英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「福島県がエネルギーで日本と世界の経済を支えていた」福島県知事

2011-03-20 10:51:57 | 時事
 タイトルの「福島県が~」は、日本テレビのインタビューの中で、福島県知事が力説した言葉です。
 この言葉だけ抜粋するのは正確性に欠けるので、全体を書きます(少し要約します)。

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「トリプル災害なんですよ。地震、津波、原子力発電……今も続いているんですよ、福島県は災害が。…復興なんて話じゃないんです。
 特に私が申し上げたいことは……原子力発電、40年近く、福島県が首都圏の皆さんの電気エネルギーを送っていた。ですから、ある意味では、首都圏の生活を支えていたんです。首都圏というのはまさに日本の中心、世界の経済の中心なんです。福島県がエネルギーで日本と世界の経済を支えていた。
 ですから、単に福島県の災害ではなくて、ある意味では日本の災害、さらに世界の災害という意識で皆様に認識していただきたい。
 この一週間、福島県の人は疲労困憊……不安と疲労が極限に達している」

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 福島県知事は、このインタビューの数日前にもインタビューで、「福島県は地震、津波、原発事故に加え、風評被害で苦しんでいる。原発事故に関しては福島県は被害者なんです。なのに、国は何も動かない」と怒りをあらわにしていました。


 確かに、被害にあわれている方々、沈静に向けて必死に作業されている方々のことを思うと、口を挟むのがはばかられます。
 しかし、この知事の発言を聞いていると、いくつか「あれ?」と思ってしまう事柄があります。
 まず、細かいことを言えば、福島県だけが首都圏の電力を支えているわけじゃないこと。それに、確かに原電事故に関しては福島県は大変な被害にあわれています。でも、他の県の方々も大変な状況だと思うのですが、あまりにも「福島県だけ」を強調しすぎているように感じます。

 キャスターの「他県からの物資は円滑に福島県の中に届いているのか」という問いに、「おかげさまで届いております。全国の皆さんの暖かいご支援に心から感謝いたします」と答えていました。
 また、燃料不足についての問いに、「あと2、3日はかかるが、何とか対応できる」と答えています。
 しかし、このインタビュー時点では屋内退避の地区の現状は知事が認識している以上の困窮状態になっているように各報道からは考えられます。

 とにかく、知事は総理や防災担当相や東京電力に「情報をもっと早く詳細に出せ、早く終結させろ」と怒りまくっていますが、もちろん、国に支援や原発事故処理を訴えるのは当然のことだと思いますが、屋内退避地区の市長や病院関係者の話では、状況はますます苦しくなってきている(誰も何もしてくれない)と訴えています。市長によると、屋内退避地区には物資を持ってきてくれないので、自分たちが取りに行っているそうです。
 知事は災害対処は人任せ、責任も他人に押し付けているようにしか思えません。原電の安全管理については、県も責任があるように思います。

 原発立地に関しては、電力会社が主導、それに国も大きくかかわっていますが、それと地元(市町村の行政、地区の住民)との話し合いがなされます。さらに県(知事)も大きくかかわっています。地元代表である知事の同意を得て環境アセスメントが行われるそうです。
 原子力発電所は二酸化炭素は出さないが、放射性物質、放射線などの大変危険を伴います。立地条件として広い土地、堅固な地盤、大量の冷却水が望める浜辺などの立地条件があります。そういう条件以上に、危険を抱えてしまうことになる地元の同意が必要です。その見返りといっては語弊があるかもしれませんが、かなりの交付金が配布されます。
 電力会社が発電量に比例して税を収め特別会計に組み込まれます。その財源によって、地元やその周辺市町村に交付金が出されます。
 電力会社が国に税を納めるといっても、それは消費者が払う電力料金に上乗せられるので、その意味では福島県の財政を首都圏が(一部)支えていることになります。
 あ、私、福島県の皆さんに喧嘩を売っているのではなく、知事の物言いがあまりにも恩着せがましく感じてしまったもので、お許しください。

 私の住む福井県は一番原子力発電所が多い県です。といっても、嶺南地方(若狭湾の方)に集中しているので、同じ県でも我々は「他人事」のように感じることが多いです。
 で、よく、事故が起きるのですが、その度に、原電関係者が県庁を訪れ、釈明しているシーンがニュースに流れます。
 前知事なども、事故が起きたときは原電関係者にしかめ面で握手などを拒否していますが、それでもほとぼりが冷めると新たに発電機が増えていったように思います。とにかく原電には知事が大きく関与しているようです。

 福島県に関しては、前知事は原電にかなり反対していたようです。それに対して、現知事は推進派で、ウィキペディアによると
「2010年8月6日 東京電力が福島第1原子力発電所3号機(大熊町)で計画 していたプルサーマル導入について、受け入れを決定した。プルサーマル受け入れにより「核燃料サイクル交付金」として計60億円が交付された」
 とあります。

 私の印象では、現知事、「う~ん」なのですが(笑)、私の誤認でしょうか?間違っていたら訂正します。
nanaponさん、どう思います?(笑)

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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福井県も ()
2011-03-21 19:00:06
 将棋を知らない母さん、こんばんは。コメント、ありがとうございます。
 福井県は原子力発電所が一番多い県なので原発事故には敏感なのですが、当事者にとって見れば、やはり他人事の意見です。
 福島県の知事の発言だけ捉えて述べていて、普段の知事はネットの情報しか知らないので、迂闊な記事だったかもしれませんね。
 でも、知事の再三のインタビューの内容や、その語調を聞いていると、どうしても疑問符をぬぐえないのです。

 とは言え、福島県知事、セリーグ開幕についての記事を載せて、お叱りのコメントが殺到しないかビクビクしています。
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他人事では… (将棋を知らない母)
2011-03-21 18:31:54
他人事では、ないつもりですが…難しいですね~福井県は原子力発電所もあり、リアス式海岸もあり、とても似たところがたくさんあると思っています。たまたまと言ったら怒られるかもしれませんが、東日本だっただけで、ちょっとぞれたら、福井県だったかも~そうしたら同じ状況になるんだーーと思っている方がたくさん居ると思いますが…
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当事者ですか ()
2011-03-21 00:00:24
 勝手さん、こんばんは。

 当事者の問題ですか、う~ん、確かに口を挟むべきでないかもしれませんね。
 しかし、そうすると、時事問題に関してはほとんどの場合、記事にすることはできなくなります。難しい問題ですが、できるだけ客観的に捉えた上で、自分の主張はしていきたいです。(まあ、福島県知事の場合は、知事自ら「日本、世界の問題」と強調しているので、当事者と言えるかもしれませんが。あと、原発の多い県としても当事者とは言えないかもしれませんが、多少関係があるかと)
 知事の過去の実績や今回の福島県の各地区の状況、それと今回の一連の知事の発言に矛盾を感じています。

 勝手さん、「口を挟むな」と叱られてしまったにもかかわらず、コメントしてくださり、ありがとうございました。
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うーん、難しい問題です。 (勝手新四朗)
2011-03-20 22:03:12
県知事さんの国に訴えたかったことは良く分かりましたし、当事者ですから かなり苛立ちを覚えての発言だったことも容易に想像できます。
多分 我慢の限界に来ていることも事実なのだと思います。(この種の記事を書いて、関東圏の方々に叱られてしまいました。当事者でないものが口を挟むなと・・・)
と言うことで、かなり関西圏と関東圏では感じ方が違っていると私は感じていますので、このい種の福島県知事の発言には何も言えません。
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