プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

諫早湾干拓事業  「始まると止まらぬ公共事業」  地元住民を苦しめてなにが「公共」か! 

2008-06-30 18:11:36 | 政治経済
国の公共工事に生活の場を奪われた漁民の思いは、ようやく司法に届いた。諫早湾干拓事業と漁業被害との因果関係を認め、潮受け堤防の開門を命じた6月27日の佐賀地裁判決。「判決を契機に、すみやかに中長期の開門調査が実施され、適切な施策が行われることを願う」。法廷で裁判長の言葉を聞いた漁業者たちは、一様に感極まった表情をみせた(「毎日」6月27日12時11分配信)。福岡、佐賀、長崎、熊本の4県に囲まれた有明 . . . 本文を読む

最新型クラスター爆弾の導入を目指す防衛省  日本はいつから軍事帝国になってしまったのか

2008-06-29 18:34:02 | 政治経済
クラスター爆弾禁止条約に同意しておきながら、防衛省は来年度概算要求で最新型のクラスター爆弾の導入をめざすという(「しんぶん赤旗」6月29日)。平和憲法をもつ日本は、不完全な禁止条約を実効あるものにするために、先頭に立たねばならない。それが、世界の人びとの期待にも応える道である。ところが日本政府は、長年アメリカに付き従ううちに、思考パターンまで軍事帝国になってしまった。クラスター爆弾禁止条約締結を目 . . . 本文を読む

普天間爆音訴訟 国に賠償命令 賠償金を払うのはアメリカ政府ではないのか!

2008-06-28 18:54:10 | 政治経済
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の周辺住民392人が、国に4億5540万円の損害賠償と夜間・早朝の飛行差し止めなどを求めた普天間爆音訴訟で、那覇地裁沖縄支部(河合芳光裁判長)は26日、国に対し、原告全員に慰謝料など約1億4600万円を支払うよう命じた(「毎日」2008年6月26日)。家賃も払わずに60年以上も居座り続け、騒音を撒き散らす下宿人(米軍)を住まわせ続けている家主(日本政府)を近所の人 . . . 本文を読む

米 テロ支援国家指定解除  北朝鮮は原則的でしたたかだ

2008-06-27 18:21:08 | 政治経済
北朝鮮による核計画の申告書提出を受け、米政府は26日、同国を「テロ支援国家」としてきた指定を解除すると発表した。指定解除を議会に通告し、議会の異論がなければ、通告から45日で発効する。1988年から約20年間にわたった米側の指定が解除される。北朝鮮は長年にわたって国際金融機関への加盟を望んでいた。制裁解除によってドルによる国際金融取引が可能となる。核やミサイル開発で揺さぶりをかけながら、自己の目的 . . . 本文を読む

安保法制懇報告   いまさら思う、安保法体系は憲法法体系に入り込んだ異物

2008-06-26 15:13:53 | 政治経済
安倍晋三首相(当時)が集団的自衛権についての政府の憲法解釈を見直すために設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)が福田康夫首相に報告書を提出した。集団的自衛権の行使は認められないとするこれまでの政府解釈の変更を求めた。安保法体系と憲法法体系の矛盾がここまで来ると、もはや理屈ではない。「日米同盟の維持・強化に不可欠」だから、憲法の改正には時間がかかるし、国民も . . . 本文を読む

橋下徹知事  「大阪維新プログラム案」をどうみるか  新自由主義「構造改革」そのもの

2008-06-25 20:46:37 | 政治経済
大阪府の橋下徹知事は24日、「大阪維新プログラム案」で掲げた1100億円の「収支改善」策を盛り込んだ2008年度予算案を発表した。私学助成や中小企業向け融資、人件費の大幅削減をはじめ府民向け施策を軒並み削減しながら、高速道路建設など財政危機を招いた主な要因である大型開発には予算を計上した(「しんぶん赤旗」6月25日)。道州制実現へのスタートだという「大阪維新プログラム案」をどうみるか。二宮厚美・神 . . . 本文を読む

原油高対策  サウジで産油・消費国会合  投機規制に背を向けるアメリカ政府

2008-06-24 19:10:19 | 政治経済
原油価格の高騰が世界の人々の暮らしを圧迫している。米国産原油の先物相場は1バレル=140ドルに迫る勢いである。痛みを訴える業者や市民らによる抗議行動が世界各地で活発化しており、政府に救済や対応策を求める声は高まる一方だ。「第3次石油危機」との声も出始めた。そうした中、世界最大の産油国、サウジアラビアの国王が呼びかけて、主要産油国と消費国の閣僚らによる異例の会合が開かれた。原油価格高騰の背景には、原 . . . 本文を読む

北朝鮮 迫る核計画申告  テロ支援国解除を前に困惑する日本政府

2008-06-23 18:07:57 | 政治経済
北朝鮮が26日にも、6カ国協議議長国の中国に核開発計画申告書を提出するもようだ。申告があれば、アメリカ政府は、いよいよ北朝鮮をテロ支援国家の指定リストからはず(及び対敵国通商法の適用除外)手続きに入る。経済制裁とテロ支援国家指定の継続だけを拉致問題解決の戦略としてきた政府・与党は、大慌てである。日朝協議で合意した拉致再調査と経済制裁の一部解除をどのように具体化するのか。圧力か対話か――とうとう安倍 . . . 本文を読む

最低賃金引き上げの政府方針   異常に低い出発点から評価してはいけない

2008-06-22 19:07:57 | 政治経済
政府と労使代表でつくる「成長力底上げ戦略推進円卓会議」は6月20日、最低賃金の5年間の引き上げ目標について、生活保護基準を下回らないこととともに、「小規模事業所の高卒初任給の最も低位の水準」をめざすことで合意した。小規模事業所の定義は意見が分かれたため明示されなかったが、統計では高卒初任給の最低水準は、時給換算で755円。現行最賃の平均は687円で、合意をあてはめると68円のアップとなる。労働界が . . . 本文を読む

「世界難民の日」 世界の難民、5年ぶりに1千万人突破   米英の責任重い

2008-06-21 19:01:39 | 政治経済
6月20日は、国連総会が決議した「世界難民の日」であった。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は17日、紛争などが原因で祖国を追われた世界の難民の数が07年末に前年比150万人増の1140万人と、5年ぶりに1000万人を上回ったとする調査結果を発表した。米軍の軍事作戦や爆弾事件などで混乱が続くイラクやアフガニスタンからの難民増が主な要因で、増加は2年連続となった(「毎日」6月18日 18時37分 . . . 本文を読む

首相「消費税増 決断の時」 社会保障費抑制「限界論」の出口は消費税増税論の欺瞞

2008-06-20 18:50:25 | 政治経済
福田首相は17日午後、都内で主要8カ国(G8)通信社のインタビューに応じ、消費税率の引き上げについて「5%でやってきたことで財政赤字を背負っているとも言える。決断しなければならない大事な時期だ」と述べ、引き上げは避けられないとの認識を示した(「産經」6月17日17:33更新)。このところ、“社会保障財源の確保”を口実に消費税増税を求める発言が政府・与党やその周辺で相次いでいる。かつて小泉純一郎首相 . . . 本文を読む

日中ガス田合意   現実的な解決というところか

2008-06-19 18:34:40 | 政治経済
日中政府は6月18日、共同開発の海域などで対立してきた東シナ海のガス田問題で中国側と最終合意し、高村正彦外相、甘利明経済産業相が合意内容を発表した。日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線「日中中間線」をまたぎ、天然ガス田「翌檜(あすなろ)(中国名・龍井)」付近の海域で5対5の対等条件で共同開発を実施。中国が単独開発を進め、問題の発端となった「白樺(しらかば)(中国名・春暁)」では日本が資金 . . . 本文を読む

「ホロコースト」は有名なのに「ナクバ」は、なぜ知られていないのか

2008-06-18 16:32:29 | 政治経済
パレスチナ自治区ガザのハマスが、エジプトの仲介によりイスラエルとの停戦に合意したという。停戦は6月19日朝に発効し、期間は6か月間。イスラエルは、ガザに対する封鎖の段階的解除に合意したという(「読売」6月18日11時22分配信)。パレスチナのアラブ人とユダヤ人の泥沼の抗争は、欧米列強の不当な差配による「ユダヤ人国家」の建国によってもたらされた。私たちは、ヨーロッパにおけるユダヤ人大量虐殺の「ホロコ . . . 本文を読む

飲酒運転で帰宅も「公務中」 在日米軍地位協定 「密約」がいっぱい 国民を愚弄するものだ

2008-06-17 23:41:48 | 政治経済
日米安保条約には、条約の明文だけではなく、裏の「密約」がいっぱいあることがこれまで、次々と明るみに出されてきた。ところが日本政府は、米政府解禁文書で証拠を突きつけられても米側の文書なので、自分たちは「知らぬ、存ぜぬ」をきめこむ態度に終始している。とても日本国民を代表する政府とは思えない。私たちは、国民を愚弄する政府を速やかに取り替えようではないか。 日本に駐留する米兵が職場で飲酒をし、帰宅途中に . . . 本文を読む

NHK番組改変 最高裁判決  「編集の自由」の意味を理解しない最高裁 政権党に迎合

2008-06-16 18:56:43 | 政治経済
裁判の最大の焦点は、安倍晋三官房副長官(当時)の政治的圧力に屈して、制作現場をねじふせて番組の趣旨を曲げてしまったNHK上層部の行為を保護することまでが、なぜ、憲法21条の「表現の自由」に含まれるのか、ということだった。放送局がどのような放送をするかは、「表現の自由」として、放送局の勝手である。放送の内容が当初の企画と異なることは当然あるから、取材を受けた側の放送内容への期待は、取材を受けた側の勝 . . . 本文を読む