英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『カエルの王女さま』 第7話

2012-05-26 19:21:24 | ドラマ・映画
 今週は予定調和の回。と言うより、もともとベタが基調のドラマである。いつかはバレるであろう澪の偽りの経歴がついに明らかになった先週も、予定調和の最たるものだった。
 今週も、忠子(石田ゆり子)に哲郎(小泉孝太郎)と玲奈(片瀬那奈)の関係がバレ、シャンソンズ離脱の危機という、初回から起こると予測されたイベントであった。
それに、澪の元彼の絡みから、「過去に囚われない、今が大切」という結論を見出し、忠子に重ねるというものであった。

 ベタなのは仕方がないし、嫌いじゃないし、うまくSurarの『ウェディングベル』を挿入してあったと思う。玲奈の「くたばっちまえ!」も非常に良かった。まひるの「馬鹿にしないでよ!」もこのくらいやって欲しかった。
 しかし、女性陣には叱られるかもしれないが、忠子、哲郎、玲奈は三角関係と呼べるほどではなく、2年前の気の迷いだけで、玲奈と哲郎は玲奈の一方通行だった。夫の浮気問題と言うより、夫婦間の愛情の疎通のなさの問題のように思える。
 なので、家出で東京に行ったり、(結婚式もどきのシーンも含めて)ウジウジしている忠子の様子や、そこら辺りの時間帯が、ただグタグタしているだけのように思えた。

 シャンソンズに絡めると、夫に手を出されたというわだかまりで、一緒には歌えないということだろう。確かに、心をひとつにして歌うのは難しいかもしれない。
 現実の関係を反映させれば、嫉妬に駆られて「くたばっちまえ!」と叫ぶのは玲奈になるが、心境的には、叫びたいのは忠子の方だ。なので、忠子にも何か叫ぶ台詞のある歌を歌って欲しかった。
 一方の玲奈は、忠子への裏切り行為もあるが、衣装を斬り裂いたり、ツイッターでの妨害行為も相当罪が重いはずだが、一言触れただけで、うやむやにしてしまった。そのことを掘り返すのは澪の性に合わないということもあるのだろう。

 天海さんの雰囲気や合唱という設定もあるので、どろどろした三角関係には出来ない(ドロドロし過ぎて遺恨が残ると合唱できない)だろうけれど、『平清盛』の宮廷ドロドロの方が盛り上がるのは間違いない。
 引っ張った予定調和の割には、こじんまりし過ぎて、忠子のジメジメ感だけが充満してしまい今までで一番面白くなく感じた。

 しかし、これで、メンバーひとりひとりのエピソード、澪の過去暴露、三角関係も消化し、シナリオ的にしがらみがなくなったので、今後の弾け方に期待したい。


【その他の突っ込み・感想】
・音楽堂の存続をシャンソンズの成績だけに委ねるのはおかしい。
・ドラマ当初は、空手教室?の練習場として使用?されていたような気もするが、シャンソンズの貸切状態では、音楽堂の存続価値はないのでは?
・館長の仕事ってなさそうな気がする
・市街地にゴミ焼却場って、市民がもっと反対しそう
・忠子を探す哲郎だが、プロポーズした東京タワーを探さず、どこを探していたのだろうか?



【登場人物】
ブロードウェイを目指したが、花開かなかった倉坂澪(天海祐希)
音楽堂を取り壊して県内最大のゴミ処理場を建設を計画する市長・井坂清忠(岸部一徳)
澪の高校時代の恩師で、市民センターの館長である森香奈絵(久野綾希子)
シャンソンズ復活を目指す学級委員タイプの井坂忠子(石田ゆり子)
妻より市長の義父が大事そうな夫・哲郎(小泉孝太郎)
4人の子持ち主婦・馬場みぞれ(大島蓉子)
パチンコに入り浸っているお調子者の専業主婦・皆川玉子(菊地美香)
引っ込み思案で就活も53連敗中の大学生・野々村まひる(大島優子)
美貌の市役所受付嬢・桜井玲奈(片瀬那奈)
キャバクラで働く元レディースのシングルマザー・羽田南(福原美穂)
閉鎖寸前の工場で働いているフェミニンな男性・高垣忍(千葉雄大)
忍の同僚の乾一希(玉山鉄二)…天海さんと共演が多いなあ

【ストーリー】(番組サイトより)
 シャンソンズの面々は、由芽市を去ろうとしていた澪(天海祐希)を引きとめ、改めてコーチ役を依頼する。結束を固めて再スタートを切ったシャンソンズの姿を見た香奈絵(久野綾希子)は、市長の清忠(岸部一徳)に合唱コンクールの県大会出場を表明し、宣戦布告する。ところがその矢先、思わぬ事態が起きた。夫の哲郎(小泉孝太郎)と玲奈(片瀬那奈)の関係を知った忠子(石田ゆり子)が家出してしまったのだ。
 香奈絵の指示で、ゴミ処理施設建設の市民説明会に足を運んだ澪は、音楽堂取り壊しに反対する1000人の署名を集めたことを報告する。それを知った役人や有識者たちからも、市民の声は無視できない、という意見が上がった。清忠は、澪に建設計画の再検討を約束した。が、そこで清忠は、コンクールの優勝候補である安見市の合唱団がドイツで活躍する高名な指揮者を迎え入れたことに触れ、それでもシャンソンズは優勝できるのか、と澪を挑発した。後には引けなくなった澪は、シャンソンズは優勝すると宣言し、優勝しなければ即解散する、と言ってしまう。
 まひる(大島優子)や玉子(菊地美香)、南(福原美穂)らには大会用の秘策がある、と豪語したものの、実際には何のアイデアもなかった澪は頭を抱えていた。それを見抜いた一希(玉山鉄二)は、優勝できなければシャンソンズのメンバーが夢や目標を失うということだけは忘れるな、と言い放つ。
 そんな折、澪は、かつて同じ劇団に所属していたパートナーで、元恋人でもあった三宅光矢(石井竜也)が、演出家としてパリ・オペラ座での公演を成功させ、帰国したことを知る。三宅は、東京で凱旋公演を行うのだという。
 澪は、県大会に向けて感性を磨く必要がある等と理由をつけてシャンソンズのメンバーとともに東京を訪れた。家出した忠子も、実は東京に滞在していた。
 三宅に会いに行った澪は、シャンソンズの指導をしてほしいと依頼する。しかし三宅は、昔話をしている時間はない、とそっけなかった。
 同じころ、玲奈は、忠子が宿泊しているホテルを訪ねていた。玲奈は、哲郎とのことを打ち明けて忠子に謝罪した。しかし忠子は玲奈を許すことができず、あなたとは一緒に歌えない、と返し…。
 三宅の稽古が終わるのを待っていた澪は、彼に頭を下げ、改めて協力を頼む。三宅とともにバーを訪れた澪は、自分ひとりの力ではシャンソンズを勝たせる自信がない、と正直な思いを打ち明けた。いままで自分ひとりでやってきた澪は、メンバーたちの夢を背負いこむ資格があるのかどうかもわからないのだという。しかし三宅は、恋より夢を選んだことを後悔していない、という澪に、間違っていないというのならその選択に最後まで責任を持つべきだと言い残して席を立ってしまう。
 三宅と別れた澪は、東京タワーの近くで忠子と出会う。そこは、忠子が哲郎からプロポーズされた場所なのだという。忠子は、哲郎との結婚を清忠に反対されたため、結婚式を挙げられなかった、と澪に打ち明けた。すると澪は、結婚式を挙げなくても愛を誓いたいときに誓えばいい、過去にすがっても何も得られない、と忠子に告げ、半ば強引に彼女を由芽市に連れ戻す。
 澪が桜(濱田マリ)の店に戻ると、三宅から封筒が届いていた。が、その中に入っていたのは白紙の五線譜だった。
 玲奈は、澪のもとを訪れ、シャンソンズを辞めると言い出す。玲奈は、市役所も辞めるつもりなのだという。
 澪は、メンバーたちの前で玲奈と哲郎の件を話し、逃げないで向き合えと忠子に告げる。このままでは県大会で優勝できない、というのだ。忠子は、晒しものにされたと憤った。すると澪は、今日は帰るよう忠子に命じた。が、忠子が練習場から出て行くのを見届けると、即座にメンバーたちにある曲の楽譜を配り…。
 その夜、澪は、忠子と哲郎を練習場に呼び出す。シャンソンズの面々は、練習場を飾り付け、ヴァージンロードを用意し、忠子と哲郎に結婚式を挙げさせようとしていたのだ。初めて向き合い、お互いの気持ちを確かめ合う忠子と哲郎。澪たちは、忠子と哲郎、そして玲奈のために用意した曲、シュガーの『ウェディング・ベル』を歌い…。
 玲奈が練習場の後片付けをしていると、そこに忠子がやってくる。忠子は、片付けを終えたら出ていくという玲奈に、すべてを受け入れることはできないと思うが、シャンソンズであなたと一緒にやっていく、と告げて…。
 あくる日、『Singers』で大会用の選曲に頭を悩ませていた澪は、テレビで三宅のニュースを見る。そのインタビューの中で、三宅は「世界のどこでも見たことがない、自分たちにしかない作品を作っていきます。真っ白い五線譜にメロディーを描くことからステージは始まるんじゃないかと思っています。本当のオリジナリティーはそこからしか始まらない」と答えていた。その言葉を聴いた澪は、三宅から送られてきた五線譜の意味に気づく。
 シャンソンズのメンバーを集めた澪は、県大会で優勝するためには、自分たちに相応しい曲――オリジナル曲で勝負することだと皆に告げる。澪は、白紙の五線譜を一希につきつけ、曲を書くよう命じて…。

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