奄美ロングステイ

奄美の自然の中でロングステイのできるペンションを作りました。毎日のできごとを紹介していきます。

久しぶりに奄美の三献をごちそうになった

2013-03-09 20:00:41 | イベント・行事
卒業式のシーズンである。
奄美でもたくさんの中学生、高校生が新しい生活に向けて旅立っている。
となりの集落のK家でも娘さんが高校を卒業して内地での大学生活を始めることになっている。
先日は彼女の卒業祝いを自宅で行なうということで、ご招待を受けおじゃましてきた。
彼女とはお互い一緒にシマの駅伝大会の練習を行なった同志である。
奄美では子供が卒業すると、家で近所の人や親戚縁者が集まってお祝いをする風習があるのだ。
家では料理とお酒を用意して、出席者はいくばくかのお祝いを包んで駆けつける。
昔はどこの家でも行っていたが、準備が大変なので最近はホテルなどの外部を使い卒業生の家族
合同でお祝いをすることが多くなってきているそうである。
事実今年このあたりの集落で、自宅でのお祝いを行なったのはKさんのところ一軒だけとのこと。







Kさんの家の広い座敷にはいくつものテーブルが並べられている
次から次へと人々がお祝いに訪れる
その数50名を越していたのではないだろうか
これだけの人たちの料理や酒を用意するのはさぞかし大変なことであろう
近所の奥さんたちが大勢助っ人に駆けつけているそうだ







テーブルに座るとひとりひとりにサンゴン(三献)が運ばれてくる
三献とは奄美の儀式で供される料理で、お正月や結婚式などの慶事のみならずいろいろな行事の際に
食べられる
赤い椀と黒い椀のすまし汁そして刺身の3点セットになっていて、椀の中身は集落によって微妙に
違っているようだが、だいたい赤い椀にはえび、しいたけ、かまぼこ、ゆでたまごが入っていて黒い椀は鶏肉や豚肉の肉類が入っている
今回のようなおめでたい席では赤い椀から箸をつけ、逆の場合は黒い椀から食べるのだそうだ
みんな三献を食べるところまではかしこまっているのだが、それ以降はいつもの宴会と化す
主役であるはずの娘さんはひたすらお祝い客に三献やビールを運んでいるのだが、みんな顔なじみ
だからニコニコしている
都会ではまずみられない光景かもしれない
奄美でもこんな行事はだんだんすたれていくのかもしれない
ちょっとさびしいような気もする