プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

沖縄・東村高江ヘリパッド 防衛局が住民提訴  鳩山政権の本質が見えた

2010-01-31 19:25:37 | 政治経済
鳩山新政権によって、きっと何かが変わると期待した沖縄県民の期待は幻想だったようだ。沖縄県東村高江の住民が、日米両政府が進める米軍ヘリパッド(離着陸帯)計画に反対して座り込みをはじめて、この7月初めで3年になる。ところが、自公政権は08年11月、こともあろうに、これらの住民を裁判所に訴えた。 国家権力によって人権が侵害されたとき、国民が司法に助けを求めるのであって、政府という国家権力が裁判所のお墨付きを得てまで住民を弾圧しようとするとは、どういうことか。鳩山新政権は、まさか自公政権と同じことはするまいと沖縄の人びとは信じた。そして、見事にその期待は裏切られた。安保政策では、民主党政権は自公政権とまったく変わらない。平野官房長官の「(地元の同意が得られなくても)法律的にやれる場合もある」 、「斟酌(しんしゃく)しなければならない理由はない」と言う発言は鳩山民主党政権の本質を代弁しただけなのだ。 国民が鳩山内閣打倒に立ち上がるべきときが、刻々と近づいているようだ。 . . . 本文を読む

鳩山首相の施政方針演説  民主党の限界なのだろう  若い人は是非、社会科学の学習を

2010-01-30 19:26:53 | 政治経済
政治家は、現実の社会を分析する力を持たなければならない。そのためには、社会科学を学習し、身につけなければならない。理念と現実をつなぐためには、社会科学の目が必須である。資本主義社会を分析する科学の目といえば、マルクスをおいてほかにないだろう。若い人には是非、マルクスの哲学、経済学を学習してもらいたいものだ。社会科学の目をもたない民主党政治は、結局、声が大きく、力の強いものに流される――これが、民主党の限界である。財界、アメリカに屈服しながら、「いのちを守りたい」の美辞麗句を繰り返す鳩山首相の罪は深い。 . . . 本文を読む

公務外米兵犯罪 判決があっても泣き寝入り 「自発的隷従」を続けている場合ではないだろう!

2010-01-29 16:36:27 | 政治経済
事件で田畑さんは鼻の骨を折る1カ月のけがを負い、義歯も壊れた(検察は米兵を強盗傷害ではなく軽い傷害罪として起訴。問題の米兵は、すでに出所済み)。ところが、田畑さんは現在まで、どこからも1銭の賠償金も受け取っていない。日本政府は「民事特別法」で、米兵の職務中の不法行為について損害賠償責任を負わされている。今回は、犯行が勤務外だから、日本政府は賠償しないという。在日米海軍は、「ブッカー元服役囚は08年に除隊した。現在は民間人で、居場所は把握できない」という無責任さである。田畑さんの場合、南関東防衛局はなんと言っているか。 「米側と調整中。米側はまだ固まっていない」ので、差額が決まらないから日本政府も支払えないというのだ。高橋宏弁護士は「いつ支払うかは米軍次第になっているため、判決が出ても支払われないという普通の裁判では考えられない異常が続いている。これでは米軍被害者は救済されない」と怒る(「しんぶん赤旗」2010年1月29日)。 判決が出てからでも1年半、事件(2006年9月)から3年以上たっている。あまりに理不尽でないか!これが、日米地位協定下での米兵犯罪被害者の実態なのだ。なにが、日本の安全を守っているかだ!馬鹿にするな! . . . 本文を読む

Googleの中国からの撤退問題   多国籍企業と各国政府の関係

2010-01-28 18:48:14 | 政治経済
米Googleが1月12日、中国の人権活動家のGmailアカウントに対して攻撃が行われたのは問題だとして中国政府の検閲政策を批判。場合によっては中国事業からの全面的な撤退も辞さないとの見解を公にした。多国籍企業が進出先国で揉め事に巻き込まれたとき頼りにするのは、本国の政府である。本国の国民経済のことなど歯牙にもかけないくせに困った時には、本国政府を頼りにするのが多国籍企業の本性なのだ。中国政府は日本と違って米国政府の言いなりにはならない。Googleが米国政府に頼っても、中国で商売をしたいのであれば、結局は中国政府の規制に従わざるをえないだろう。 . . . 本文を読む

新基地反対の民意を無視する民主党幹部  もうちょっと賢くならねば・・・

2010-01-27 18:27:11 | 政治経済
海兵隊の司令部がグアムに移転するにもかかわらず、実戦部隊が沖縄に残るのは、訓練にもってこいの最新鋭の新基地を日本の税金で辺野古に造ってくれるという、ただそれだけの理由からである。米軍の存在が、終戦直後の冷戦時代に抑止力として機能したことは認めて良いかもしれない。しかし、冷戦終結からでもすでに20年経っている。それでも、北朝鮮、中国の脅威に対する抑止力として米軍に居って貰いたいと思う人もいるかもしれない。これらの人たちには、安保条約の実態――日本国民が日本の独占資本だけではなく、アメリカによっても二重に搾取・収奪され、生活上、特別の困難をもたらされていることとか、かえって、北朝鮮・中国を軍拡に駆り立てる原因ともなっていることとか――いろいろと忌憚なく議論することが必要だろう。 ただ私は、ここで言いたいのは、現在全国各地にある134ヶ所の米軍基地から普天間基地1個を無条件撤去して、どれだけ抑止力が減じるのか、ということである。北朝鮮や中国が攻めてくると本気で考えるのか。 普天間問題の根本的解決のためには、無条件撤去しかない。第三海兵隊をどうするかは、アメリカに任せれば良い話である。在日米軍基地の全てを撤去せよといっているわけではない。民主党幹部はもうちょっと賢くならねば・・・。 . . . 本文を読む

小沢氏問題と検察批判   中立を装う検察批判は、悪人を助けることになる

2010-01-22 21:12:46 | 政治経済
江川さんの言うとおり、「検察の正義」が常に「社会の正義」とは限らず、検察の判断が常に正しいとも限らない。公安警察と結託して、ビラ配布などで、共産党弾圧を繰り返す検察に正義などはない。だからと言って、今回の小沢捜査を批判することには賛成できない。小沢氏は早くに事情聴取に応じることもできたし、与党幹事長という公の立場であることを考えれば、国民の疑問にも答え、早期に事態を収束することもできた。なぜ、説明が二転、三転するのか。誰が見ても小沢氏は黒である。だから国民世論も9割近くの人が、小沢氏の説明に「納得できない」と言い、7割が幹事長辞任や議員辞職を求めているのだ。 . . . 本文を読む

経団連経労委報告  企業の一人勝ちでは、不況が長引くだけ

2010-01-21 20:39:35 | 政治経済
経労委報告は内部留保について“現金などで保有しておらず取り崩せない”などと言い訳にもならいことを言っている。大幅賃上げや非正規労働者の正社員化によってコスト増になって最終損益が赤字になったときに繰越欠損金の処理をどうするかの経理処理で内部留保を取り崩すかどうかが問題になるのであって、資金繰りはそれ以前に済んでいる話である。現に、トヨタは、上半期(4~9月期)の純利益(最終利益)が560億円の赤字になったといいながら、627億円の株主配当(中間配当)を決定している。赤字で配当するためには、内部留保を取り崩すしかない。そして、株主配当のための現金をちゃんと用意しているではないか。株主配当のために出来ることが、雇用のためには内部留保の活用ができないというのはまったく理屈に合わない。 . . . 本文を読む

JAL経営破綻   ここにも見え隠れする日米安保の陰

2010-01-20 20:49:08 | 政治経済
全国各地に98もの空港を建設したのも、日米構造協議による630兆円の公共投資であった。日本経済の生産性を高めないということは、はじめから無駄な空港だったのだ。日米構造協議によるアメリカからの規制緩和要求で、ドル箱路線は、新規航空会社の参入による低価格競争を強いられ、日米貿易摩擦の解消要求で、大量のアメリカ製大型航空機を買わされる。政官業癒着の出鱈目経営の陰には、諸悪の根源――日米安保条約の存在があった。 安保条約第2条は、日米間の「国際経済政策におけるくい違いを除く」、「経済的協力を促進する」となっている。日本の経済政策への米国の不当な介入を許し、世界に例のない経済的従属が制度化されたのだった。 . . . 本文を読む

安保改定50年   鳩山首相談話   いつまで思考停止を続けるのか

2010-01-19 20:22:08 | 政治経済
日米安全保障条約の改定の署名から50年を迎えた19日、鳩山由紀夫首相は「日米安保体制はわが国の安全のみならず、アジア太平洋地域の安定と繁栄に大きく貢献してきた」と日米同盟が果たしてきた役割を評価し、「引き続き不可欠」とする談話を発表した(時事通信1月19日11時24分配信)。私は、敗戦後米国に占領されたが、西側陣営の一員としてわが国が高度経済成長を成し遂げる上での米国の役割を否定するものではない。しかし、ただそれだけである。もう十分に御返しした。もともと、安保のもとで、日本は基地の土地を提供するが、維持費は米国が負担することになっていた。いまや日本はいわゆる「思いやり予算」をはじめ基地周辺対策費や用地賃貸借料などを含め、年間6000億円前後の負担を続けている。日本の安全保障について、思考停止している間に、在日米軍基地は、米軍の中近東出撃基地にまでなってしまった。米国は自分の都合で“世界の司令官”として戦争を続けている。日本は、国民の安全保障をどう確保するのか、多国籍大企業の出先での安全をどう確保するのか、米国と袂を別って自分の頭で考えるときがきている。とりあえず安保条約を改定して、米国から基地使用料を徴収しようではないか。首都圏の地代は高いヨ。フィリピンのクラークやスービック基地のようにきっと米国の方から返還を申し出てくるだろう。 . . . 本文を読む

小沢幹事長「辞任すべきだ」が7割  民主党は小沢氏とともに沈没するつもり?

2010-01-18 18:52:21 | 政治経済
小沢民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、元秘書の石川知裕衆院議員、池田光智元私設秘書、公設第1秘書の大久保隆規被告ら3人が逮捕された。小沢氏本人は、検察当局と「全面的に対決していきたい」と息巻いている。 鳩山首相(党代表)と小沢幹事長のツートップが「政治とカネ」をめぐる重大な疑惑に包まれる中で開かれた民主党大会。首相は「どうぞ戦ってください」と小沢幹事長を激励。自民党以上に自民党的体質を見せつけた。 . . . 本文を読む

海自インド洋撤退  騒いでいるのは大手マスコミと自民党 アメリカ追随は、失敗への道

2010-01-16 19:10:37 | 政治経済
新テロ特措法が15日失効し、2001年のアメリカ同時テロ以降8年にわたりインド洋で米艦船などに給油支援してきた海上自衛隊が撤退することになった。早速、「産經」を筆頭に、「読売」、「日経」など日本の大手マスコミは、給油延長しない鳩山政権に非難ゴウゴウである。「同盟国として米国を強く支持し、最大限の支援を行う」(01年9月23日、小泉純一郎首相)―こうして強引に支援したアメリカの「対テロ戦争」は、アフ . . . 本文を読む

派遣村ホームレスに鞭打つ都知事   許されない石原慎太郎の傲慢、非人間性

2010-01-15 18:33:57 | 政治経済
東京都は8日、「公設派遣村」入所者554人中204人が、求職活動費として2万円支給された後に所在不明になっていることを発表。石原慎太郎都知事は同日、臨時宿泊施設の受け入れを18日で打ち切ることを表明した。しかし、公設派遣村「無断外泊」は事実誤認もいいところだ。この国の多くの人は、「金持ち」とか「政治家」とかには「清く正しい」人物像なんて求めないのに(鳩山、小沢を見よ)、なぜか「貧しい人」にだけは「 . . . 本文を読む

イラク戦争の検証  イギリスやオランダで本格化  ブッシュのポチ=小泉内閣の検証を

2010-01-14 18:45:56 | 政治経済
イラク戦争開戦から7年近くが経過した。戦争の「大義」であった大量破壊兵器は見つからず、逆に、アメリカ帝国主義の大義なき侵略によって、イラク市民をはじめとする多くの尊い命が失われた。イギリスやオランダでは、大義なき戦争に同調したことに対する検証が本格化している。イラク戦争を支持した日本はどうか。ブッシュのポチ=小泉純一郎内閣の意思決定過程を検証することは、現在の普天間基地問題を考える上でも避けて通れ . . . 本文を読む

外国人の地方参政権付与法案 「同化」か「排除」かに翻弄され続ける特別永住者(旧植民地国民)

2010-01-13 21:15:06 | 政治経済
鳩山内閣は永住外国人の地方選政権付与法案を、18日召集の通常国会に提出することを検討中であるという。永住外国人の地方選政権付与に関しては、政権が自民党から民主党に交代し、特に民主党の実力者小沢幹事長が積極的であることから、右翼の連中を中心に反対運動がここに来て一段と喧しい。“在特会”(在日特権を許さない市民の会)などは、何もわからない在日コリアの幼稚園児の遊技場にまで押しかけ、暴力団まがいの罵詈雑 . . . 本文を読む

新「日韓宣言」 鳩山首相の勝手な思惑は通用しない  私たちは、日本近現代史について余りにも無知

2010-01-12 18:58:26 | 政治経済
今年は、日本が大韓帝国を併合してから100年の節目の年に当たる。35年に及ぶ朝鮮半島の植民地支配は、1945年8月の終戦で幕を閉じたが、戦争に負けてしまったために、植民地支配についての責任が戦争責任の影に隠れてしまって真正面から問われることなく(いわゆる東京裁判でも問題にされなかった)、今日でも多くの日本国民の意識には何もない。私たち戦後世代は、近現代史に関する知識に極めて乏しい。日本史の教育は近 . . . 本文を読む