英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『JIN-仁-』 修正加筆あり

2011-06-30 20:40:00 | ドラマ・映画
 実は、第4話(恵姫のこぶの治療の話)からしか見ていません。前シリーズは最終回の2、3回前の1話しか見ていません。なので、レビューを書くのは、おこがましいのですが……

 面白かったです。1話1話見ごたえがあるのですが、面白いのであっという間に終わってしまうという感覚でした。
 南方仁、坂本竜馬、咲を中心に絡みあう人間模様。仁に感化され、また、仁も影響を受け成長していく。仁と咲はどうなるのか?竜馬暗殺を防げるのか?仁は何故、何のためにタイムスリップしたのか?歴史は変えられるのか?歴史の修正力は?
 竜馬が死に、最終回の見どころは、仁はどうなるのか?……咲くと結ばれるのか?それとも現代に帰れるのか?……さらに、タイムスリップにまつわる謎が解き明かされるのか?そして、キズを負い、緑膿菌に感染した咲を救うことができるのか?

 と、力説してしまいました。たぶん、この記事を読まれる方は、今更私が興奮してまくしたてなくても、状況は充分に承知しており、盛り上がりも最高潮だったのではないでしょうか?
 私をよく知る方は、私が記事に取り上げるのは、「ケチをつけるに違いない」と予想していることと思います。
 ……半分当たりです(笑)。いえ、半分ではなく四分の一当たりです。結末も満足していますし、大いに感動しました。
 じゃあ、四分の一のケチの部分は何なのか。タイムスリップに関する部分に、疑問と言うか、不満が残りました。あ、もちろん、ドラマとしては満足していています。以下は、SF的に不満な点を書いてみたくなったわけです。
 なので、以下はSF的に私が不満と感じたことに、興味がある方だけ、お読みください。それで、「それは違うよ」と、私の疑問を解消してくださるコメント、或いは、「そうだ。確かに変だ」と同意してくれるコメント、などくださるとうれしいです。が、「相変わらず、バカでしょーもないイチャモンを言っている」と笑ってくださってもかまいません。

【疑問・不満点】
①パラレルワールドを使って、事象の説明をつけた。
 パラレルワールドはタイムスリップで起こるパラドックスを解決するのに便利です。今回もパラレルワールドの存在を使って、事象の説明をつけていました。確か、仁もそのタイムパラドックスの説明を受けて、「もともと違う世界にタイムスリップしたのだから、何もしていなかった(歴史を変えていなかった)ことになるのでは」と理解?していました。
 確かに、これを使うと、多少の無理な展開をしても矛盾を起こさず話を収めることができます。
 しかし、このドラマの場合、「歴史の修正力」が肝(キモ)なのではなかったのでしょうか。パラレルワールドが無数に存在するのなら、仁の言うように「歴史を変えていなかったことになる」ので、何をしても良いことになります。
 自分の出生に関与する(彼女が生き続けると現代の仁が生まれなくなる)少女を助けようとして、存在が消えかかってしまったという話は面白かったのですが、仁が実際には別の世界にタイムスリップしたのなら、少女を助けることも有りになります。
 いろいろ歴史の修正力が働きましたが、それも無意味になってしまわないのでしょうか?
 そもそも、「脳腫瘍の手術を受けたのも仁、執刀したのも仁で、仁が二人いるのがおかしい」という法則から、パラレルワールド説を採用したのですが、仁がだぶって存在しても良いと思うのですが、どうなのでしょう?
 製作サイドは多少の歴史の改変と現代の未来(みき)の存在の改変をしたので、パラレルワールドを利用した方が収まりをつけやすいと考えたのかもしれませんが、唯一の世界の中で話を収めるべきだったと思います。パラレルワールドを利用したため、却って、矛盾点を感じました。

【修正加筆部分】
 仁はパラレルワールド説に一応納得していたが、それを確かめるために、文献を調べ、さらに橘家の会った場所に向かい、咲の手紙を読む。
 この手紙は、仁と咲が深い関わりがあったことを示していた。この深い関わり自体は、パラレルワールド説を否定する根拠にはならないが、歴史の修勢力が働き幕末時の仁の痕跡を消し去ったことを示しており、そのことが、唯一世界説、つまり、仁が出会った咲たちは、タイムスリップ以前の世界の直接の過去の人たちであることを示唆していたのではないだろうか。
 パラレルワールド説は偽の結論で、実際は同じ世界だった。歴史の修正力が働き仁の痕跡が消された。しかし、それにも負けない咲の思いが残り、仁も修正力に負けず、仁の行為が歴史に影響を及ぼしたと考えられる。【修正部分ここまで】


②ホスミシンの発見場所の矛盾
 咲の兄の恭太郎が、林の中でガラス瓶に入ったホスミシンを拾い、それを使って咲が回復したが、そのホスミシンは前シリーズで幕末にタイムスリップした仁が偶然持っていたものなのか、最終回で仁を突き飛ばした仁が落としたモノが時空を超えて届いたものだったのか?
 前者だとすると、発見場所がおかしい。小瓶が無事で、中身も変質していないとは考えにくい。後者だとすると、パラレルワールド説の場合、タイムスリップした仁も、ホスミシンも更に別のパラレルワールド(ドラマの説明ではではCの世界)に飛ばされたはずである。第一、無数のパラレルワールドで仁が決まった時にタイムスリップし、決まった過去に到着するという説明はかなり無理がある。やはり、唯一の世界という設定の方がしっくり説明がつくと思う。(唯一世界説を採ったとしても、発見場所がおかしい)

 とにかく、唯一世界説を採り、仁がタイムスリップしたのは「咲を助けるため」という結論(私の願望)に導きたい。

③中途半端な歴史の修正力
 仁の存在した痕跡が消え、仁とかかわった者たちの記憶も消える。それだけ強力な歴史の修正力だが、相当異質な存在の10円硬貨の存在を許し、咲が書いた手紙も消さないのは中途半端。仁と竜馬が一緒に撮った写真から仁の姿だけ消すのは、かなり強力だと思われるが。
 せめて、咲が仁を思い出すきっかけは、その時代に存在する「揚げ出し豆腐」のほうがよかったのではないだろうか?

④仁のナビゲーター役、謎の材料にされてしまった坂本竜馬
 すごく魅力的な竜馬だったが、死後、胎児様奇形腫として存在し、仁に咲を助ける案内役になってしまった。
 また、仁に「あん世界に戻るぜよ」という台詞を言わせ、謎を深める出しに使われてしまったのは、少々残念。

⑤竜馬の延命の意味
 仁の努力により、竜馬の死が多少遅らせることができたのには、何か意味があったのだろうか?


 いろいろ、イチャモンをつけましたが、非常に面白かったです。特に、竜馬が仁に感化され、芯から日本を救おうとした点、東修介が竜馬に斬りつけた真の理由、また、咲の兄、恭太郎の苦悩など、本当に素晴らしかったです。
コメント (18)
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