プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

「防衛省」法案 衆院を通過 武力による国際貢献を望んでいるのはアメリカだけ

2006-11-30 18:53:09 | 政治経済
防衛庁を「省」に昇格させ、自衛隊の海外活動を本来任務へ格上げする防衛庁設置法や自衛隊法などの改正案が、30日の衆院安全保障委員会で自民・公明、民主などの賛成多数で可決。同日午後の衆院本会議に緊急上程され賛成多数で可決、参院へ送られた。 半世紀以上にわたって守ってきた自衛隊についての憲法解釈を翼賛的にいとも簡単に変更してしまった。従来の政府の憲法解釈を根底から覆す重大法案が5日間程度の委員会審議で通過する事態は、国会全体の右傾化を反映する極めて危険な状況である。 . . . 本文を読む

新教育基本法  新聞が報道しない大人への統制の危険な構造

2006-11-29 20:55:54 | 政治経済
大新聞は新教育基本法の危険な内容を報道しないどころかまだ参院で審議中であるにもかかわらず、「教育基本法改正案 成立へ」などと書きたてて、反対運動の高まりに水をさす役割を買って出ている。 いま安倍政権が強行しようとしている新教育基本法は学校・教員・生徒を国家統制のもとにおくだけでなく、大人も国家統制のもとにおく巧妙な仕掛けが施されている。国民精神総動員法ともいうべき危険な構造を告発しているのはごく一部の専門家だけである。 . . . 本文を読む

教基法改悪 はじまった子どもの内心に踏み込む学習指導要領改定作業

2006-11-28 20:28:49 | 政治経済
焦点の教基法改悪法案の審議が、参院で続いている。やらせ質問による世論誘導だけでなく、改定法案の憲法との矛盾点が明になりつつある。伊吹文科相は、当初「(新教基法案では)法律によって行われる行政は不当な支配に当たらないと明記している」といっていたが、24日、民主党の福山哲郎議員への答弁で「教育行政機関が行う行政でも、右にいう『不当な支配』にあたる場合がありうる」という旭川学力テスト事件最高裁判決を読み上げ、さらに「内閣がつねに正しいことをしているとは限らない」とのべ、国家介入の抑制の必要性を認めた。これは、改定法案(教育行政)第16条の破綻を意味する。27日には日本共産党の井上哲士議員が、子どもの内心に踏み込む学習指導要領改定の検討がはじまっている問題を追及した。 . . . 本文を読む

「九条の会」 憲法セミナー 4つの選択肢を考える

2006-11-27 19:32:59 | 政治経済
「九条の会」初めての試みとなる「憲法セミナー」が25日、東京の明治大学で開かれ約八百人が参加した。同セミナーは各界で活躍する多彩なゲストを招いて開くもので、今回は作家の辻井喬さんが招かれた。 呼びかけ人のひとり加藤周一さんが、「九条の会」には、九条を守る運動を広げることと、考えを深めることとの二つの目的があるが、セミナーは深めることに重点があると憲法セミナーの趣旨を説明。考えを深めるために問題を提起したいとして「平和にとって、九条を守ることと(日本の)対外関係における独立性は無関係ではない」とのべ、両者の関係について4つの選択肢を説明した(「しんぶん赤旗」2006年11月27日)。 . . . 本文を読む

「近未来通信」の経営混乱  規制緩和で通信業界は何でもあり

2006-11-26 18:47:41 | 政治経済
インターネットを利用したIP電話事業を口実に、「近未来通信」(東京都中央区)が全国の投資家から資金を集めていた問題で、名古屋市緑区の女性(67)ら3人が近く、同社と石井優社長らを相手に、計約5000万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴する(「中日新聞」2006年11月26日)。1985年、日本電信電話公社が民営化され、NTTが誕生して以来、IT革命、IP電話、携帯電話、iモード、マイラインなど何かと話題が多い通信業界はつぎつぎと規制を緩和され、原則どんな業者でも参入できるようになった。もちろん、まじめに商売をしている業者もいるが、「通信サバイバル」の掛け声とともに有象無象の業者が暗躍する何でもありの世界である。 . . . 本文を読む

バグダッド連続テロ 「地獄の門」を開いてしまった米国はどう責任をとるつもりか

2006-11-25 20:09:22 | 政治経済
AP通信によると、バグダッド北東部のイスラム教シーア派住民地区サドルシティーで起きた連続テロの犠牲者は24日、死者215人、負傷者257人となった。一方、市内北西部では今度はシーア派民兵がスンニ派のモスク(イスラム教礼拝所)や住宅をロケット弾で破壊したり、放火するなどした。事態は報復合戦の様相を帯びており、国連のアナン事務総長が9月18日、国連本部の演説で「もし現在の排斥と暴力のパターンが継続するなら、イラクの国家が崩壊する重大な危機があり、全面的な内戦に陥る可能性がある」と警告した通りの状況が進んでいる。米国のイラク攻撃の危機が迫る2002年9月5日、カイロで開かれたアラブ連盟外相会議は米国の対イラク攻撃に反対する決議を採択。同連盟のムーサ事務局長は、攻撃が実施された場合は中東に「地獄の門を開くことになる」と述べ、アラブ諸国の懸念を改めて表明した。「地獄の門」を開いてしまった米国は現在のイラクの事態に対して、どう責任をとるつもりか。 . . . 本文を読む

自民「造反組」復党問題  その邪まな思惑 本質は構造改革急進派と漸進派の対立

2006-11-24 20:41:22 | 政治経済
自民党が郵政民営化に反対して党を離党した造反組議員(12人)の復党問題で迷走している。問題は自民党の党運営にかかわる話であり、どうぞご随意にと言いたいところであるが、政権政党の構成メンバーのあり方は実行される政策と無縁ではあり得ないので必要なコメントを加えたい。 . . . 本文を読む

自立的労働時間制度  プロレタリアと奴隷の違い

2006-11-23 18:24:09 | 政治経済
今朝(11月23日)の「しんぶん赤旗」潮流子がエンゲルスの『共産主義の諸原理』のことにふれている。そのQ&Aの七「プロレタリアは、なにによって奴隷と区別されるか?」は、さまざまなイデオロギーによって粉飾された、現代の「自立的労働時間制度」(日本版ホワイトカラーエグゼンプション)の本質を暴露して興味深い。古典学習の重要性を改めて思った次第である。 . . . 本文を読む

非正規の均衡処遇  安倍「再チャレンジ政策」の内実

2006-11-21 20:16:37 | 政治経済
小泉構造改革の負の遺産を引き継いだ安倍首相は、「正規、非正規労働者間の均衡処遇に取り組む」と言いだしている。「骨太の方針2006」でも「国内における不均衡問題への対応」が今後10年間の課題として取り上げられ「健全で意欲ある中流層の維持」が経済、社会、政治の安定の基礎であるとしている。労働基準法などの「均等待遇」でなく「均衡処遇」というところが、ここでのミソである。 . . . 本文を読む

沖縄知事に仲井真氏 「ダメなものはダメ」といい続けることの大切さ

2006-11-20 20:43:54 | 政治経済
第10回沖縄県知事選は19日投票が行われ、即日開票の結果、新人で前県商工会議所連合会長の仲井真弘多候補(=自民、公明推薦)が、事実上の一騎打ちとなった、新人で前参院議員の糸数慶子候補に3万7千票余りの差をつけ当選した。沖縄県民はこれまで、幾度も「基地問題」「経済振興」という重い課題を突きつけられ、厳しい選択を迫られてきた。今回も普天間飛行場の移設問題や経済振興の方策が最大の争点となったが、結局、仲井真氏のいう経済振興策に乗ってみようという県民の意思が勝ったようだ。政治の世界で革新の旗色が翳むなかで、さまざまな不満や問題があるのだが、それを解決する方法がなかなか身の回りで見つけることができず、なにかを主張しても無駄、世の中が変わるようには思えないという無力感がいま日本中に漂っているように思われる。私たちは、「ダメなものはダメ」といい続けることの大切さを今一度考えてみたい。 . . . 本文を読む

安倍「成長戦略」 「改革なくして」から「成長なくして」へ 財界を「同志」として

2006-11-19 19:58:54 | 政治経済
「構造改革なくして・・・なし」は小泉政権のうたい文句だった。「構造改革を加速させ補強していきたい」という安倍首相のキャッチフレーズは「成長なくして・・・なし」である。小泉構造改革とは、一言でいえば多国籍大企業が儲かるような構造を作ることであった。企業が好き勝手にできるよう規制緩和をしたことと、「小さな政府」をかけ声に、政府の仕事を企業に与えたことだった。安倍「成長戦略」は、多国籍大企業の成長を更に支援しようとするものである。一握りの大企業の成長が労働者や中小企業、地域経済の犠牲と表裏一体になっていることは眼中にない。 . . . 本文を読む

イラクの航空自衛隊 アメリカからの指示待ちでよいのか

2006-11-18 18:34:47 | 政治経済
自公政府は、ブッシュの対テロ戦争を全面的に支持し、同路線の核心であるイラク戦争にも他の同盟国に先駆けて支持を表明、憲法の制約を無視する形で強引に自衛隊のイラク派兵を強行してきた。今年7月、陸上自衛隊は撤退したが、航空自衛隊はいまなおイラクで武装米兵などの空輸を続けている。米中間選挙の結果を受けてブッシュ政権はイラク政策の見直しを余儀なくされているが、アメリカからの指示がないということで日本政府は、航空自衛隊の派兵をずるずる続けている。こんなことでいいのだろうか。 . . . 本文を読む

沖縄県知事選 あと2日 またしても公明・浜四津氏のデマ攻撃

2006-11-17 18:49:58 | 政治経済
11月19日投票の沖縄県知事選挙は、大激戦の中あと2日の攻防となった。無所属新人で前参院議員の糸数慶子候補(59)=社民、社大、共産、民主、自由連合、新党日本、国民新党推薦、そうぞう支持=と、前県商工会議所連合会長の仲井真弘多候補(67)=自民、公明推薦の事実上の一騎打ちとなっている。政策論争では勝ち目のない自民・公明陣営は糸数候補に対し執拗に個人攻撃をやり始めた。「見せ掛けだけの人」「女に何ができるか」などなど。そしてついに公明党の浜四津敏子代表代行は口で言ってしまった者の勝ちと街頭から“得意の”デマ攻撃を繰り出した。創価学会員によって何倍にも増幅されることを計算したデマを承知の、選挙のたびに繰り返される悪行である。 . . . 本文を読む

教基法改悪 衆院強行通過 安倍政権の弱さが出た

2006-11-16 19:18:01 | 政治経済
安倍政権が今国会の最重要課題と位置付ける教育基本法改悪法案が16日午後の衆院本会議で、4野党欠席のまま、与党などの賛成多数で可決、参院へ送付された。急速に広がっている反対の声を封殺するための歴史的暴挙と言ってよい。国民の反対の声の広がりを前にして、議会の民主的な手続きも押しつぶして強行せざるをえないところに安倍政権の弱さと危うさがある。現行教育基本法は、憲法の精神と表裏一体の関係にある。憲法の精神を排除してしまった新教育基本法は現行憲法が健在である限り、いくら「基本法」と名乗っても基本法としての力を持ち得ないだろう。 . . . 本文を読む

個人消費が低迷しても景気は回復? 7―9月実質GDP前期比0.5%増

2006-11-15 20:16:25 | 政治経済
内閣府が14日発表した7─9月期国内総生産(GDP)は、実質で前期比0.5%増(年率2.0%増)と7期連続の増加となった。2002年2月から始まった現在の景気拡大局面が今月(11月)もプラスであれば58カ月となり、これまで戦後最長だった「いざなぎ景気」(1965―70年、57カ月)を追い抜いたなどといわれている。しかし、本当の「いざなぎ景気」を知る人々からは“どこがそんなに景気が良いのか”という声が聞こえてきそうである。日本はいま、従来の「日本型企業国家」から、一般庶民と中小企業を踏みつけにした一部多国籍大企業とその関連者だけが栄える「新自由主義的企業国家」に向かいつつある。 . . . 本文を読む