英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

竜王戦第2局 (って、今更!) しかも「その1」

2010-12-10 23:57:05 | 将棋
 第5局苦しい将棋を逆転し「よし!」思い、会議に向かう。
 帰ってその後の解説を追わずに棋譜を追う。
【以下は私の見たまんまの判断で、羽生勝ちを信じているので、正しい大局判断とはずれています】
 完全に形勢が入れ替わり、渡辺竜王の辛抱の手順が続き、羽生名人が着々と寄せの網を絞っていく。
 渡辺竜王は2枚龍の利きの先に打つ(▲6一金)。威力十分だが一点狙いなので形作りか?
 △2四角右、一気に後手の2枚の角が働きだし、終局間近だな。▲同歩△同角▲5一金△4二玉▲5二金△同銀▲5一角、あれ、手が進まない……投了?…え?負け???

 暫し固まってしまいました。その後、調べてみると、渡辺竜王のしぶとさが光る終盤だった。
 今回のシリーズ、渡辺将棋の特性が如実に発揮されている。ま、これは、今回に限ったことではなく、竜王戦の大一番になるとその強さは必ず出現している。


 第6局が始まる前に第5局について書きたいのですが、やはり第2局から書きたいという思い…欲がもたげてきます。というわけで、いまさらですが第2局です。

 第1図は羽生名人が新手を放った局面。

図の▲6五銀を打つ前に、▲1五香△同香を挟むのが羽生名人の工夫で、飛車を3五に出た後、桂を成り捨て1五に転回する手を秘めている。

 第1図以下、△2六銀成▲1三桂成△同桂▲1四歩△3四香▲6四銀△同歩▲4一角△1二歩▲1三歩成△同歩▲7四角成(第2図)と進む。

 すぐに角を取らずに先に桂を成り捨てたり(△2四銀の守りを警戒)、桂を取らずに先に▲4一角を打ち△1二歩を強要してから▲1三歩成△同歩と進め(△1三同玉は△1二歩が無駄手に近くなる)、手順を尽くして局面のリードを図る。
 渡辺竜王の△2六成銀や△3四香は、上部を厚くして容易に腰を割らないという如何にも竜王らしい指し手。 
 第2図は角香交換の先手の駒得。しかも得した角が馬に昇格しており、先手優勢は確固たるものになったように見える。
 しかし、後手玉上部も2六の成銀、3五の歩、3四の香、1五の香と相当の厚み。先手の馬もかなりの厚みのはずだが、後手はそれ以上に思える。羽生名人は手順を尽くして2四銀ではなく3四香を強要したが、その香によって先手の飛角の2枚が抑え込まれているのが大きな負担となっているように感じる。銀ではなく香で押さえられているというのが痛いように思える。私がヘボだからかもしれないが、後手の入玉阻止は難しいのではないか。
 とは言え、先手の馬も強力で、上部開拓するか、後手玉を捉まえるのに一役買うかもしれない。最低相入玉で、大駒3枚保有する先手が有利なのではないか。渡辺竜王も入玉を視野に入れた指し方をするかもしれないなどと思っていた。
 しかし、第2図からの竜王の指し手は驚愕させるものだった。
コメント (6)
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