プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

ムッソリーニ・ヒトラー・ヒロヒト   何故、ヒロヒトは生き延びることが出来たのか

2022-04-29 17:09:57 | 政治経済

 ウクライナ政府が、4月1日、フムッソリーニ、ヒトラー、ヒロヒトの写真を並べ、「ファシズムとナチズムは1945年に敗北した」とツイッターに投稿をし、公開から1ヶ月近く広く拡散され、日本国内で批判や不満の声が広がった。慌てた日本政府は、4月25日、「まったく不適切で極めて遺憾」として、ウクライナ政府に削除するよう申し入れ、ウクライナ政府の公式アカウントからヒロヒトの写真が削除される騒ぎとなった。
バイデン大統領の指示どおり、ウクライナを一生懸命応援しているのに何だと言うわけである。

 戦前の日・独・伊枢軸3国が、侵略国家であり、反人権・反民主主義の全体主義だったことも、その各国の象徴たる人物がヒロヒト、ヒトラー、ムッソリーニであったことも、世界に共通の常識である。日本政府に脅されてウクライナの駐日大使が「制作者の歴史認識不足」と謝罪したそうだが、日本政府の「歴史認識不足」のほうが世界に通用しないというのが、真実だ。そして、この問題(「歴史認識不足」)こそ、戦後の日本国全体を規定する根本問題なのだ。

イタリアのファシスト独裁者として君臨したムッソリーニは、1945年4月28日、第二次世界大戦の欧州戦線が最終局面を迎える中で、パルチザンによって処刑された。ナチス・ドイツ総統ヒトラーは、1945年4月30日、追い詰められる中で、総統地下壕の一室で、夫人のエヴァ・ブラウンとともに自殺を遂げた。しかし、日本の昭和天皇(裕仁)一人だけが、戦争犯罪人でありながら誰からも処罰されることなく、戦後も天皇として生き延びた。何故か。言うまでもなく、敗戦国日本を単独支配したアメリカが戦後の日本国・国民を支配するためにヒロヒトの命を必要としたからである。天皇は、戦後公式には人間となったが、多くの国民からいまだに神同然の崇拝対象となっている。戦前、臣民であった国民が戦後公式には主権者となったが、実は多くの国民がいまだに臣民根性そのままである。天皇の上に立って、日本国・国民を支配することを狙ったアメリカにとって、これほど有難いことはない。

ムッソリーニ、ヒトラー、ヒロヒトと写真を並べられて、ヒステリックに怒っているのは、日本国民だけである。イタリア国民も、ドイツ国民も何も言わない。歴史を正しく認識しているからである。
 昭和天皇(裕仁)を正しく処罰できなかった日本国民は、アメリカ隷属国家の国民となり果て、アジア諸国民からは、歴史を正しく認識できない無自覚な国民と侮蔑されるほかないのである。

 

 


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