英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

残念(第22期竜王戦決勝トーナメント 準決勝 森内九段×羽生名人)

2009-08-07 23:36:32 | 将棋
 残念だぁ!
 嫌な相手で、できれば先手番が欲しいと思っていたが、後手となる。いや、ここを乗り越えてこその永世竜王ではないのか!
 とは言え、実は、できれば準々決勝では高橋九段に森内九段を破ってほしかったと思っていた。(ランキング戦では高橋九段の勝ち寸前の局面で、高橋九段の失着に助けられての辛勝なので迂闊なことは言えない)

 将棋は、後手一手損角換わり戦法に対して棒銀の速攻で、後手の手損による立ち遅れを突こうという一手損角換わりを全面否定の意志。
 これに対して、羽生名人は新手で対抗したが、第1図では飛車を手にしたものの、後手の左翼の金銀3枚を取られ駒損が響きそうな局面。ネット中継によると、第1図の少し前では、「控え室は先手乗りの声が多い」とのこと。



 第1図に至るまでに、他に変化する手順もあるようだが、私が気になったのは、第1図では△3三桂と取られそうな桂馬を逃げつつ活用する手はないのかということ。
 それに実戦(第2図)でも現れたが、後手玉に迫るには▲7五桂が最も速い。だから、簡単に桂を取らせてはいけなかったような気がする。



 と言っても、第2図では本譜の△7四銀より△3九龍と指した方がよかったらしく、それでかなり難解な局面だったようだ。

 ネット中継の解説は、そのための解説者をお願いするのではなく、たまたま控室にいる棋士の研究やその時の言葉を乗せることが多いとのこと。なので、その言葉について、あれこれ言うべきではないのかもしれないが、上っ面の研究や形勢判断が載ることが多い。
 「上っ面」というと言葉がきついが、第一感で最初に簡単に並べられた変化をそのまま書かれてしまうという意味である。

 そういう面があるが、ファンとしては少々不快に感じることも多い。

 例えば、「現在は(3)4七歩の垂らしを中心に検討中。「一番ましか」と言われている」などは、不快感さえ感じてしまう。
 中継担当者も配慮すべきだが、トップ棋士同士の将棋をこういう表現するのはいかがなものだろうか?
 あと、よく見られる表現に「継ぎ番(検討用)の盤駒は片付けられている」がある。ひいき棋士の逆転を祈っているファンにとっては、身も蓋もない表現だ。実際には、この表現が使われても逆転や形勢がもつれることは数多い。
 対局者が一番読んでいるのはまちがいなく、控室の研究では及ばないものがあることは、渡辺竜王もどこかで語っていた。(トップ棋士が意地と名誉などを掛けて真剣に戦うのだから当然)

 ただ、中継で伝えられる控室の検討が、対局者を尊重せず、また、研究も対局者に迫ろうという気概が感じられない時があり、がっかりすることがある。



 本局は最終盤、「おおっ!もしや」と思わせていただいたが、まさに「ぬか喜び」であった。残念。

 これで、挑戦者は森内九段、深浦王位、久保棋王に絞られた。そうそうたるメンバーで、誰が挑戦者になっても面白いタイトル戦になりそうだ。個人的には森内×渡辺戦が一番見たい。

 羽生ファンの身勝手な期待としては、苦手な深浦王位から木村九段に王位を奪取していただき、来年羽生名人が木村九段から王位を頂く。竜王は久保棋王に頑張っていただいて……いえ、やはり、渡辺竜王、深浦王位にタイトルを保持してもらい、雪辱戦を挑むというのが王道だ。 
コメント (8)
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