プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

非正規切り厚労省調査 12万5000人3月までに失職  労働機会の保障は政府の逃げられない義務

2009-01-31 20:49:40 | 政治経済
景気悪化のもとで、体力のある大企業が競い合って「派遣切り」「期間工切り」をやりたい放題に進めている間に、日本経済がきわめて危険な状況となってきた。厚生労働省の企業からの聞き取り調査の結果だけで、12万5000人が3月までに職を失うという。実際は数十万規模になる懼れがある。日本経済は「減産」→「雇用・賃金悪化」→「消費低迷」→「物価下落」という負の連鎖に陥っている。経済規模の縮小を招くデフレが再燃す . . . 本文を読む

「戦後最長の景気拡大」とは何だったのか 小泉-竹中の罪は重い 09国民春闘の前進を!

2009-01-30 18:58:26 | 政治経済
内閣府は29日、「景気動向指数研究会」(座長・吉川洋東大大学院教授)を開き、現在の景気後退が始まったのは2007年11月からで、02年2月から続いた「戦後最長の景気拡大」は07年10月を「山」に終わったと判定した。2002年2月から始まったとされる今回の「景気拡大局面」は5年9カ月継続したことになる。しかし、輸出産業を中心とした企業業績の伸びが賃金に反映されず、庶民には実感のないまま景気拡大は終わ . . . 本文を読む

海自ソマリア派兵決定  日本の外交戦略の原点に立ち戻るべきだ

2009-01-29 20:59:35 | 政治経済
何が何でもソマリア沖に派兵―。麻生内閣と自民・公明両党は現行自衛隊法を最大限拡大解釈し、「海賊対策」を口実とした海上自衛隊派兵を決定した。すでに同海域で警戒活動を展開している米国やEU諸国、ロシアなどに、とりわけ中国に遅れをとってはならじ、というわけだろう。日本という国は、戦後米軍占領のせいとはいえ本当に不思議な国である。憲法で戦争放棄を定め、なおかつ「陸海軍その他の戦力は、これを保持しない」と明 . . . 本文を読む

二次補正予算が成立  ゴリ押し与党に不可解民主  景気対策ならもっとまじめに審議を!

2009-01-28 20:38:13 | 政治経済
08年度第二次補正予算が、2日間にわたる両院協議会が経て27日に成立した。与党は、国民の声を無視して、早期成立を要求しスピード審議をゴリ押した。09年度本予算案の審議入りをアセッタためである。衆院段階では当初、8、9日の2日間の審議だけで通過させると主張し、結局、関連法案も含めて3日間の審議で採決を強行した。参院でも3日間の審議の後、「これ以上の審議は採決を前提としなければ応じない」など、異常な態 . . . 本文を読む

イスラエルの戦争犯罪 国連、アラブ諸国は口先だけではなく徹底的糾弾を!

2009-01-27 20:20:40 | 政治経済
イスラエル軍の攻撃停止から1週間余りが過ぎた。イスラエルのパレスチナ人虐殺はホロコースト以上の極悪非道であったことが、停戦後現地入りしたジャーナリストや国連関係者、赤十字の人びとらによって明らかにされつつある。非人道的兵器使用の「戦争犯罪」の疑惑も次第に濃厚になっている。度重なる国連施設への攻撃を受けながら、23日間もイスラレルの残虐行為をとめることができなかった「弱腰」国連、それぞれの思惑で、ア . . . 本文を読む

日銀 来年度実質GDP見通しを-2.0%に下方修正 猛烈に落ち込む日本経済 不況克服の道は?

2009-01-26 20:28:12 | 政治経済
日銀は先週22日に、昨年10月末に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の中間評価を行い、2009年度の国内総生産(GDP)の実質経済成長率見通しを、従来のプラス0・6%からマイナス2・0%へ大幅に下方修正した。08年度も同マイナス1.8%に下方修正(従来はプラス0・1%)となり、この結果、2年連続のマイナス成長見通しとなった。現在判明しつつある経済指標は2008年11月頃までのものであ . . . 本文を読む

財界の「ワークシェアリング」論をどう考えるか  自由な生活時間確保の前提条件

2009-01-25 18:58:18 | 政治経済
一人当たりの労働時間を減らして仕事を分かち合うことで失業をくいとめるというのが「ワークシェアリング」のもともとの考え方である。日本の労働者の超過密・長時間労働は世界でも、つとに有名である。一人当たりの労働時間を減らし、自由な生活時間を確保すること自体は、結構なことである。しかし、財界は一度覚えた搾取度を緩めることにそう簡単に同意するはずがない。自由な生活時間を確保するには、必要不可欠な前提条件があ . . . 本文を読む

消費税増税の迷走  これ以上の引き延ばしを許さない財界と自民党との茶番劇

2009-01-24 21:00:17 | 政治経済
消費税増税は本来、小泉の次がやるべき財界から自民党に与えられた課題だった。ところが安倍は、「美しい国」にうつつを抜かしているうちに参院選で大敗してしまった。福田も民主との大連立に失敗し、社会保障の機能強化論を持ち出してなんとか消費税増税に道筋をつけようとしたが途中で挫折してしまった。財界の苛立ちは頂点に達した。そこで考えたのは、麻生を生贄に郵政議席のあるうちになんとしても消費税増税と法人税実効税率 . . . 本文を読む

イージス艦衝突殺人事件 海難審判裁決のあいまい 理不尽なことにはノーと言おう!

2009-01-23 19:05:23 | 政治経済
海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」が漁船「清徳丸」に衝突、沈没させ、吉清治夫(きちせいはるお)船長(当時58歳)と長男哲大(てつひろ)さん(同23歳)二人が殺された事件で、舩渡健・前艦長(53)ら4人と「あたご」が所属する第三護衛隊に対する海難審判の裁決が22日、横浜地方海難審判所であった。「あたご」は「清徳丸」を早期に発見する機能を備え、衝突を回避することができたにもかかわらず、衝突回避措置を . . . 本文を読む

米オバマ政権が始動  「変革」の深度を決めるのは米国民と世界の世論と運動 

2009-01-22 19:01:15 | 政治経済
オバマ米大統領は20日に就任式を終え、「変化」を求める米国民や世界の期待を受けていよいよ新政権がスタートした。オバマを大統領に押し上げたのは、史上最悪のブッシュ政権のチェンジ(変革)であった。貧困と格差が広がる新自由主義、戦争、医療保険がその焦点であった。アメリカの新自由主義の政治や一国覇権主義がどう変化するかを世界が注視している。アメリカ独占資本が支配する二大政党制のもとでオバマ政権がどこまで「 . . . 本文を読む

「チェ 28歳の革命」  ゲバラに見せたいラテンアメリカで広まる「社会主義のルネッサンス」

2009-01-17 20:22:19 | 政治経済
映画「チェ 28歳の革命」を観た。「チェ 28歳の革命」は、フィデル・カストロと共にキューバ革命を成し遂げたアルゼンチン出身の医師であり、革命家であるエルネスト・チェ・ゲバラ(1928~1967)の伝記映画である。前後編4時間半という大作で、第1部はキューバ革命戦争の勝利を、第2部はボリビアでの戦いの挫折とゲバラの死を描く(「チェ 39歳 別れの手紙」が後編)。キューバ革命とは、米国資本と結んだバ . . . 本文を読む

パレスチナを強奪したシオニスト政権(イスラエル)の攻撃を即時停止させよ!

2009-01-15 15:58:41 | 政治経済
パレスチナのガザ地区に対する軍事攻撃を強めるイスラエルが、医療従事者や国連学校までをも攻撃対象にしていることや、国際法違反が指摘される居住地区への白リン弾使用の疑いが出ていることなどを受けて、イスラエル国内からも人権団体を中心に、軍の攻撃の違法性を問う動きが出ている(「しんぶん赤旗」2009年1月15日)。ユダヤ人はゲットーやナチスの強制収容所からの解放を目指してたたかってきたはずなのだが、今のイ . . . 本文を読む

経団連「労働委報告」 「労使一丸」のむなしい願望 「日本的経営」はもはや「夢物語」

2009-01-14 20:30:16 | 政治経済
昨年12月に日本経団連が発表した経営労働政策委員会報告(以下「労働委報告」)は、なんとか労働者の心の離反を食い止めようと異常なまでに「労使一丸」を強調している。どんな優秀な労働力もそれをどの程度会社のために発揮するかは、各人のヤル気にかかっている。ヒトが頭脳のなかにこれまで蓄積してきた知識や能力を会社のためにどのように使うか、ヒトが自分の頭脳の中に新たな知識や能力を会社のためにどのように蓄積してい . . . 本文を読む

「かんぽの宿」問題  麻生政権の狙いは選挙対策?

2009-01-13 20:25:18 | 政治経済
日本郵政が「かんぽの宿」70施設を入札によりオリックスグループに対し総額109億円で売却を決定したことについて、鳩山邦夫総務大臣が「待った」をかけ物議を醸している。日本郵政は、運営赤字タレ流しを防ぐための損切りというが、相手が“現代の政商”宮内義彦のオリックスと聞けば、誰もがハゲタカ・ビジネスの再現かと疑って当然だろう。鳩山氏のクレームは、麻生首相との十分な連絡の上でのことと思われるので、小泉郵政 . . . 本文を読む

請負・派遣社員は自分の社員でない?! 大企業経営者意識の退廃の極み

2009-01-12 21:19:48 | 政治経済
請負・派遣社員の大量解雇を批判された日本経団連の御手洗冨士夫会長は、“請負・派遣元が解雇したものであり、自分たちには責任がない”と言い放った。請負・派遣社員が組合を結成して、キャノンに抗議に行っても“あなたたちは私どもの社員ではないので、交渉対象ではありません”と門前払いされる。“よく人間らしい働き方”などと言われるけれども、請負・派遣労働者は、その前提となる労働者としても扱われていないのだ。「派 . . . 本文を読む