしかった。
 その後も、▲4六角からの馬作り、2四の桂を支えたくなるところでの▲6三歩のと金作りが絶妙のタイミングだったようだ。終盤の▲9五金は指すような気はしていたが、この手は渡辺竜王・王座好みの一着のような気もするが、こう指すような気がしていた。

 とにかく、大局観と緩急自在の指し回しが素晴らしく、完勝だったように思える。

 ここ数年、タイトル数は増えていないが、ここ1、2年は7冠王時代より強い将棋を指しているように思う。現棋界の双璧のお二人だが、羽生二冠の方が一段上にいるように思える。
 とは言え、これまでタイトル戦で苦杯を喫っしてきていたので、まったく油断はできない。できれば、第4局で決めて欲しい。

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7 コメント

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日々モデルチェンジ (かみしろ)
2012-09-20 04:35:30
七冠取りにいってた時期、長期的にリスクの高い目の前の勝利を最優先する方針であったとして、それから35歳くらいまで、自分は何処に向かっていくのかを模索していた時期かと見えます。その辺りから「次の一手が読めればいい」という大山流を何らかの形で実践した結果が、或いは時折見られた不可解な終盤とNHK杯20連勝であり、その変化のバランスが今取れているのだろうか。
近年、羽生マジックは終盤の逆転ではなく、終盤力を前提とした中盤に多く出現しています。

同じ時期に「わかり易いモデルチェンジ」を断行したのが佐藤王将でしょう。この二人の今期成績は凄いですが、内容も若い。佐藤王将はあまりに思い切って自爆が増えA級陥落まで味わったが、当然のように復活しました。この二人の若さは「先入観を排することができる将棋好き」です。

そのモデルチェンジに苦戦し、王位挑戦が光明となるか、或いは最後の檜舞台であったとなってしまうのか、正念場に藤井先生がいる。周回遅れのスタートで、恐らく手が見えるのがライバルに比べて遅いコンプレックスを自虐ネタにする。新たな鉱脈を発掘しなければ戦えないと感じ、それを掘りあてた彼の矜持は「屈折した反骨心と開拓精神」でしょうか。

郷田棋王はわかりやすく「自分の信じる道をゆく」。

森内名人と丸山先生の「矜持」がちょっと見当がつきません。

先崎先生は、或いは諦めたのかという気がしています。その早見えが羽生や佐藤と伍するのは、リアルタイムの解説を見ればわかりますが、現代将棋に於いて「将棋に関する記憶力が劣る」ということは絶望的なことかもしれません。もっと頑張れとも思いますが、そのことを自分に納得させたとしたら、何も言えません。

以上 羽生ファンの戯言でした。
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安らかにあれ (かみしろ)
2012-09-20 04:39:22
名人になって引退させて上げたかったですね、今思えば、できることなら。
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将棋を構築する ()
2012-09-20 18:06:00
かみしろさん、こんにちは。復活ですか(笑)

 羽生将棋については、かみしろさんの分析の通り、その年代でテーマを持って将棋に取り組んでいたように思います。
 で、最近の羽生将棋は、将棋を構築しているという印象があります。将棋の造りの差によって、戦いが始まった直後あたりで、一歩半ほどリードしていることがあるように思います。

 佐藤王将、藤井九段、郷田棋王についても同感です。

>森内名人と丸山先生の「矜持」がちょっと見当がつきません

 わははは…。

>先崎先生は、或いは諦めたのかという気がしています。その早見えが羽生や佐藤と伍するのは、リアルタイムの解説を見ればわかります

 これには同意しかねます。
 氏の第一感は思い込みに近いものがあり、見当外れの解説をしてると思われることがあります。また、瞬時に解説するのは氏の長所だと思いますが、読み切れていないことが多いです。「あれ?」「ちがうか?」「いや」「そうか」とか言うつぶやきが入り、最初の断言とは結論が違うことが多いです。
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第3局は・・・ (勝手新四朗)
2012-09-20 23:27:52
私見では、渡辺竜王の雁木が慣れていない印象で、銀・桂交換甘受でも、駒の効率からは先手が指し易かったものと思います(内容的にはほぼ、一方的でした)。
佐藤王将の最近の将棋はだれが見ても「佐藤康光が指した将棋」だと分かるので、その意味で凄いイメージチェンジでした。
藤井九段には、正直頑張って復活してもらいたい。氏の序盤感覚は、藤井システムや今期の王位戦の角交換振り飛車の構想に見られたように、秀逸だと思います。
同じ意味で山崎七段には竜王戦で挑戦して欲しかったですね~。
私の敬愛する谷川17世名人は、光速の終盤が出なくなった段階で佐藤王将のようなイメージチェンジを図って欲しかったですが、流石にもう無理そうです。(ファンとしては凄く残念ですが・・・)
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筋ワル (sugiyama)
2012-09-21 09:58:52
http://blog.goo.ne.jp/ei666/e/f80ced6582a1661ac2b6e020a55b6f2c
はじめまして。
▲9五金はいわゆる「筋の悪い手」でプロはハナから読まないという手ですよね。
羽生、渡辺、ソフトはこういう手を平気で(?)指すようです。

ハナシは変わりますが、相棒の「後味の悪い終わり方」というのも
いわゆる「筋ワル」みたいなところがありますね。
成功すれば「コロンブスの卵」ですね。
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竜王が誘導した局面 ()
2012-09-21 12:26:51
勝手さん、こんにちは。

>私見では、渡辺竜王の雁木が慣れていない印象で、銀・桂交換甘受でも、駒の効率からは先手が指し易かったものと思います

 局後の感想などから推察すると、雁木から銀桂交換の局面は、竜王が誘導したように思われます。

>内容的にはほぼ、一方的でした

 あの局面自体は微妙な形勢で、(自画自賛という表現は適切ではありませんが)その後の羽生二冠の指し手が素晴らしかったと考えています。

>佐藤王将の最近の将棋はだれが見ても「佐藤康光が指した将棋」だと分かるので、その意味で凄いイメージチェンジでした。

 イメージチェンジと言うより、定跡や常識よりも自分の読みや大局観を信用し優先させた結果だと思います。

>私の敬愛する谷川17世名人は、光速の終盤が出なくなった段階で佐藤王将のようなイメージチェンジを図って欲しかったですが、流石にもう無理そうです

 現在の状況の大きな要因は、棋士会会長という責務を真面目に全うし過ぎていることが大きいように思います。
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筋悪かもしれませんが ()
2012-09-21 12:39:45
sugiyamaさん、はじめまして。

>▲9五金はいわゆる「筋の悪い手」でプロはハナから読まないという手ですよね。
>羽生、渡辺、ソフトはこういう手を平気で(?)指すようです。

 ええ、竜王は玉の上方に厚みを作ることが多いですし、羽生二冠に至っては2三や8七の地点に銀を打つ、いわゆる「羽生ゾーン」の銀打ちが時折登場します。また、早めの角打ちも多いです。
 持ち駒は盤上のどこにでも打て、その可能性に価値を持っています。駒を打ってしまうとその可能性がなくなり、駒の価値は限定したものになります。
 ただ、置き駒の存在は、現時点でその地点や利きの範囲を支配するという意味で価値があります。羽生二冠は、その価値を普通の棋士より高く考えているように思います。
 気のせいかもしれませんが、羽生二冠は持ち駒が他の棋士より少ないです。

 中原名人の指し方も「盤面占拠法」と言われていたことがあったように思います。(観戦記者の東公平氏のように記憶しています)
 確かに、現在は筋が悪いとか指しにくいと感じますが、近い将来、重要視され多用されるテクニックになるような気がします。
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