英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ピョンチャン五輪雑感 その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」

2018-03-04 13:52:51 | スポーツ
 「マススタート」という用語を初めて耳にしたのは、ノルディックスキーのクロスカントリー。
 ノルディックスキーのクロスカントリーは、従来、30秒おきにスタートするインターバルスタートであったが、近年は一斉にスタートするマススタートが採用されるようになった(現在、インターバルスタートの種目もある)。バイアスロンでも、クロスカントリーとほぼ同時期にマススタートが採用されたと記憶している。
 クロスカントリーにおけるマススタートはスキーマラソン(陸上競技で言うと市民マラソンの趣が強い)が始まりだったと思う。

 見えないライバルと競うインターバルスタートと違い、順位やレース展開やライバルの様子も把握でき、ペース配分やスパートのタイミングを伺うなど、戦術面の要素も大きい。
 視聴者にとっても分かりやすく、スパートの瞬間や優勝ゴールシーンも分かり、エキサイティングである。反面、長いスキー板を駆使する競技なので、集団走においては接触・転倒の危険性を伴う。

 インターバルスタートは順位などは分かりにくいが、純粋にタイムを縮める為に、ひたすら全力で走る(滑る)姿が感動的である。

 スピードスケートにおいては、マススタート形式のレースは、古くから国体などで行われていたと認識しているが、国際大会で行われるようになったのは最近のことである。
 スピードスケートや自転車競技では、風の抵抗が大きい先頭が著しく不利になる。先頭不利の解消や先頭を譲り合う展開を避ける為、ポイントをつけるなどのシステムを採っている。

 しかし、スピードスケートに於いてはポイント制が成熟していないような気がする。

【獲得ポイントのルール】
・4周ごとの順位でポイントが加算される仕組み
・4,8,12周の1位~3位までにそれぞれ5,3,1ポイントの中間ポイント
・ゴール順の1位~3位にファイナルポイントとしてそれぞれ60,40,20ポイント
・中間ポイントとファイナルポイントの合計で順位が決定
  ※ポイントが同点の場合は、ゴール順位で決定
   周回遅れとなった場合、レースが終了となる。
   他の選手の滑走を妨害するなどした場合、失格となる


 先にゴールしても、遅れてゴールした選手の方が獲得ポイントが高ければ、順位は下位になり、一見、ポイント重視のように思われる。
 しかし、3地点で1位で中間ポイントを獲得して15点を積み上げたとしても、3位ゴールのファイナルポイントの20点には及ばない。つまり、途中の中間ポイントにかかわらず、3位まではゴールした順位で決定されるのである。

 したがって、金メダル、あるいはメダル獲得を目指すのなら、ラストスパートに懸ければいいのである
 風の抵抗を考えると集団の中に居て体力を温存するのが得策。もちろん、接触・転倒の危険性、さらに、途中でスパートを掛け、逃げ切りを図る選手への対応もあるので、集団の中での位置取りは難しいものがある。

 とは言え、高木菜那選手の金メダルレースを観ると、レースとしての成熟度が足らないように思えてしまう。(高木選手が冷静にレースを見極め、作戦を巧妙に実施し、高速でのコーナリング、ラストの瞬発力を駆使した掴み取った金メダルは称賛すべき)
 高木選手の採ったような戦術へのリスクをもう少し高める為、「第3中間ポイント時点で6位、あるいは8位以内に居ないとレース終了」という規定を設けるなど改善が必要なのではないだろうか。

 さらに、準決勝(予選)に於いても疑問を感じた。
 これも高木選手の戦術に関してで申し訳ないが、最初の中間ポイントを1位で通過し5点を獲得。5点を取れば、走行妨害で失格、あるいは、周回遅れにならなければ、ほぼ8位以内が確定するので、あとは後方で滑るだけでよかった。(韓国の選手も、同様のパターンで決勝進出)
 こういった展開を避ける為、予選においては「ゴールで4位~6位の獲得ポイントを7~3点与える」「8位以内でゴールしなければ失格」などの規定を設けるべきなのではないだろうか?
 
 
その1「カーリングに関する疑問」
その2「競技成立への疑問・スピードスケート1000m」
その3「競技成立への疑問・スピードスケート マススタート」
その4「競技成立への疑問・ショートトラック」
その5「感動シーン①“メダル獲れて良かったね”」
その6「感動シーン②“格好良すぎるコメント”」
その7「バレリーナと女優」
その8「感動シーン③“ピョンチャン五輪でベストシーン”」
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『BG ~身辺警護人~』 第7話

2018-03-04 09:57:48 | ドラマ・映画
1.“衝撃の別れ”
 番組宣伝を見ないようにしているのだが、チラリと見える字幕に“別れ”の文字があった記憶がある。ドラマレビューでは番組サイトのストーリー欄を引用することにしているのだが、「危機を乗り越えようとする元夫婦が辿りつく衝撃の別れとは…!?」で締めくくられていた。
 かなり小賢しい表現である。島崎章(木村拓哉)と章の元妻の小田切仁美(山口智子)との別れを想像させる文脈だ。
 実際は上司の村田(上川隆也)が別れの対象だった。確かに、いつも以上に気配りをする優しい村田であったので、SPからの圧力で任務を解かれるとか、島崎たちが犯したミス(警護対象者や第三者を負傷させるなど)の責任を取って退職するとかあるのかなと考えていた。
 ドラマ後半、幹事長の元秘書(萩原聖人)が拳銃を発砲し、緊迫。
≪誰かが撃たれる≫
 結局、島崎を庇った村田が足を撃たれる。
 救急車のシーンでは
≪足でよかった。でも、思ったより重傷で車椅子生活に?≫ 
とか思っていたが、島崎と村田の会話が“今生の別れ”を思わせるような切迫さ。
≪なんだか、これは……≫
 嫌な予感が……
 村田急変!救急機器のモニターが、「NO SIGNAL」に!

 “別れ”が島崎と仁美ではなく、村田
 足を撃たれたのに、命を落とす?

……確かに“衝撃の別れ”だが、小賢しい……

 ただでさえ人材不足の警護課、村田を失ったら、どうなるのだろう?


2.完全に“ストーカー”……厚生労働大臣の愛子(石田ゆり子)
 仁美の仕事先で警護する島崎を車で通りかかった愛子が見つけ停車。角度や速度や距離的に車中から見つけるのは困難。さらに停車してスマホで電話……もはや完全なストーカー
 しかも、島崎と仁美のデート?現場(レストラン)にも出現!


3.やはり、かわいそうな萩原聖人
 先週、あまりのチョイ役で可哀そうだと思ったが、今週も登場し、面目を保ったかに思えたが、“情けない役”は変わらなかった。
 復讐対象は幹事長とはっきりしているのだから、島崎や落合(江口洋介)の説得や謝罪に惑わされず、幹事長に向けて発砲しないと駄目であろう。


4.結局、誰かが撃たれるのね
 島崎と仁美の“夫婦漫才”、落合の土下座も報われず、襲撃対象者以外が撃たれるというお決まりの展開。あそこまでやったのだから、無傷で終わらせないとスッキリしない。あの苦労は何だったのかと、モヤモヤ感が残る。
 衆目が集まり、騒動になるというドラマストーリーなので、必須の展開なのかもしれないが……


【ストーリー】番組サイトより
 6年前に別れた妻・小田切仁美(山口智子)から「わたしを護って」と依頼された章(木村拓哉)。元妻を警護するということに躊躇いと気まずさを感じ、一旦は村田(上川隆也)とまゆ(菜々緒)にBGを任せるものの、高梨(斎藤工)から「怖がっている女を護れないで、なにがプロですか」と焚き付けられ、みずからが引き受けることを決意する。
「誰かに狙われている」と話す仁美に対し、あくまで“ボディーガード”として接する章だったが、時折り“元夫婦”を感じさせる瞬間も…。そんな中、仁美を付け狙っていた人物の正体が判明する。

 警護の延長で、レストランで食事をすることになったふたりの前に、厚生労働大臣の愛子(石田ゆり子)が民事党の幹事長・五十嵐(堀内正美)との会食のため現れる。さらに客の中に望まれない客が紛れており…突然の銃声に店内は騒然とする!! 危機を乗り越えようとする元夫婦が辿りつく衝撃の別れとは…!?


ゲスト:山口智子(小田切仁美………章の元妻)

脚本:井上由美子
監督:常廣丈太
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