プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

年越し派遣村「閉村」  事態はよくなったか

2009-06-30 19:07:28 | 政治経済
労組や市民グループが昨年末、東京・日比谷公園に開設し、失職した派遣労働者らを支援してきた「年越し派遣村」が、6月30日で活動を終えることになった。派遣村は当初、年始の1月5日に解散予定だったが、予想を超える多くの人が支援を求めてきたことや、3月末から4月にかけて年度を超えた就労支援の必要が出たことから、実行委員会を存続してきた。実行委員会では今後も、個別相談に応じるための窓口などを維持するという。 . . . 本文を読む

クローン家畜は安全?   やっぱり気持ち悪い

2009-06-29 20:19:42 | 政治経済
体細胞クローン技術で生まれた牛や豚の食品としての安全性について、内閣府食品安全委員会(見上彪委員長)は6月25日、「従来の家畜と同様に安全だ」とする評価書をまとめ、厚生労働省に答申した。厚生労働省の安全規制の対象外というわけだ。もっとも、農林水産省は26日、「クローン牛は『安全』と思うが、生産率が極めて低く、コストが高くなるため、食用として市場に回すことは見込めない」として、当分の間は引き続きクロ . . . 本文を読む

与謝野氏に迂回献金  政治買収の温床がまた現れた  先進国での政治革新の困難性

2009-06-28 19:07:02 | 政治経済
総選挙を前にして、またしても「政治とカネ」をめぐる重大な疑惑が次々に明るみに出ている。一つは、与謝野馨財務・金融担当相にかかわる迂回献金疑惑。商品先物取引会社がダミー団体を通じて与謝野氏の資金管理団体に事実上の献金を行っていたという疑惑だ。これは西松建設の違法献金疑惑とまったく同じ構図である。しかも与謝野氏は先物取引の所管大臣(当時)であり、より深刻だ。今一つは5大臣を兼務する佐藤勉総務相にも怪し . . . 本文を読む

沖縄「慰霊の日」  嘉手納基地の騒音最多  許しがたい日本人を見下す態度

2009-06-26 21:23:06 | 政治経済
6月23日沖縄は、沖縄戦の組織的戦闘が終結してから64年の「慰霊の日」を迎えた。よりによってこの日、米軍嘉手納基地の騒音発生回数(人が不快に感じる70デシベルが5秒以上続くと1回)は267回に達し、「慰霊の日」としては1999年の測定開始以来最多となった。2008年は49回、07年は38回であったから、今の嘉手納基地は異常である。今年4月3日、石垣港へ米海軍掃海艦二隻が強行寄港・接岸した時の沖縄県 . . . 本文を読む

「骨太の方針2009」 社会保障削減路線を巡って大混乱 財界支配から逃れなれない自公政権

2009-06-25 20:12:17 | 政治経済
麻生内閣が2009年の「経済財政改革の基本方針」(「骨太方針」)を決めた。小泉「構造改革・経済財政改革」の中の歳出改革の中核として、社会保障費の自然増を毎年2200億円削減する抑制路線が02年度から11年度まで敷かれた。途中でやめることは、財界に対する裏切り行為である。しかし、総選挙を前にして、支持基盤の崩壊にうろたえる自民党議員の突き上げで、その扱いは二転三転した揚げ句、与謝野馨財務相が「来年度 . . . 本文を読む

「エコカー減税」 燃費悪いほど減税  志の低い日本の支配層  「環境国会」を開け!

2009-06-24 19:22:32 | 政治経済
2009年度補正予算で盛り込まれた3700億円のエコカー購入補助金制度の受け付けが6月19日に始まった。09年度予算の2100億円のエコカー減税(環境対応車普及促進税制)創設に続くものである。「エコ減税」は、「厳しい経済情勢下、環境性能に優れた自動車に思い切った減税を講じる」と、「不況」「環境」をうたい文句としているが、その中身は「環境に優しい」のうたい文句からは遠くかけ離れたものだ。先の京都議定 . . . 本文を読む

西松事件初公判  小沢事務所が東北地方の談合組織に強い影響力 二階事務所の和歌山は?

2009-06-23 20:23:28 | 政治経済
6月19日、西松建設の巨額献金事件をめぐる同社前社長国沢幹雄被告の初公判の検察冒頭陳述があり、東北地方の談合組織における小沢事務所の役割の実態が明らかになった。一方、二階事務所は、主に和歌山県の談合組織に強い影響力を発揮している。二階俊博氏は小沢一郎氏の子分であり、似たような構図と思われる。検察には東北の談合だけではなく、和歌山の談合の実態を是非明らかにしてもらいたいものである。公共工事代金は国民 . . . 本文を読む

『核持ち込み』密約 歴代外務次官の証言 日本人の反核感情を恐れた日米支配層

2009-06-22 21:43:56 | 政治経済
5月31日、米軍の日本への「核持ち込み」に関する密約が歴代外務事務次官らによって引き継がれていたことを、4人の次官経験者が証言したとの記事を共同通信が配信し、1日付の地方紙・ブロック紙がいっせいに報じた。「1960年の日米安全保障条約改定に際し、核兵器を積んだ米軍の艦船や航空機の日本立ち寄りを黙認することで合意した『核持ち込み』に関する密約は、外務事務次官ら外務省の中枢官僚が引き継いで管理し、官僚 . . . 本文を読む

イラン 保守派と改革派の対立の行方と国際政治

2009-06-21 19:15:17 | 政治経済
イランで12日に行われた大統領選挙で、保守派で現職のアハマディネジャド大統領が圧勝と発表された結果をめぐり、改革派支持者と保守派・大統領支持者との対立が深まっている。保守派と改革派の対立の行方は、イランの国内問題であるとともに、米オバマ大統領の中東外交、米英イスラレル主導世界体制から多極化体制への移行など国際政治の今後にも影響を与えそうだ。イラン周辺諸国も固唾を呑んで見守っている。 イランの第1 . . . 本文を読む

イラク日本大使一行襲撃事件 米軍に警護を依頼する無神経 政府・メディアは完全沈黙

2009-06-20 19:14:42 | 政治経済
『DAYS JAPAN』(2009年7月号)が、イラク日本大使一行襲撃事件を伝えている。5月中旬、首都バグダット西方100キロの位置にあるラマディの病院で、駐イラク日本大使・小川正二氏一行が銃撃され、警護の米兵が一人死亡する事件が起きた。NHKニュースは、小川大使がアンバール県庁を訪れ、州知事と会見し、テロを生む原因にもなっている失業問題について話し合ったとは伝えたが、ラマディ市の名前は一切なかっ . . . 本文を読む

「海賊対処」法が成立 外国船護衛、船体射撃も自由  改憲派も「画期的」と大喜び 

2009-06-19 16:02:27 | 政治経済
「海賊対処」を名目にアフリカのソマリア沖に派遣している自衛隊に、日本以外の外国船舶の護衛と歯止めのない武器使用を認める「海賊対処」派兵法案が、午前の参院本会議で野党の反対多数で否決されたのを受け、与党は、衆院本会議で採決に踏み切り、3分の2以上の賛成で再可決した。これで、「対テロ」戦争をアメリカとともに戦うという支配階級の長年の宿願が実現に向かって大きく前進した。「海賊」がテロ容疑者に変われば、集 . . . 本文を読む

「安心社会実現」報告書 現実の矛盾の本質を掴まないでは、旗印を立てたくても立てられない 

2009-06-18 21:05:09 | 政治経済
麻生太郎首相の私的懇談会、「安心社会実現会議」(座長・成田豊電通最高顧問)が報告書をまとめた。貧困と格差の広がりと、ズタズタにされた社会保障にたいする国民の怒りに直面して、総選挙を前に、麻生首相は、「安心社会」のアドバルーンを揚げる必要に迫られていた。会議の発足の際に、「日本が目指すべき国家像について議論をしていただきたい」と言い、選挙前に政権の「旗印」を立てようというのが狙いであった。しかし、国 . . . 本文を読む

二階派側の不起訴は「不当」 検察審査会が議決 小沢側も二階側も罪は同じ

2009-06-17 22:08:49 | 政治経済
西松建設のダミーとされる政治団体が二階俊博経済産業相の派閥の政治団体からパーティー券を購入していた問題で、東京第3検察審査会は17日、不起訴処分とされた政治団体「新しい波」の当時の会計責任者、泉信也参院議員らを「不起訴不当」と議決した(「日経」2009年6月17日14:00)。政治資金オンブズマン(大阪市)の阪口徳雄弁護士ら36人が6月4日、「起訴相当」の議決を求めて東京の検察審査会に不服申し立て . . . 本文を読む

厚労省局長逮捕 “福祉の心”を失った人物を障害者福祉のエキスパートと持ち上げる異常

2009-06-16 16:32:33 | 政治経済
障害者団体向け郵便の不正事件で、厚生労働省の村木厚子局長(53)が大阪地検特捜部に逮捕された。自称障害者団体「凛(リン)の会」(解散)に対し、部下の上村(カミムラ)勉容疑者らとともに偽障害者団体証明書を発行、不正割引に加担した容疑である。事件の舞台になった障害保健福祉部はもともと旧厚生省系の部署。しかし、旧労働省の障害者雇用対策課長を務めた村木容疑者は2003年8月、障害福祉行政の立て直しのため、 . . . 本文を読む

沖縄・辺野古 米軍新基地建設  出鱈目アセス(環境影響評価)と沖縄県民の意志

2009-06-15 17:32:12 | 政治経済
日米両政府が沖縄県名護市の辺野古崎沿岸で強引に推進する新基地建設のための環境影響評価(アセス)準備書に対し、住民・市民から沖縄防衛施設局に出された意見書は、6000通近くにも上った。米軍基地の県内移設、「史上最悪の独善アセス」(島津康男環境アセス学会初代会長)に対する県民の反発と批判の強さを改めて浮き彫りにした。意見書には、「埋め立てによるサンゴ礁やジュゴンなど海の生態系への環境影響調査が不十分」 . . . 本文を読む