英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2017衆議院選挙 自民圧勝

2017-10-25 17:15:16 | 時事
 選挙前の情勢予想では「自民優勢、大勝」で、結果もその予想通り、いや、予想以上の圧勝だった。

 前原民進党代表の迷走、小池都知事の失言による希望の党の失速、3局化による論点の拡散など原因はいろいろあるが、民進・希望のゴタゴタにより“大義なき日和見タイミング解散”が有耶無耶になってしまったのが痛かった(個人的感想で、これが大きく論じられても大勢に変わりはないものと思われる)。
 安倍総理の解散の思惑は、憲法改正を実現するため確固たる足固め(衆議院の絶対的数の優位)をするためだと思われるが、“大義なき解散”が有耶無耶になってしまったため、国民の意識が憲法改正に反対賛成について向かわなかったことが残念である。
 自民党は公約では「憲法改正」に触れていたが。安倍首相自体はそれを口にせず、「与党圧勝で国民の信託を得られた」という論拠を得てしまった。


 さらに、消費税率アップ分の使い道を「教育の無償化」に変更するという聞こえの良い主張を展開し、これも国民の理解が得られたと解釈できてしまう。使い道の変更の是非は良く分からないが(個人的には反対)、これにより「消費税率アップの国民の承諾」を得られたということになってしまった。


 さて、今回の選挙結果で、世論や政策、政治家としての資質というものを超えた“自民党の選挙の強さ”をつくづく感じた。
 公示から2、3日後の情勢調査(確か共同通信だったと思う)で各選挙区の情勢を見たが、殆どの選挙区で“自民優勢”“自民が他候補を圧倒”という調査結果が出ており、残り地区も伯仲の戦いとなっており、自民が圧勝の気配に満ちていた。
 つまり、政策論など戦わせる以前に、自民党は選挙地盤がしっかりしていて、準備態勢が整っている。野党は選挙地盤が弱いうえ、解散時期がはっきりしないので充分な準備をしていない。衆議院の任期満了での選挙で自民が苦戦するのも、準備においては野党も十分に備えられるからであろう。


 衆議院が解散されると、各党が政策を主張、報道もそれを取り上げるが、地方においては政策論などまったく関係ないようである。

 福井県は1区では稲田議員、2区では高木議員が初めから当選確実と言われており、結果もその通りであった(特に稲田議員は圧勝)。
 もともと福井県は保守が強い地域で、民主党が政権交代を果たした時も、福井県は3区(当時)とも自民が苦戦しながらも議席を独占した。自民後退期での福井県自民党の踏ん張りが評価されたのに加え、稲田議員は“口の悪い女性議員の三羽烏”に入れられるほど強気の口調が評価されて、党の要職に抜擢された。
 自衛隊日誌の改ざんは大問題(その他、いろいろ失策あり)なのだが、福井市民にとっては、そんなことよりも、防衛大臣にまでなった英雄ヒロインという評価なのである。

 2区の高木議員も“パンツ大臣”と揶揄されたが(本人は否定)、危なげなく当選。
 この2区であるが、高木氏出身地の敦賀市を含む嶺南地方は選挙区の42%(選挙人名簿登録者数)である。この嶺南地方は原発が多数あり、自民党は原発維持を主張している。嶺南地方では高木氏が強い(今回の選挙結果は意外と他候補者の投票数も多かった)。
 対抗馬の斉木氏は民進党から希望の党の公認を受けており、本来なら“原発ゼロ”を掲げるべきなのだが、それは口にはしない(できない)。正当の主張よりは、“地元に利があるかどうか”が重要なのである。
 嶺北住民にとっては、嶺南出身の高木氏が当選しても利は少ないが、それでも自民党は強いのである。なにせ、新聞や報道キャスターが“保守王国福井”という表現をするのである。そんな主観を含んだ表現を公正であるべき報道機関がしてもいいのだろうか?

 とにかく、選挙のたびに自民党は強いなあとがっかりしてしまう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2017竜王戦第1局 | トップ | 2時間サスペンス メモ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時事」カテゴリの最新記事