英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

世界柔道2013 その6(終)「仕掛けが遅い日本選手」(第6日・個人戦最終日)

2013-09-03 14:55:48 | スポーツ
 大会6日目は、個人戦の最終日。女子は78kg超級(田知本愛・3位)、男子は100kg級(小野卓志・5位)と100kg超級(七戸龍・7位)が行われた。
 各選手とも、≪あと一歩≫という気がしないでもないが、奮闘したように思う。特に田知本愛の準決勝は、指導の数の差で敗れたが、主審の主観(「日本に厳しい」or「判定眼の未熟さ」)によるものところが大きい。
 現在、女子78kg超級は傑出した選手はおらず、優勝・オルティス(キューバ)、準優勝・アルセマン(ブラジル)、3位の田知本、キム(韓国)、5位・アンデオル(フランス)らの実力は拮抗している。その中で、試合運びのうまいオルティスがロンドン五輪に続いて金メダルに輝いた。(田知本戦の優勢勝ちは、金メダリストという「箔」によるものかもしれない)
 男子100kg超級は、リネール(フランス)が圧倒的な力を示して優勝した。
 前回記事で触れなかったが、男子90kg級は面白かった。今大会、銅メダルに終わったが、イリアディス(ギリシャ)の力強さには惚れ惚れする。3位決定戦で見せた、相手の技を受け止め、投げ返すなんて芸当は、彼しかできない
 その彼が敗れた準決勝は、「力のイリアディス 対 技のゴンザレス」と称される対決だった。
 イリアディスの組手の圧力は凄まじく、並の選手では身動きが取れなくなってしまいそうだ。ゴンザレス(キューバ)はその圧力を持ち堪え、延長戦の末、有効の技を決めた。
お互いが技をなかなか出せない試合だったが、その緊張感はすごかった。
 決勝戦のゴンザレス×リパテリアーニ(グルジア)もレベルが高かった。ゴンザレスが仕掛け、それをリパテリアーニが切り返し、さらに、ゴンザレスが返すというしびれるシーンもあり、激戦の末、ゴンザレスが金メダルに輝いた。
 
 さて、先にも述べたように田知本の準決勝敗退は「指導」の数の差によるものだったが、田知本に限らず、日本選手は総じて技の仕掛けが遅い。
 確かにルール改正によって「組んで、投げる」が重視されてきているが、日本選手は「十分に組んでから、投げる」という気持ちが強すぎる
 確かに、十分に組めば(完成度90%以上)、技も決まりやすいし、崩れたり返されたりすることも少ない。しかし、十分に組むことにこだわり過ぎて、お互いやや十分(80%)ぐらいの組手で、動きに遅れが出てしまっている。
 80%の組手で、日本選手はより十分な組み手を目指して、技を仕掛けない。対して、外国選手は仕掛ける。この差が、日本選手は「消極的」と見なされて「指導」を取られてしまう。
 また、相手の動きをかいくぐったり抑えたりして、十分な組み手になったとしても、そこで相手は危険を察知して、「掛け逃げ」と取られない程度の見かけだけの技を仕掛けて逃げてしまうのだ。
 別角度で考えると、組手の十分さで日本選手の技の出すタイミングを見切られてしまうのだ。なので、90%を目指しても相手に備えられてしまうので、80%でも技を繰り出した方が決まる確率もそれほど低くならないように思える。
 もしかすると、普段の稽古で、不十分な組み手で技を仕掛けると注意されているのかもしれない。しかし、80%の組手からもある程度の投げをできるようにしておき、国際試合では積極的に技を繰り出すようにしないと、よい結果は出ないのではないだろうか。技がきれいに決まることは減るだろうけれど。

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