プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

2007年を振返る  「民意」が政治を動かす時代 

2007-12-31 19:26:55 | 政治経済
日本共産党の志位和夫委員長は12月18日放映のCS放送・朝日ニュースター番組「各党はいま」に出演し、本田優・朝日新聞編集委員から 「この一年を一言で締めくくるとしたら」と問われ、「『夜明け前』という感じですね」と答えた(「しんぶん赤旗」12月19日)。参院選で「自公政権ノー」の審判が下され、安倍前首相の政権投げ出しで福田内閣となったものの、早くも支持率急落に見られるように自公政治の行詰りは、誰の目 . . . 本文を読む

新年も続きそうな国際金融の動揺  アメリカの覇権の衰退とドル離れ 世界の構造変化

2007-12-30 18:18:35 | 政治経済
今年の最終売買日となった28日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落。大引けは前日比256円91銭(1.65%)安の1万5307円78銭だった。今年の世界経済は、アメリカのサブプライムローンの破たんに始まる国際金融の深刻な動揺に見舞われた。11月末以降、アメリカの連邦準備制度(FRB、連銀)、EUの欧州中央銀行(ECB)、イギリスの中央銀行(イングランド銀行)など欧米諸国の中央銀行が、相次いで巨 . . . 本文を読む

薬害C型肝炎訴訟 与党と原告側が法案合意 これだけではスッキリしない

2007-12-29 22:13:23 | 政治経済
薬害肝炎問題が決着に向け大きく動き出した。自分たちの補償だけにこだわらず、薬害の問題点を広く指摘し、薬害患者全体の救済にこだわった肝炎訴訟原告らの苦労と熱意が結実する(「産経」12月29日8時2分配信)。このこと自体は、喜ばしいことである。しかし、なぜ「旧ミドリ十字」が「旧厚生省」と癒着して薬害エイズでも肝炎でも、感染被害者をないがしろにし、被害の拡大を放置したのかは、十分に解明されたとは言えない . . . 本文を読む

井原岩国市長  予算を人質に国への屈服を迫る議会に怒った

2007-12-28 18:43:54 | 政治経済
米軍再編に伴う空母艦載機部隊の岩国基地移転に反対する山口県岩国市の井原勝介市長は26日、国が凍結している新庁舎建設補助金の大部分を合併特例債で肩代わりする07年度一般会計補正予算案を市議会に提案した。同様の予算案の提案は5度目である。艦載機移転容認派の保守系会派や公明党議員が井原市長に国への屈服を強要するために、予算を否決し続けてきたからである。予算案を流してしまう議会に怒った井原市長は同日、予算 . . . 本文を読む

「集団自決」教科書再訂正  検定意見撤回せず沖縄の心に応えたかのような偽装

2007-12-27 21:26:49 | 政治経済
今年3月、沖縄戦での「集団自決」(強制集団死)をめぐり、文部科学省が高校用教科書の検定で「軍の強制」記述を削除させたことは、歴史的事実の偽装として、沖縄県民の憤激を招いた。沖縄県議会をはじめ県内のすべての自治体が撤回を求める意見書を出し、検定撤回を求めて9月末に開かれた県民大会には、復帰後最大規模の11万人を超す県民が参加するなど、党派を超えた運動が続けられてきた。検定撤回を求める声は全国にも広が . . . 本文を読む

派遣法改正見送り  身勝手な財界と労働者の要求に背をむける厚生労働省

2007-12-26 18:50:05 | 政治経済
労働者派遣法の見直しを検討してきた労働政策審議会の労働力需給制度部会が25日まとめた中間報告で、派遣法改正の見送りを決めたことは、労働者・国民の要求に背を向けるものである。労働者・国民の運動で政治を動かす条件が大きく切り開かれた参院選後の情勢とはいえ、財界の政治支配を押し返すには、さらに大きなたたかい、エネルギーが要るということだ。ワーキングプアや偽装請負、日雇い派遣などの現代の社会問題を引き起こ . . . 本文を読む

沖縄新基地 環境アセスをめぐる攻防  防衛省の思惑通りには進まない

2007-12-25 19:17:15 | 政治経済
米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる、米海兵隊キャンプ・シュワブ(名護市・辺野古)沿岸部へのV字形滑走路の新基地建設に関する環境影響評価(アセスメント)で、沖縄県の仲井真弘多知事は12月21日、政府が提出した方法書は「不十分」であるとして、「再検討」を求める意見書を沖縄防衛局に提出した(「しんぶん赤旗」12月22日)。政府は、2014年までの代替新基地の完成をアメリカ政府に約束している。そ . . . 本文を読む

トヨタ過労死裁判   自動車世界一企業を支える無法労働

2007-12-24 19:18:16 | 政治経済
トヨタ自動車堤工場(愛知県豊田市)で働いていた内野健一さん=当時(30)=が2002年、残業中に倒れ死亡したのは過労が原因として、妻・博子さん(37)が国に遺族年金の支給など労災の適用を求めた訴訟の判決が11月30日、名古屋地裁であり、原告側の請求を全面的に認めた。厚生労働省は12月14日、控訴を断念すると発表し、労災を認めた名古屋地裁判決が確定した。「乾いたタオルを絞る」ようなトヨタの徹底した原 . . . 本文を読む

介護養成校 入学13%減 福祉の担い手はワーキングプア 総資本の責任で公的扶助の充実を

2007-12-23 19:04:32 | 政治経済
介護現場の担い手を育てる介護福祉士養成校(大学、短期大学、専門学校、高等学校の専門科)への2007年度の入学者数が、06年度と比べて2593人(13%)減っていることが厚生労働省の調査でわかった(「しんぶん赤旗」12月23日)。理由は、はっきりしている。重労働なのに報われることが少ないからだ。正規職員でも、賃金は月15万円から20万円未満が三分の一を占め、短時間パートの賃金は10万円未満が九割(福 . . . 本文を読む

政治とカネ 「改正」政治資金規正法の問題点  なぜ共産党が反対するか

2007-12-22 18:17:28 | 政治経済
改正政治資金規正法が21日の参院本会議で自民、民主、公明、社民、国民新各党の賛成多数で可決、成立した。共産党は第三者機関の設置に同意できないとして反対した。施行日は08年1月1日。新しい公開方法は09年分の収支報告書や領収書から適用される(「朝日」12月21日10時27分)。私は、共産党のいうことに100%盲従するものではない。しかし、ある法案に共産党が反対しているということは、その法案の中身を調 . . . 本文を読む

08年度予算原案  「骨太の方針2006」を継続  参院選の反省なし

2007-12-21 20:37:08 | 政治経済
福田自民・公明政権が初めて編成した2008年度予算の財務省原案が20日の臨時閣議で各省庁に内示された。額賀福志郎財務相は記者会見で、「『骨太の方針2006』で定められた『歳出改革』を確実に進めることができた」と表明。社会保障削減と庶民増税を国民に押しつけ、大企業を応援する小泉内閣以来の「構造改革」路線を継承する予算案となった(「しんぶん赤旗」12月21日)。参院選で自公政権が惨敗した反省はなく、こ . . . 本文を読む

NHK経営委古森委員長の運営を一部委員が批判  経営委員会の本来の役割は?

2007-12-20 20:34:28 | 政治経済
NHKの橋本元一会長の後任選びを進めている経営委員会(委員長=古森重隆・富士フイルムホールディングス社長)の菅原明子、保(たもつ)ゆかり両委員が19日午後、古森委員長らによる議事運営に異議を申し立てる記者会見を開いた(「毎日」12月19日15時1分配信)。安倍前首相によって独断的に選任された古森氏は、はじめから欠格人選だといわれていた。国家権力に迎合し、効率だけを重んじるワンマン経営者には、NHK . . . 本文を読む

防衛省調達  軍需産業いいなり価格  社会保障を削る前に兵器調達を削れ!

2007-12-19 21:03:18 | 政治経済
東京地検特捜部は11月28日、前防衛事務次官の守屋武昌容疑者と妻の幸子容疑者を収賄容疑で逮捕した。両容疑者を接待漬けにした軍需専門商社・山田洋行の兵器装備品契約代金の水増し請求が次々と明るみに出て、さすがの防衛省も、山田洋行を取引停止の処分にせざるを得なくなった。ところが、山田洋行だけでなく、代金水増し請求で取引停止のはずのほかの企業がその後も受注を続けていたことが、12月13日の参院外交防衛委員 . . . 本文を読む

COP13  アメリカとともに世界に恥をさらした日本政府 その共通点は?

2007-12-16 18:38:56 | 政治経済
3日から開かれていた国連気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)と京都議定書第3回締約国会合(COP/MOP3)は15日、次期枠組みの交渉内容を盛り込んだ「ロードマップ」(行程表)を決定し、閉幕した。不満足ながら、なにはともあれ、新たな一歩を踏み出した。COP13では、米国と結んだ日本の抵抗が、会議紛糾の大きな要因となった。地球温暖化防止という21世紀の人類共通の重大課題で、資本主義国第 . . . 本文を読む

消えた年金問題再燃  誤魔化しても消えない政府発言

2007-12-15 18:29:31 | 政治経済
約五千万件の「宙に浮いた年金」問題で、このうち約1975万件(38・8%)はコンピューター上での照合作業で本人を特定するのが困難であることが11日、社会保険庁の推計でわかった。政府の対策が長期化するのは必至で、舛添要一厚労相は記者会見で「期限はエンドレス。できないこともある」と居直った。安倍晋三首相(当時)は、6月の委員会で「一年以内に五千万件すべて突合する。最後の一人に至るまで徹底的にチェックし . . . 本文を読む