英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

狩矢警部シリーズ 第13作「京都人形浄瑠璃殺人事件」(再放送 2014年作品)

2018-02-03 22:19:45 | ドラマ・映画
(備忘録の意向が強い記事です。特に脚本家に関して)

事件当事者の不可解な行動や心理が多かった
院長の平野
 心中に見せかけ、毒殺された。
 パワハラ、セクハラ三昧の屑男(屑は無害なので“害毒男”と言った方がいいかもしれない)。
 部下の医師を苛めぬいて、自殺に追い込み、その恋人の看護師もいびり続けた。そのいびりの中で、毒の粉末を2包を投げ落とし「死ね」と罵る。その毒薬で毒殺された。まるで「殺してくれ」と頼んだ形になってしまった(実行したのはその姉。その姉の虚言を信じ、初代を殺害)。そもそも、≪なぜ、2包?≫

芸妓・初代(はつよ)
 平野が苛めて追い出した元医師のミステリー作家・姉小路純一(池内万作)を支えていたが、金に目がくらみ、平野になびく。その後は、平野と共に悪行三昧。この性格の豹変ぶりは極端すぎる

人形遣いの清水秋夫
 平野の病院の元事務長。平野の命令で苛めに加担していた。
 その後、平野と袂を分かち、人形遣いに。師匠も太鼓判を押すほどの精進振り。しかし、やはり屑だったようで、真犯人の京華(国生さゆり)の犯行に気づき、強請る(その後、京華に毒殺される)。師匠の目は節穴だった。

平野総合病院の元看護師、谷沢由紀子
 いびり倒された河原の元恋人。京華の妹。
 恋人を死に追いやられ、その後もいびり続けられ、恋人の無念を晴らすこともできず、心が折れて自殺。
 事件発生時点からドラマ終盤までは消息不明で、由紀子の自殺の詳細は京華の告白で明かされた。
 ドラマ中盤で由紀子の犯行説も浮かんだが、狩矢警部は彼女の部屋に残されていた人形を見ただけで、京華・由紀子姉妹の事情や、事件の顛末を察知するや否や、真相解明のクライマックスに突入!……警察は、由紀子の消息を追跡・捜索することを全くしなかった。
 二人きりの肉親の姉を置いて、自殺するものなのだろうか?
 狩矢は、京華に「妹の由紀子は、京華が罪を犯すことは望んでいない!」と説教したが、そもそも、由紀子の自殺が招いた犯行だった。
 
女義太夫・岸田京華
 施設に居た時、妹が苛められたのを必死で庇ったが、それが逆効果で、更に苛められた。
 なので、≪自分がいない方が、妹が幸せになれるのではないか≫と思い、里親の申し出を受け、妹の元を去った。……まったくよく分からない思考だ
 狩矢にプロポーズされた時も、≪狩矢と結婚できる女じゃないから≫といきなり消息を絶ってしまった……理解不能
 結局、≪義太夫が自分の天職≫と思い、人生のすべてを捧げる。……狩矢はともかく、妹の由紀子が訪ねてきた際も、“誰?状態”。捨てた妹のことを探すとか、見守るという意思は全くなかったようだ。
 犯行告白でも「あの子(妹)の存在を隠したかった。自分の過去を隠したかったから。…あの惨めな過去を、地獄のような日々を人に知られたくなかったから」と理解不能で被害妄想な思考。
 妹の由紀子も京華の思いを察し、「私のような妹がいたら、お姉ちゃん恥ずかしいでしょう」と。
 その後も、どんなつらいことがあっても、そのことを隠し通したという。……この心理も理解不能。


 結局、妹の苦境を知ったのは、自殺する直前の妹の告白だった……なんというご都合主義。

【その他の感想】
・害毒男の平野院長を演じた井上純一さん、昔は“二枚目俳優”だったのになあ…
・京華の女義太夫としての語り節は吹き替えだったが、当てた声が少し年配過ぎて、違和感が強かった
・殺害された芸妓の“初代”という漢字。あらすじや解説記事には向いていない。「しょだい」と読んでしまう。
・怪しさMAXのミステリー作家・姉小路純一(池内万作)が、“いい人”で殺害されなかったのは意外。
・姉小路純一(池内万作)の家にいるメイド風の若い女性。無表情で一言も発しなかったが、一体、何だったのだろう?

【ストーリー】番組サイトより
 京都府警の警部・狩矢荘助(船越英一郎)は、娘の和美(前田亜季)、部下の橋口健太(載寧龍二)と共に人形浄瑠璃「曽根崎心中」を観劇する。
 会場には人気芸者の玉菊(真瀬樹里)とミステリー作家・姉小路純一(池内万作)も顔を見せ、賑やかな雰囲気だ。
 物語を語る女義太夫は、狩矢の大学時代の後輩・岸田京華(国生さゆり)で、上演後、狩矢は京華との約30年ぶりの再会を喜んだ。京華から人形遣いの清水秋夫(合田雅吏)や油谷勘平(黒部進)を紹介されるが、そんな矢先に狩矢の携帯が鳴った。皆川悠子(雛形あきこ)から男女の変死体が発見されたとの連絡を受け、狩矢と橋口はあだし野念仏寺へ向かう。
 死んだのは病院院長の平野徳治(井上純一)と祇園の芸妓・初代(佐伯花恵)。道ならぬ恋に悩んだ2人が心中したようにも見え、「曽根崎心中」を連想させた。しかし2人の死は謎に包まれており、狩矢は殺人事件の可能性も見据えていた。
 捜査をすすめるうちに、平野は強欲で女遊びが激しく評判の悪い人物で、平野と浄瑠璃の人形遣い清水が初代を巡る恋敵だったことが分かった。その清水はかつて病院で事務長をしていたという。また、姉小路の小説に登場する残虐で陰湿な病院院長は、平野をイメージしているとも噂されており、清水が姉小路を名誉棄損で訴えていたことも判明した。
 姉小路の恋人・玉菊と初代は一、二を争う売れっ子で、険悪な関係だったという。狩矢と皆川、橋口そして菅田瑠依(小橋めぐみ)たちは平野と初代を巡る複雑な人間関係を整理しながら捜査を進めるが決め手に欠けていた。そんな中、清水が人形浄瑠璃の上演中に毒を盛られ急死する。
清水殺害のトリックを推理する狩矢だが、思わぬところからヒントを得る。それは、浄瑠璃にも興味を持った多趣味な妻・澄江(山村紅葉)の言動と澄江が大切にしている人形だった。病院を舞台にした男女の愛憎が次第に明らかになる・・・。

原作:山村美紗「恋人形殺人事件」
脚本:深沢正樹
監督:藤岡浩二郎

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