英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「手品」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-04-08 17:37:32 | 詰将棋
「手品 ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年3月号」の解答です。



 初形から1六に玉を呼んでの▲2六金までの詰み形が見えます。
 なので、角を取る▲1六飛が絶好手に見えます。


 確かに、この手に△1六同玉なら▲2六金で思惑通り詰みますが、△2五玉とかわされると

 以下、▲4三角と捕まえようとしても、△3五玉で逃げられてしまいます。

 ▲1六飛は好手なのですが、2五に逃げられて失敗してしまいました。
 ならば、▲2五金△同角と角で玉の脱出口を塞ぐのが正解です。


 こうしておいて、▲1六飛とすれば2五には逃げられないので、取らざるを得ません。

 ここで、取り方が2通りありますが、
 △1六同角(第4図)の局面は、

 初形から2六の飛車を消去したことになっています。
 実は、2六の飛車は邪魔駒だったのです。というわけで、こちらが作意手順です。
 ▲2六金と打って詰め上がりです。


 4手目△1六同玉にも▲2六金で詰みです。

 取れる角を取らず、逆に金を捨てて角を逃がしておいてから▲1六飛で詰ますという詰将棋の面白さを感じさせる作品でした。

 この作品が問題として出題された場合、4手目以降△1六同角▲2六金でも△1六同玉▲2六金でも正解となります。
 詰将棋の決まりとして、玉方が最善の受け(①最長手順、②攻め方の駒を使わせる)をすることになっています。
 理想は最善の受け(正解手順)は一通りだけにしたいのですが、なかなか最後まで手数を一通りに限定するのは難しいのです。本作のように玉方の最終手の非限定は許容範囲とされています。

詰手順……▲2五金△同角▲1六飛△同角▲2六金まで5手詰
 

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