プロメテウスの政治経済コラム

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内閣改造と自民党役員人事  「統一教会との決別」の大ウソ

2022-08-10 22:50:38 | 政治経済

 10日の内閣改造・自民党役員人事で注目を集めたのは、安倍派の萩生田光一経産相が政調会長にスライドする人事だった。統一教会関連団体の理事まで務めた萩生田氏を経産相から外し、党4役の政調会長ポストにスライドさせるには、一工夫が要った。そこで、マスコミまで動員して国民だましの大芝居に打って出た。岸田首相の「統一教会との決別」は全くの大ウソである。

 

 9日、長崎原爆の平和祈念式典に出席した岸田首相は、会見で内閣改造では旧統一教会との関係を重視するのか聞かれると、「自ら点検し、厳正に見直してもらうことが新閣僚や党役員の前提となる。徹底したい」と話していた。今回の内閣改造には、旧統一教会と自民党の癒着が露見し、安倍元首相の国葬に対する批判も高まって内閣支持率が急落しているため、9月に行う予定を前倒しして局面打開をはかる狙いがあった。しかし、「統一教会との決別」を演出するどころか、実際は、癒着が発覚した現閣僚の一部を外すだけだった。統一教会の名称変更や警察の捜査への政治家の介入などについてまったく検証する気もなく、統一教会の反社会的活動を規制する反カルト法などの法律を制定しようという姿勢など更々ない。

 

 萩生田光一氏を経産相から外すにあたっては、マスコミまで動員して国民だましの大芝居に打って出た。萩生田氏は8日の閣議後会見で、「骨格は維持」と報道されていた人事について、「経産相を継続したい」、「俺は骨格じゃなかったのか」と首相人事に不満まで口にし、マスコミはこの発言を大々的にとりあげ、『異例の発言』などと持ち上げた。しかし、真相は、萩生田氏を閣内に残せば、秋の臨時国会で野党の追及の的になってしまう。いったん閣外に”外す”代わりに、政調会長として引き続き政権を支えて呉れとお互い事前に示し合わせてのことだった。マスコミは、内閣改造について「統一教会問題に配慮し密接関係のあった閣僚は交代になった」「新閣僚も統一教会と関係がないか徹底的に身体検査」などと岸田首相を持ち上げ、ズブズブの関係にある萩生田氏が政調会長に就任したことについては、『外された』ことを強調して、萩生田氏を持ち上げているのだ。とんだ茶番劇である。

 

 


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