奄美ロングステイ

奄美の自然の中でロングステイのできるペンションを作りました。毎日のできごとを紹介していきます。

台風が去った

2017-08-07 18:38:26 | 奄美の自然
台風5号が奄美を襲った。
去年は台風がひとつも奄美に来なかっただけに久々の事件だった。
以前にも書いたように台風はようやく育ってきた野菜や花を一晩で枯らし
せっかく予約してくれたお客さんの旅行を台無しにしてキャンセルさせ
細々とやっている民宿の経営に悪影響を与え、そしてたまにその民宿の屋根を
吹き飛ばす。
停電を引き起こし冷凍庫の中の肉を駄目にする。
何一つとしていいことはない。クソである。
なぜいつも奄美の手前で急に進路を変えてわざわざ被害をもたらすのか。
だからこのクソ台風が来ると荒れ狂う雨風の中外に出て
「このバカヤロウ!!」と叫びながら天に唾する。
そのうちバチがあたるかもしれない。

もちろん奄美の人たちはこんな愚かな真似はしない。
あくまで自然のもたらした結果として潔く受け入れている。
家が壊れようと作物が出荷できなるほどの被害をうけても淡々としている。
しかし自分は移住してきて7年たってもまだそこまで達観できていない。
奄美の人のはるか昔から受け継がれてきた価値観なのだろうか。



予報で台風が襲ってくると言われていた日の朝
そんなことが信じられないくらい空は澄み渡り穏やかな天気だった
雨が降らない中毎日欠かさず2回水やりを続けて大きくなってきたひまわりがつぼみをつけそうだった




毎朝成長の様子を見ながら文字通り丹精込めて育てたスイカも少しづつ大きくなっていた




夕方になると天気は一変して猛烈な雨風が襲ってきた
その凄まじさは写真では表現できない
そしてその夜には荒天のため停電になってしまい二晩真っ暗闇の中でテレビもインターネットも見られず
ただ時間の過ぎ去るのを待つだけの夜を過ごす(実際は暗くなる前にとっとと寝てしまっていたのだが)




停電のため情報が全く得られなかったので知らなかったのだが今回の台風は奄美の近所で
停滞していたらしい
いつもだと半日も雨風が吹き荒れたらさっと別の場所に去ってくれるのだが今回は長かった
次の朝になってもその次の朝がきても雨が窓を打ち続けていた
今回一番心配したのはにわとりたちのことだった
しかし猛烈な嵐の中でもしっかりといつもと変わらずエサが来るのを並んで待っていて
びしょ濡れになりながらしっかりと食べていた
思ったよりタフである





しかし嵐の中では産卵はしたくないようだ
いつもの場所に卵はなかった




金曜に始まった停電はようやく日曜日に復旧したがそれでも雨風は収まらなかった
もうその時点でひまわりは軒並み倒されていた




そしてスイカも無残な姿に変わり果てていた
今回の台風でこれが一番ショックな出来事であった




同じく実をつけ始めていたパパイヤもボロボロにやられている




木が折れて落ちてしまったバナナの実はきっちりフォローしなくてはならない




毎年のことで想定内ではあるが何本もの木が倒されている




ピザ窯の扉も吹っ飛んでいた





ようやく雨風が収まって静かになってきたのは月曜の昼過ぎのことだった
結局4日間も居座ったことになる
さすがにこのあたりになると心も穏やかに安らいでいて淡々と後片付けの作業にはいる
まずは倒れたひまわりを植え直す
根元にかぶせる土を掘っているとミミズを探しににわとりたちがぴったり後をついてくる
タフであると同時に結構賢いようだ




例年は風は東から、つまり海の方向から吹き付けるので一晩で塩害のため植物は枯れてしまう
しかし今回は北西からの風が主だったので塩の害は避けられそうだ
このまま回復してなんとか花を咲かせてほしい




今回倒されたバナナの木は7本
これを1本ずつ他の場所に植えなおす
これが思いのほか重労働なのだ




全部植え直すころにはへとへとになっている
しかしこうすることによって台風のたびに我が家の周りはバナナの木で囲まれていくようになるのだ