英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

プロ野球開催について思う 【補足1、2あり】

2011-03-21 10:30:20 | 時事
 プロ野球開催についてはいろいろな事情が絡み合っていて、難しい問題だと思いますが、大きく分けると、物理的事情と精神的事情に分けられると思います。

 A物理的事情
①球場が破損していたり、原発事故の影響や余震が続いていて、プレーすることが困難(特に仙台・楽天)
②交通事情や被災の影響で観戦する状況でないファンも多い
③計画停電の中、大量な電力を消費するのは大きな迷惑を掛ける

 B精神的事情
①多大な被害が出ている中、野球をすることに疑問、抵抗を感じる(世論の支持も小さい)
②選手の関係者が被害にあっている中、また、関係者がいなくても被災地の方々のことを思うと、プレーする心境にならない(①と似ているが、①はプレーする意義について、②は選手自身の気持ちの問題)
③球界全体が一体となるべきで、パ・リーグの4月12日開催に合わせるべきだ

 完全ではないと思いますが(特に精神的なものは複雑でしょう)、こんな感じでしょうか。
 ここ数日の選手へのインタビューをいろいろ聞いていると、精神的なところから納得していない方が多いようです。
 選手会の反対や、国からのナイター自粛の要請を受けて、理事会は開幕を29日に延期、また減灯ナイターなど節電策(延長戦は行わない、ナイターは極力行わない、余分な照明、電光掲示はしないなど)の改良案を提示、実行を約束しています。

 しかし、この案を聞いて、選手たちは多少の理解は示していますが、納得していない部分が大きいようです。気持ちはよく分ります、よく分りますが…感情的に一方方向しか見ていないように思います。

 私の考えは、プロ野球開催は支持です。もちろん、節電策(ナイターはしない)や選手や観客の安全、また、被災地の方々への配慮をしたうえです。

①電力事情などを別にして、プロ野球をすることが被災地の復興などの妨げにならない
②被災地以外では、経済活動をしっかりして、日本全体の国力を維持しないと復興する力自体が減退してしまう
 これは、プロ野球に限らず、すべての経済活動について言えます。「被災地の方が苦しみ、悲しんでいるのに、金儲けをしていていいのか、被災地への支援をするべきではないのか」などの疑問は起こるのは当然ですが、募金や節電やボランティアだけでなく、日本経済をしっかりさせることも、大切です。プロ野球を開催(プレーすることでなく開催)することが、日本全体を活気付け、世界へも復興をアピールできると思います。
③プロ野球選手の仕事は野球をすること
 プロ野球選手に限らず、一般の人々も、気持ちが進まないまま仕事をしています。仕事の種類によって、気持ちの抵抗の大きさは違うと思いますが。
 一般的に、家族が大変な時でも、仕事をしなければならないことは多いはずです(これはプロ野球選手も)。そして、その心情を表に出さずに仕事をします。それが仕事、プロです。
 さらに、経済的に追い込まれていて、もう仕事しないと生活していけず、仕事するしないの選択の余地もない方もいらっしゃると思います。
 プロ野球選手は野球をしてこそプロ野球選手だと思います。

③-2 プロ野球選手は恵まれすぎている
 (これを書くと、またいろいろ反感を買うかもしれないなあ)
 普通の人は、仕事をしなかったら給料が減ります。また、事故や経営難で営業が出来ないと給料は入ってきません(または減収)。
 仕事をするのに抵抗を感じて仕事をしなかったり、身が入らない仕事をしたら、会社自体が傾いてしまいます。
 プロ野球選手はそういう意識が少ないのでしょうか?試合が行えなかったら、球団が傾きます。極端なことを言えば、球界が衰退してプロ野球そのものがなくなったら、仕事自体がなくなってしまうのです。
 年俸制だから、試合がなくても、減っても関係ない。球団が年俸を渋ったら、他の球団にいけばよいと考えているのでしょうか?
 不景気による経営不振で、廃部や縮小に陥っている競技が多くあります。(バレーボールVリーグ、社会人野球、実業団陸上部、アイスホッケー、ラグビー、バスケットボール(今春は日本航空が廃部)など)
 また、今回の震災で、Vリーグ打ち切りなど多くの競技が中止、または延期されています。また、高校、中学の全国大会なども中止が相次いでいます。
 そんな中でプレーできるプロ野球選手はありがたいことだと思わないのでしょうか?現役プレーヤーだけでなく、社会経験豊富なスポーツニュースのコメンテーターの江本孟紀氏や高木豊氏を初め多くのOBも開幕に対して難色を示しています。改良案を示された後も、「ある程度理解は出来るが、納得はしていない」という選手たちの言葉は、私には理解できません。

=補足=
 フジテレビ『すぽると!』の世論は「25日開催に反対」(17日放送)は94%らしいです。
 さらに昨日(20日深夜)放送では、インタビューに答えるファンの多くは「29日開催反対」みたいでした。その理由は、「セ・パ同時開催すべき」(この理由が一番多く放送では流された)「被災者のことを考えると100試合になっても良いから遅らせるべき」「節電すべき」「停電したらどうするのか」「4日ぐらい遅らせても意味はない」など。ファンの9割以上が今回のセリーグの対応に不満を持っているとのことです。
 ただ、私が理解できないのは、
「現地の惨状を見ると、我々が浮かれて球場に足を運ぶわけにはいかない」
「開幕どころの話じゃないと思う。自分たちの利益しか考えずに決めている」
「スポーツを楽しむ側としても、そうまでして楽しみたいとは思わない。そのくらい我慢できる技量はファンも持っている」
 このインタビューは、オープン戦が行われた球場でされているのです。ユニフォームと帽子を身につけて、野球観戦する気満々の姿なのです。開幕はダメで、オープン戦はいいのでしょうか?不思議です。

=補足2=
 他のブログの方も仰っていましたが、球団の職員や球場の職員(売店や納品業者も含む)の生活はどうなるのでしょう?
 もちろん、「被災者の方のことを思うと」という気持ちも良く分ります。

続記事『プロ野球開催について その2』
コメント (2)
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