北朝鮮の核問題をめぐる6者協議がこのところ膠着している。昨年2月に6者協議で合意した核廃棄プロセスによれば、「初期段階の措置」は、北朝鮮が寧辺の核施設を稼働停止するのにあわせ、重油五万トン相当のエネルギー支援を提供するというものであった。これについては、北朝鮮側が寧辺の原子炉を解体する件は完了ではないとしても逐次進んでおり、解体開始の見返りとして北朝鮮に提供されることになっていた原油も、すでに6者 . . . 本文を読む
1月23日の朝、パレスチナのガザ地区とエジプトの国境にある、高さ約6メートル、長さ約10キロにわたる隔離壁が、ガザを統治するイスラム主義勢力「ハマス」の武装部隊によって、ところどころ約20カ所が爆破された。事前に周到に準備していたようだ。フリーの国際情勢解説者・田中 宇(さかい)さんは、1989年の「ベルリンの壁」の崩壊を思い出させるような歴史的な転換点となるかも知れないという(田中宇の国際ニュー . . . 本文を読む
沖縄県の仲井真弘多知事は1月21日、新基地建設(埋め立て部分)の環境影響評価(アセス)方法書の「書き直し、再提出」を求める知事意見書を防衛省に提出した。今回の意見書は、公有水面埋め立て部分にかかるもので、昨年12月21日に提出した飛行場建設にかかる意見書に続くものである。昨年の滑走路部分にかかる意見書については「審査するに足りない」と「再検討」を要求していた。1月24日には、サンフランシスコ連邦地 . . . 本文を読む
自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長らは28日朝、都内のホテルで会談し、3月末で失効するガソリンの暫定税率などの期限を2か月程度延長する法案を議員立法で衆院に提出するため、28日中に両党内の手続きを終える方針で一致した(「読売」1月28日14時38分配信 )。「つなぎ法案」を今月中に衆院通過させれば、参院送付後60日で否決とみなせる憲法の規定を適用し、年度内に衆院の3分の2で再可決できる。改正案 . . . 本文を読む
地球温暖化問題で世界を「先導」する―こう見得を切ってダボス会議に臨んだ福田首相。ブッシュ米政権や日本の大企業、新興主要排出国、それぞれに目配りは必要だが、自分はどう考えるかの理念がない。皆の顔色をうかがうだけの小心な「足して二で割る」式の提案(「しんぶん赤旗」1月27日)をいくら積み重ねても、温暖化防止で世界を「先導」することは不可能だ。「福田環境構想―第1打席は出塁できた」という朝日社説の評価は . . . 本文を読む
米緊急利下げと財政出動を柱とする景気対策によって、投資家心理は幾分改善したようだ。しかし、貧富の格差が拡大し、中産階級の所得が増えないなかで、アメリカ経済を引っ張ってきたのは、住宅価格の上昇と金融詐術による個人消費であった。昨年からの住宅価格の下落傾向によって、米国の中産階級は、借金して消費する状態を続けられなくなり、逆に消費を切り詰めて借金を返す時代に入りつつある。2008年は米国の消費が減り、 . . . 本文を読む
参院選直前の2007年7月5日、安倍前首相は「最後のお一人に至るまで、すべて記録をチェックし、保険料をまじめに払っていただいた方々に正しく年金をお支払いしていく」「1年以内に名寄せを行い、突き合わせをおこなう」(通常国会終了後の記者会見)と大見得を切ったものである。宙に浮いた5000万件を一年以内に処理というのは一年が31,536千秒と知っている人は、みなウソだと思っていた。案の定、昨年末になって . . . 本文を読む
新テロ対策特別措置法に基づきインド洋で給油活動を行う海上自衛隊の護衛艦「むらさめ」が24日午前、横須賀基地(神奈川県)を出航した。25日には、佐世保基地(長崎県)から補給艦「おうみ」が出航する。国の安全保障を軍隊・武力に依存することは、いまや時代遅れになりつつあるが、各国が自主的に軍隊の解体に進んでいるという状況でもないことは事実である。しかし、自衛隊幹部のなかにも海外派兵が常態化しつつある現在の . . . 本文を読む
日本共産党の志位和夫委員長が22日に衆院本会議で、福田康夫首相にたいしておこなった代表質問。若者や高齢者など、貧困と格差にあえぐ国民の現実を正面からぶつけた。気迫の質問から浮き彫りになったものは――。 「私たちは、焼け野原だった日本を必死に働いて復興させた世代です。『後期高齢者医療制度』を知ったとき、その私たちがいま、国から棄(す)てられようとしていると思いました。悔しい」志位さんは、ある高齢者の . . . 本文を読む
NHKと民放が作る「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会は21日、フジテレビが昨年7月に放送したバラエティー番組「FNS27時間テレビ『ハッピー筋斗雲』」内でスピリチュアルカウンセラーの江原啓之氏(43)が登場したシーンについて「倫理に反する」との審議結果を発表した。検証委は「(フジテレビ系列である関西テレビの)『発掘!あるある大事典2』の教訓が生かされていない」と反省を促した( . . . 本文を読む
1933年2月20日、小林多喜二は、特高警察に逮捕され、その日のうちに虐殺された。多喜二は、1903年10月13日、秋田県大館市生まれだから、享年30年足らずだった。多喜二が『蟹工船』を書いたのは26歳のとき。「蟹工船」を、「自分と同じ」「よくわかる」と語る現代の青年たち。これを聞いて私は、複雑な気持ちだ。資本主義の生命力の強さといってしまえばそれまでだが、私たち大人は、いまだに日本の青年たちの生 . . . 本文を読む
昨年夏に表面化したアメリカのサブプライム・ローンの不良債権化が、世界の金融市場を揺るがしている。大統領選挙の年、実体経済への波及を恐れたブッシュ政権は18日、総額で最大1500億ドル(約16兆円)の緊急経済対策を実施すると発表した。ただ、減税を柱とする対策だけでは、サブプライム問題の「退治」につながらず、市場には効果が不透明との失望が広がった(「読売」2008年1月20日9時23分 )。萩原伸次郎 . . . 本文を読む
「政治」は二流だが「経済」は一流といわれた日本だったが、とうとう政府の経済財政担当相がもはや経済も一流でないと言い出した。企業活動は「偽装」が大はやり。イギリス・レスター大学の世界幸福度調査によれば、日本はどんどん下がっていまや178国中の90位である。日本資本主義社会の劣化が確実に進んでいる。財界、アメリカ本位の「構造改革」ではない、国民本位の真の「日本改革」が求められているが、「しんぶん赤旗」 . . . 本文を読む
相次ぐ規制緩和が生んだワーキングプアや偽装請負、日雇い派遣労働者の苛酷な運命を改善するためは、派遣法の抜本改正が喫緊の課題になっている。にもかかわらず昨年末厚労省は、不安定雇用を続けようという財界側の圧力に屈して、派遣法改正の見送りを決めてしまった。その埋め合わせのつもりだろうか、厚生労働省は、グッドウィルに事業停止命令を出すとともに、1月16日には、日雇い派遣で働く労働者の権利保護などを盛り込ん . . . 本文を読む
07年9月10日に召集され、14年ぶりの「越年国会」となった臨時国会は15日、128日間の会期を終えて閉会した。明日から通常国会がはじまる。「ねじれ国会」は、与党の思い通りにならないために、さも効率が悪いように言われた。しかし、小選挙区制のもと多様な国民の意思が反映されていない衆院が異常であって、国会は与野党が常に伯仲しているほうがより民主的である。この機会に「ねじれ国会」を総括してみよう。そこか . . . 本文を読む