先日のその①で将棋世界誌についての感想を述べましたが、その続きです。
本当に読み応えがあります。
『イメージと読みの将棋観』
一流棋士が将棋観、局面の捕らえ方を述べていて、非常に参考になりますし、それぞれの個性を感じる点でも面白いです。
その中でも、テーマ1「菅井新手の▲7六飛」は、現在戦っている渡辺竜王と久保二冠の棋王戦にリンクしていて興味深かった。
菅井新手とは、初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四飛▲7八飛△8五歩に▲7六飛(菅井新手図)と浮いた手。
従来、以下△8八角成▲同銀△4五角の筋があり成立しないといわれていたが、菅井四段が谷川九段戦で指し、△4五角以下、▲6六飛△2七角成▲7四歩△同歩▲5五角と進めている。
今月号(4月号)で、竜王の自戦記で、「将棋世界誌で△4五角は打たない。振り飛車側は当然研究しているだろうからという趣旨の発言をした。あれは半分冗談だが、△4五角はいろいろリスクがある」と書いていて、実際に3月号で予言したとおり▲7六飛に△8八角成▲同銀△2二銀と指している。
竜王は半分冗談と言っているが、かなり本音も入っているはず。久保二冠は「先を越された」と言っている。
この局面の周辺の各棋士の捉え方が一致しているのが面白い。
渡辺竜王「(△6二銀など指して)▲7七桂と跳ばれたら、後手の作戦失敗(動くべき)」
佐藤九段「(もし△4五角と打たれても)先手がいいなら、後手の△8四歩~△8五歩がどうかということになってくる」
森内九段「そもそも△8五歩は▲7六飛型を作らせないための作戦なので、この手が通ってしまうと根本的な見直しを迫られることになる。この局面になったら、△8八角成▲同銀△4五角とするしかない。この変化で自信がなければ、後手は最初に△8四歩~△8五歩とはできないことになる」
谷川九段「△8四歩~△8五歩は角道を止める石田流にはさせない作戦で、このあと△6二歩▲6六歩となったら、最初に△8四歩~△8五歩と突いた方針と反する。それなら最初から△8四歩と突かない方がいい。なので後手は△8八角成▲同銀としなければ面白くない」
久保二冠「このあと△6二銀▲7七桂となれば▲6六歩を突かない石田流がかなり得している」
広瀬王位「次に▲6六歩や▲7七桂となれば先手石田流の意志が通るので、後手としては△8八角成▲同銀△4五角としたい。
▲7七桂と▲6六歩の優先順位が若干異なるが、考え方はほとんど一致している。特に菅井新手が有効となれば△8四歩~△8五歩自体の意義が危うくなるという考えで一致するのはすごいです。
突き抜ける!現代将棋
これは濃密です。非常に参考になるのですが、濃密過ぎてなかなか消化し切れません。苦労して読み、勉強になったと満足するのですが、先月号の内容はほとんど覚えていません。
さて、またしても、前置きが長くなってしまいましたが、本題の級位コース(次の一手)です。
(解答は後日)
本当に読み応えがあります。
『イメージと読みの将棋観』
一流棋士が将棋観、局面の捕らえ方を述べていて、非常に参考になりますし、それぞれの個性を感じる点でも面白いです。
その中でも、テーマ1「菅井新手の▲7六飛」は、現在戦っている渡辺竜王と久保二冠の棋王戦にリンクしていて興味深かった。
菅井新手とは、初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四飛▲7八飛△8五歩に▲7六飛(菅井新手図)と浮いた手。
従来、以下△8八角成▲同銀△4五角の筋があり成立しないといわれていたが、菅井四段が谷川九段戦で指し、△4五角以下、▲6六飛△2七角成▲7四歩△同歩▲5五角と進めている。
今月号(4月号)で、竜王の自戦記で、「将棋世界誌で△4五角は打たない。振り飛車側は当然研究しているだろうからという趣旨の発言をした。あれは半分冗談だが、△4五角はいろいろリスクがある」と書いていて、実際に3月号で予言したとおり▲7六飛に△8八角成▲同銀△2二銀と指している。
竜王は半分冗談と言っているが、かなり本音も入っているはず。久保二冠は「先を越された」と言っている。
この局面の周辺の各棋士の捉え方が一致しているのが面白い。
渡辺竜王「(△6二銀など指して)▲7七桂と跳ばれたら、後手の作戦失敗(動くべき)」
佐藤九段「(もし△4五角と打たれても)先手がいいなら、後手の△8四歩~△8五歩がどうかということになってくる」
森内九段「そもそも△8五歩は▲7六飛型を作らせないための作戦なので、この手が通ってしまうと根本的な見直しを迫られることになる。この局面になったら、△8八角成▲同銀△4五角とするしかない。この変化で自信がなければ、後手は最初に△8四歩~△8五歩とはできないことになる」
谷川九段「△8四歩~△8五歩は角道を止める石田流にはさせない作戦で、このあと△6二歩▲6六歩となったら、最初に△8四歩~△8五歩と突いた方針と反する。それなら最初から△8四歩と突かない方がいい。なので後手は△8八角成▲同銀としなければ面白くない」
久保二冠「このあと△6二銀▲7七桂となれば▲6六歩を突かない石田流がかなり得している」
広瀬王位「次に▲6六歩や▲7七桂となれば先手石田流の意志が通るので、後手としては△8八角成▲同銀△4五角としたい。
▲7七桂と▲6六歩の優先順位が若干異なるが、考え方はほとんど一致している。特に菅井新手が有効となれば△8四歩~△8五歩自体の意義が危うくなるという考えで一致するのはすごいです。
突き抜ける!現代将棋
これは濃密です。非常に参考になるのですが、濃密過ぎてなかなか消化し切れません。苦労して読み、勉強になったと満足するのですが、先月号の内容はほとんど覚えていません。
さて、またしても、前置きが長くなってしまいましたが、本題の級位コース(次の一手)です。
(解答は後日)