英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『SPEC』 最終話

2010-12-18 19:23:06 | ドラマ・映画
 ああ、やっぱり「放り投げの最終回」だった。

それなりに評価できる(面白い)点
地居の偏執性(キモイ、うざい)
・最後の敵は地居だったのは予想(期待)通りで、その狂人ぶりは最終敵としては相応しいものだった。
・その彼のエゴでニノマエ、当麻、瀬文で踊らされたという真相はそれなりに納得できる。
・最終回として、それらのニノマエ、当麻、瀬文、地居の因縁が明かされ、終結したという点、そして、瀬文はドラマのためでなく地居のエゴによって巻き込まれたは評価できる。しかし、当麻-地居の恋敵として瀬文が選ばれた理由は不明。

当麻対ニノマエ
ニノマエに対抗するため、毒を仕込んだ雪を捜査一課のトリオを使って降らせる。常人の数万倍のスピードで動くニノマエは、毒の影響を数万倍受けるという理論で、なるほど、雪は伊達に降っていたんじゃなかった!

当麻、瀬文の思い>地居の記憶改変能力
 「辛いことや悲しいことだって、あたしの財産だよ」
 「人は痛みや苦しみを味わって、苦しんで乗り越えてそれを優しさに変えていくんだよ」
 「人間の記憶は頭の中だけにあるわけじゃない。身体全体が覚えてるんだ」
 共感しました。

美鈴(福田沙紀)のボケシーン
 瀬文が気合で弾を止めようとしたのを「スペック?」と勘違いし、気合だけと知り「やっぱりピンチ」と隠れる美鈴

とは言え、
ドラマの造り手としては最低だった
放り投げっぱなしの謎
・瀬文が巻き込まれた発端の事件はなんだったのか?
・志村(瀬文の部下)を操ったのは誰か?そしてその目的は?
・里中(瀬文の先輩)を撃ったのは誰か?
・海野が言っていた「君たちを最も苦しい病の中に取り込んでやる」の意味は?
・ニノマエが属する組織の存在目的は?その他ほのめかされた各種組織の実態や目的は?

 散りばめられた謎は、回収されませんでした。

 さらに今回、
・野々村係長がニノマエの遺体を見ていて驚愕したが、それはなぜか?
 多分、ニノマエが死んでいなかった。地居はニノマエの死を確認したが、ニノマエはいつもの逆パターンの能力を使った。自分を超低速の時間の流れに置き、通常世界で仮死状態にした。
 あと、逆に死んだことにより、能力で過ごした時間が一気に彼の身体に降りかかり、老化現象が始まった。しかし、地居が来た時にかすかにニノマエの指が動いたので前者と考えるのが妥当

・地居がニノマエと同じ能力で敗れたが、その能力を発動したのは何故か?
 地居は最初ニノマエを疑ったが、彼ではないことをなぜか悟った。その場にいた者(地居、瀬文、美鈴、当麻)の表情から当麻が発動したと思われる。ニノマエとは姉弟という点からも有力。
 しかし、地居には時間停止のスペックはないので、あの共に銃を撃った状況では、謎の時間停止能力者がいなくても、地居は無傷ではなかったはず。
・石橋蓮司の組織、地位を援護するスペックホルダー達と、さらに正体不明の組織が出現
 石橋氏は地居に真相を語らせるためだけに登場したようなものだった。各話ごとに都合の良い組織を登場させただけだった。
・金太郎飴を遥かに超える津田 
 地居が津田と名乗ったり、姿を津田に変えたり、さらに、ラストに登場して「予定通り状況終了」と電話で連絡して忽然と姿を消した津田。もう理解不能。

 謎を散りばめたのではなく、置き去りにしただけ。都合の良い組織を登場させ、話のつじつまを合わせようとしただけ。謎を回収する気はまったく皆無で、続編や映画にまた都合よく使えば良いという考えなのだろう。 
 収束せず拡散させたまま(地居、当麻、ニノマエ、瀬文についてのみ収束)終わる未完成ドラマに10回も視聴者をつき合わせた。未完成品、さらに言えば、不良品のまま世に出したのである。こういうドラマ作り(今作品だけではない)、アマチュアならともかく、プロの姿勢ではない。大河ドラマ『天地人』、朝の連続テレビ小説『てっぱん』同様、視聴者をなめている。



その他の突っ込みなど
・「この(時間停止)能力は僕だけのはずだ」←根拠は?

・陰の実力者(石橋蓮司)と地居が将棋を指していたが、脚付将棋盤に番太郎駒はアンバランス。意図したものなのだろうか?
(番太郎駒とは昭和の時代、おもちゃ屋で売られていた紙箱に紙の将棋盤と共に入っていた将棋の駒。安価な最下級のランクの駒)

・気の毒な城田君
 偏執狂の最低男を演じさせられ、石橋蓮司に「女にもてないだろう」と指摘された揚句、石橋蓮司+幼女2人に「うざい」と言われ、戸田恵梨香に「ストーカー」(福田沙紀にも)と呼ばれ、「キモッ!」と連呼され、最後に瀬文に歯が額に突き刺さった城田君、ちょっと気の毒。


 あ、そうそう、海野医師が自分たち能力者を「マイノリティ(少数者)」と呼んでいたが、能力者だらけじゃん!
 このように、他の方が突っ込んでいて、吹き出してしまいました。
コメント (6)
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