プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

5・20全国青年大集会  青年の仕事と貧困の問題 解決に立ち上がる青年たち

2007-04-30 19:25:00 | 政治経済
5月20日に東京・明治公園で開く全国青年雇用大集会がいまマスメディアの注目を集めている。それは若い世代の雇用をめぐる実態のひどさとその打開をめざす取り組みが日本社会の大問題となってきているからだ。1995年に日経連(現在経団連に統合)が研究レポート「新時代の『日本的経営』」で、多国籍企業時代の雇用制度として、「ひとにぎりの正社員(長期蓄積能力活用型グループ)」「少しの専門家(高度専門能力活用型グループ)」「大多数の非正規雇用(雇用柔軟型グループ)」の三区分を提示して以来、日本の労働者階級をこの三区分に格付けすることが国家権力を動員して強制的に推進された(そしていま義務教育段階から将来の帰属にあわせた格差教育が行われようとしている)。圧倒的多数の若者が「大多数の非正規雇用(雇用柔軟型グループ)」に無理やり押し込められる現状に対して、個々バラバラにされてきた若い世代が力を合わせ、声を上げ、立ち向かう新しい流れがこの一、二年生まれてきた。若者が自分の問題と政治が結び付いていることに気がつきつつあることは、未来に明るい展望を期待させる。 . . . 本文を読む

日米首脳会談  際立つ外交センスのなさと異常なまでの卑屈さ

2007-04-29 19:24:04 | 政治経済
27日午前(日本時間同日夜)、日米首脳会談が終わった。毎度のことながら、日本外交のセンスのなさと異常なまでの対米従属の卑屈さが際立った。首相は旧日本軍の慰安婦問題で謝罪し、大統領はそれを受け入れた。「首相が謝罪すべきは元慰安婦に対してではないのか。・・・国内で批判されても意に介さないのに、米国で紛糾すると直ちに謝罪する」(「朝日」4月29日社説)。この外交センスのなさは、天下の笑いものであるだけでなく日本国民として恥ずかしく哀しい。内外から米軍の早期撤退要求を突き付けられてブッシュ氏が孤立するイラク問題で、安倍氏は米国の「イラク安定化と再建の努力」に理解と支持を表明し、「日本は米国とともにある」として、イラク特措法の延長など日本側の「努力」を伝えた(「しんぶん赤旗」2007年4月29日)。イラク戦争を「理解・支援」するということが今どのような意味をもつのか、後先を考えない発言は、異常で卑屈としか言いようがない。 . . . 本文を読む

米乱射事件 今もはびこる“銃神話”― 米国は東から西へと開拓され最初から銃社会だったのウソ

2007-04-28 18:54:12 | 政治経済
「なぜ。いったい誰が。どうしてこんなことが。誰も止められなかったのか」(デンバー・ポスト社説)。4月16日の朝、バージニア工科大学構内で起きた銃乱射事件は、銃社会アメリカの恐怖を改めて見せつけた。「米国は東から西へと開拓され、護身のため最初から武器が必要だった」―銃社会化の背景として、よく言われることである。米エモリー大学のマイケル・ベルシールズ教授はこれを「神話」だと批判する。「開拓前線地帯でさえ銃所有は、17―18世紀、19世紀初期は例外的だった。19世紀半ばの工業化で初めて銃は一般商品化し、銃保有は都市部に集中した」(『米国の武装―国の銃文化の起源』2000)のだ。1871年創設の「全米ライフル協会」が「銃信仰」を作りあげ、いまも銃規制を阻む最大の圧力団体である(「しんぶん赤旗」2007年4月23日)。 . . . 本文を読む

中国人の戦後補償 個人の請求権認めず最高裁 国家犯罪を隠したい日本政府に迎合 

2007-04-27 21:01:09 | 政治経済
3月16日、最高裁が論点を「請求権放棄」に絞って弁論を開いたときから予想されていたこととは言え、27日、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は「72年の日中共同声明は個人の損害賠償等の請求権を含め、戦争の遂行中に生じたすべての請求権を放棄する旨を定めたものと解され、裁判上は請求できなくなった」とし、これ以上、日本国家の中国での戦争犯罪の実態が裁判所で暴かれることを許さないという日本政府の意思を体現する判決を下した。これでは、いくら安倍首相が北朝鮮拉致問題の解決を振りかざしてもアジアの人々の支持は得られない。4万人に及ぶ自国の拉致については戦争だから仕方ないといってまったく反省しないのだから。国家の枠を超えたアジア諸国民と日本人民の友好・連帯に水がさされることが無いよう祈るばかりである。 . . . 本文を読む

戦争被害補償請求権 あす最高裁判決どう判断 「受忍論」のまやかしと戦争の本質

2007-04-26 22:36:14 | 政治経済
安倍政権下で日本は急ピッチで再び「戦争をする国」になろうとしている。国家が将兵をそして国民を戦争に動員するとはどういうことか。日本政府の戦後補償のあり方はその意味を雄弁に語っている。日本政府がアジアの戦争被害者への補償をまったく行っていないだけでなく、中国「残留孤児」(実際は残留ではなく遺棄)や原爆被爆者、沖縄戦の犠牲者などの国内の戦争被害者を粗末に扱いながら、その一方で戦後60年以上経った今も、旧軍人・軍属を対象にした軍人恩給を1兆円規模で支払っている現実は、われわれが、61年前に終ったあの戦争をいまだにきちっと総括できていないことを示すものだ。これまで戦後補償を拒みつづけてきた政府の論拠にいわゆる「受忍論」がある。受忍論とは、「60年前のあの戦争では国民みんなが被害者であり、犠牲者だった。だからあの戦争の被害も犠牲もみんな等しく受忍して当然だ」という主張である。かくして私たちは、支配階級・特権階級の戦争責任も加害責任もなにもかもを曖昧にする「一億総懺悔」論に立ち返ることを避けて通れないのだ。 . . . 本文を読む

イラク特措法延長案  税金で支援する相手を完全に間違っている

2007-04-25 18:47:38 | 政治経済
航空自衛隊をイラクに派兵し、イラクで米軍支援を行うためのイラク特措法の二年延長案が24日、衆院本会議で審議入りした。安部首相の26日からの初訪米のさいのブッシュ大統領への“手土産”の一つである。イラク特措法は2003年7月に4年間の時限立法として成立し、今年7月末に期限が切れる。イラク特措法は、戦争が終わったイラクの復興支援のために「非戦闘地域」に自衛隊を派遣するというのがもともとの大前提であった。しかし、実際には派遣自衛隊は、米軍・有志連合軍の一員として、有志連合軍司令部の統制の下に、米英による軍事占領の一翼を担ってきた。イラク国民もアメリカ国内でも米軍・有志連合軍の撤退を求める声が大きくなっているとき、米占領軍支援を継続するというのは、正気の沙汰ではない。支援の相手先を完全に間違えている。今支援しなければならないのは、米軍ではなくて、400万イラク避難民なのだ。 . . . 本文を読む

参院憲法特別委  参考人が最低投票率の導入拒否の与党を批判

2007-04-24 19:11:08 | 政治経済
参院憲法調査特別委員会で23日、改憲手続き法案の参考人質疑が行われた。参考人の発言から、与党が最低投票率の導入を「憲法96条に書いていない」などとして拒否してきた理屈が成り立たないものであることが、あらためて明らかになった。最低投票率を導入するかどうかについて、四人の参考人のうち三人が国会の裁量に任されている「立法事項だ」との見解を表明した(「しんぶん赤旗」2007年4月24日)。自公与党は改憲手続き法案(国民投票法案)を「国民主権を働かせる手続きを整備」などと盛んに宣伝している。「国民主権を働かせる手続き」といいながら、法案には最低投票率の定めがなく、有権者の一割台、二割台でも改憲案が承認されてしまう国民主権無視である。朝日新聞社が14、15の両日実施した全国世論調査(電話)によると、憲法改正の手続きを定める国民投票法案について、「投票率が一定の水準を上回る必要がある」と考える人が79%に上った。ここで注目されるのは、民主党の対応である。世論に押される形で、参院では衆院段階と違った対応を見せ始めた。世論が情勢に大きな影響を与える可能性がある。 . . . 本文を読む

ビートたけしのTVタックル  いくら国会情勢反映といっても《偏向報道》はいけない

2007-04-23 20:23:14 | 政治経済
国会は「『安倍カラー』を優先させた異例の法案だんご状態」(国会関係者)となっている。26日からの安倍首相の訪米に合わせ、政府・与党が改憲手続き法案など「軍事・強権国家」づくりとなる重要法案の相次ぐ成立を当然であるかのように、審議を加速させているからである(「しんぶん赤旗」2007年4月23日)。これまでも国会における各政党の議席配分を反映させたとでもいうのか、際立って出演者に保守派が多く偏向報道とも言える内容になっているといわれていた「たけしのTVタックル」が、16日の放送で安倍首相らの歴史修正主義者におもねる偏向報道をやった。放送局への公権力の介入を一段と強める放送法の改定案も国会に提出されている。安倍流「国民精神総動員体制」がジワジワと忍び寄ってきた。 . . . 本文を読む

訪米の手土産準備に忙しい安倍首相 米国産牛肉、改憲、集団的自衛権、グアム移転経費、「慰安婦」問題など

2007-04-22 18:49:20 | 政治経済
安倍首相は26日からの初訪米を控え、米国の忠実な手下であることをアピールするための手土産準備に忙しい。米国産牛肉、改憲、集団的自衛権、グアム移転経費、「慰安婦」問題などの懸案事項に関し、日米首脳会談でどのようなやりとりがあるか注目される。国民にとっては、碌なことにならないのがこれまでの日米首脳会談の結果である。 . . . 本文を読む

ブッシュ政権の「テロとの戦争」戦略  その行き詰まりと欺瞞がますます顕わに

2007-04-21 18:42:30 | 政治経済
イラク戦争で依然、強気を続けるブッシュ政権であるが、「テロとの戦争」を取り巻く環境はますます厳しくなっている。米中央情報局(CIA)のテロリストだったポサダ・カリレス容疑者の保釈で迷走する一方、アフガニスタンやイラクでの戦争を指揮する責任者を見つけられないでいる。兵士の士気が低下し、逃亡や任務拒否も相次いでいる。今年の秋にはイラクから米軍を撤退させないと、その後の米軍は戦闘能力が落ち、大敗北を喫すると予測する声が、米政界のあちこちから聞こえはじめた。いまだにイラク戦争をなんの疑いも持たずに支持し続ける安倍政権や自民・公明与党が世界の笑いものになる日は、意外と近いかもしれない。 . . . 本文を読む

創価学会・公明党の反共宣伝・選挙妨害  いっそう先鋭化せざるをえないのは何故か

2007-04-20 22:20:26 | 政治経済
いっせい地方選の終盤を迎えて公明党の反共宣伝・選挙妨害がまたぞろ激しくなっている。なぜ創価学会・公明党は、指導者が先頭にたって、学会員・支持者を反共謀略活動に動員するのか。公明党の反共攻撃は昔からではあるが、今日のように謀略活動が大掛かりで露骨になってきたのは、99年(自自公連立政権に参加)ごろからである。何故か。その背景には、かれらがかかえる組織的矛盾がある。 . . . 本文を読む

少年法改正衆院委可決  軍事・強権の「恐ろしい国」づくりの一環

2007-04-19 18:39:40 | 政治経済
刑事責任を問えない14歳未満の少年(触法少年)の事件で、警察に捜索・押収などの強制調査権を与えることを柱とする少年法改正案について、衆院法務委員会は18日、与党提出の修正案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。採決に反対する野党議員が委員長席に詰め寄る中、与党側が押し切った(毎日新聞4月19日9時59分配信)。日本共産党の志位和夫委員長は18日、少年法改悪案が衆院法務委員会で強行採決されたことについて記者団に問われ、「教育基本法改悪とその具体化である教育三法案の審議入り、米軍再編促進法案の採決強行、そして今度の少年法改悪案の採決などは、軍事・強権国家をつくる流れ」であり、「安倍首相は、『美しい国』というが、『恐ろしい国』づくりがはじまっている」と指摘した(「しんぶん赤旗」2007年4月19日)。新自由主義構造改革はその補完物としての強権政治・治安強化を必然的に随伴する。 . . . 本文を読む

長崎市長銃撃  特定の目的を達成するために対立する者を抹殺することは文明社会で許されない

2007-04-18 18:57:49 | 政治経済
伊藤一長・長崎市長が17日、JR長崎駅前の選挙事務所に戻ったところを拳銃で撃たれ死亡した。その場で逮捕された容疑者は、暴力団幹部だった。容疑者の動機がなんであれ、特定の目的を達成するために対立する者を抹殺することは文明社会で断じて許されない。とりわけ、選挙をたたかっている候補者にたいするテロや暴力は、自由な論争を暴力で封殺するものであり、民主主義にたいする最大の破壊行為といわなければならない。それにしても安倍首相の反応の鈍さは不気味である。 . . . 本文を読む

全国学力テストの狙い 安倍流「教育改革」とはなにか 犬山市に続く気概ある市教委はほかにないのか!

2007-04-17 19:04:45 | 政治経済
66億円(07年度)にのぼる税金を使って文部科学省が4月24日に実施しようとしている全国一斉学力テストが間近に迫るなか、京都市と京都府京田辺市の市立小、中学校の児童生徒計9人と保護者が16日、各市を相手に「プライバシー権を侵害し、家庭教育への国家の不当な介入で違憲違法」として、実施差し止めを求める仮処分を京都地裁に申し立てた。ニュースで知る限り、全国学力テスト(学テ)に不参加を決めた教育委員会は、犬山市教委一つだけである。安倍流「教育改革」の狙いは、改定教育基本法で明らかであるが、まだ憲法は改正されていない。学テに参加するかどうかを決定する法的権限は市教委にある。犬山市に続く気概ある市教委はほかにないのか! . . . 本文を読む

離婚前妊娠などもってのほか  ジェンダー論を敵視するおじさんたち

2007-04-16 21:20:35 | 社会問題
「離婚後300日以内に誕生した子は前夫の子」と推定する民法772条の規定があるために、子どもの戸籍を新しい夫の子として届出できず、事実上無戸籍という問題が深刻化している。与党プロジェクトチームが、再婚後300日以内であっても、DNA鑑定などで証明されれば、現在の夫の子とするなどの改正案を検討し始めた。ところが、古色蒼然とした家族観に囚われたおじさんたちが「貞操義務が壊れる」などの異論をはさみ議論が混迷している。その類のおじさんたちは、大抵、人間の平等の重要な構成部分をなす男女平等の理念に敵意を示す。 . . . 本文を読む