プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

日本版NSC  日米同盟強化と軍機保護法復活への道

2007-02-28 18:35:46 | 政治経済
政府の「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」(議長・安倍晋三首相)は27日、首相官邸で会合を開き、国家安全保障会議(日本版NSC)の創設を柱とする最終報告書をまとめた。安倍首相は日本版NSCの来年4月発足に向け関連法案を三月中に提出、今国会での成立を目指すようだ。米国の国家安全保障会議(NSC)に似た組織をつくり、日米同盟強化のため世界戦略の一体化を図るのが狙いの一つである。また報告書は、安保関連の秘密漏洩に対する厳罰化を盛り込んだ早期の秘密保護法制定も提言した(「しんぶん赤旗」2007年2月28日)。 アメリカとともに「戦争をする国」へまた一段ステップアップを企図するものである。 . . . 本文を読む

最低時給1000円への賃金引き上げによる日本経済への波及効果について

2007-02-27 18:14:22 | 政治経済
日本の急速な貧困の広がりの土台に世界でも最低水準の最低賃金があることは明らかである。かつて最低賃金が、所帯主の収入を補完する主婦の臨時的なパート収入の目安であった頃とちがって、いまやフルタイムで働いても生活保護水準に満たないワーキング・プアが蔓延するなか、貧困と格差を土台から是正するためには、最低賃金の抜本的な引き上げが求められる。現行の最低賃金は、労働者の平均的所得の32%という先進国最低水準であるが、時給1000円というのはおよそ50%に相当する。最低賃金を1000円に引き上げると2兆6千4百億円の波及効果が生まれ、日本経済に健全な発展をもたらす―労働運動総合研究所(代表理事・牧野富夫日本大学教授)は26日、最低賃金引き上げによる日本経済への波及効果について試算結果を発表した(「しんぶん赤旗」2007年2月27日)。 . . . 本文を読む

フラフラの安倍内閣  それでも「郵政造反」落選組の衛藤晟一氏復党の背景

2007-02-26 20:16:04 | 政治経済
「美しい国づくり」を看板にした安倍内閣が誕生して26日で5カ月。支持率低下、官邸と与党の不協和音など、早くもフラフラである(「しんぶん赤旗」2007年2月26日)。昨年末、安倍政権が「郵政造反」現職議員11人の復党を決めたときには、政治理念も倫理もなく、票とカネのためなら国民をだましても平気だということで、大いに支持率を下げた。しかし、安倍首相はそれに懲りずに今度は、「郵政造反」落選組の衛藤晟一氏の復党を容認したという。国政の事より「盟友」が大事というのは、いかにも安倍らしいといってしまえばそれまでだが、国民を舐めきっているとしか思えない。 . . . 本文を読む

クラスター爆弾禁止へ有志国の取り組み     背を向ける日本政府

2007-02-25 18:26:26 | 政治経済
武力紛争後も長期にわたり無差別に民間人を殺傷し続ける残虐兵器、クラスター爆弾を禁止する条約の締結を求め、ノルウェーの首都オスロで開かれていた有志国による国際会議は23日、2008年までに同条約を制定することを求めた宣言を採択し、閉幕した(「しんぶん赤旗」2007年2月25日)。日本は会議には参加したが、共同宣言に署名しなかった。オスロ会議に参加した49カ国中、46カ国が宣言に署名し、日本、ポーランド、ルーマニアが、署名しなかった。通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠外の合意だというのがその口実である(クラスター爆弾問題には国連軍縮会議の枠組みでしか取り組まないとしていた英国やフランスは署名した)。残虐兵器禁止の先頭に立つべき日本政府は、クラスター爆弾の廃棄を求める国際世論に対し、消極的な姿勢をとり続けている。ここにも対米従属と自主的平和外交が両立しないことが明瞭に現れている。 . . . 本文を読む

石原知事発案・三宅島オートレース 「東京マラソン」もスポーツ振興とは無縁の単なるイベントだった?

2007-02-24 19:05:08 | 政治経済
オリンピックの調査は一時間半だけで、マン島でのオートバイレース見物を楽しみ、三千六百万円もつかったロンドン・マン島出張(06年5―6月)の「成果」を出さなければと思ったのか、石原都知事が今度は「災害復興特別交付金」を使って三宅村のオートバイレースの開催を進めている。先の「東京マラソン」も、3万人の参加で盛り上がったようだが、石原都知事がこのイベントを利用して東京や自分自身を売り込むことを狙ったもので、スポーツ振興という発想から生まれたものではない。そのことは、都教育庁のスポーツ関係予算が、1999年度の50億円余から、2005年度の17億円余に、都立体育施設運営委託費は同じ6年間に30億円余から11億6000万円余に激減していることからも明らかである。 . . . 本文を読む

政党選択の本質そらしに狂奔  民主党を激励する「朝日新聞」の異常

2007-02-23 15:59:53 | 政治経済
今朝の「朝日新聞」社説のひとつは「統一地方選 民主党は本気を見せろ」である。民主党がほとんどの自治体で自民党、公明党とオール与党体制を組み、首長・自治体行政に対するチェック機能を喪失していることを批判し、反省を促し「本気をみせろ」というのかと思ったら、なんと選挙戦を一生懸命やれと民主党を激励しているのである。「朝日」は1月17日付社説でも都政における民主党の役割・実績をなんら検討することなく「民主党 菅氏で首都決戦を挑め」とやった。自民党、公明党と同じ政治をおこなう民主党を選んでどうせよというのか。財界・支配階層が喜ぶだけでないのか。「朝日」はいつから日本経団連の広報紙となったのか。 . . . 本文を読む

日銀0・25%利上げ   「金融政策」頼みの家計に及ばない景気

2007-02-22 18:57:17 | 政治経済
日銀が「ゼロ金利」解除から7カ月ぶりに利上げに踏み切った。短期金利(無担保コール翌日物)の誘導目標を年0・25%から0・25%引き上げて年0・5%とするだけで、政府は神経を尖らせている。日銀金融政策決定会合に政府代表として出席した浜野潤審議官は「デフレから脱却するかどうかの正念場で、利上げを急ぐ局面ではない」と、利上げに反対した。浜野審議官は採決前、(1)企業部門の好調さの家計部門への波及の遅れ(2)個人消費の弱さ(3)消費者物価の上昇率が再び下落に転じる可能性――など懸念を列挙。採決後も「日銀は、しっかりと説明責任を果たしていただきたい」と、利上げの理由への不満をにじませた(「毎日新聞」2月21日19時50分配信)。しかし、これほど厚顔無恥な話はない。多国籍大企業の競争力強化に熱中し、国民の家計や中小企業に目を向けたまともな経済政策をとらずに、日銀の「金融政策」頼みにしてきたのは、自公与党・政府自身でなかったのか。 . . . 本文を読む

事務所費疑惑  小沢氏の公表は当然 問われているのは主権者への説明責任だ

2007-02-21 18:22:12 | 政治経済
家賃がただの国会の議員会館に政治団体の「主たる事務所」を置きながら、巨額の「事務所費」を政治資金収支報告に計上していた問題が、「しんぶん赤旗」の報道をきっかけに大きな問題になって二カ月近くになる。疑惑を指摘された政治家は、「違法なことはやってない」というばかりで自らの説明責任を果たさないで逃げるつもりのようだ。彼らの政治資金収入の圧倒的部分は企業・団体献金か政党助成金である。いずれにしても公的性格の資金の使途について説明責任を果たせないような人間は政治家の資格がない。 . . . 本文を読む

あーなみたかてる 2月20日は多喜二忌  日本政治のゆがみの根本にあるもの―歴史を直視しない態度

2007-02-20 19:10:53 | 政治経済
74年前の1933年2月20日、日本共産党員の作家・小林多喜二が築地警察署で虐殺された。多喜二と同じ警察署内での虐殺は80人、拷問による獄死が114人、病気による獄死は1503人にのぼる。多喜二虐殺時の主犯格は警視庁特高部長・安倍源基、その配下で、虐殺に直接手を下したのが毛利基特高課長、中川成夫、山県為三両警部らである。戦前でも、拷問は禁止されており、虐殺に関与した特高警察官は殺人罪により「死刑又は無期懲役」で罰せられて当然であった。ところが、昭和天皇は、虐殺の主犯格である安倍、配下の毛利、中川、山県らに叙勲を与え、新聞は「赤禍撲滅の勇士へ叙勲・賜杯の御沙汰」と報じたのである。重大なことは彼らが戦後も今日まで、なんら罪に問われることなくきており、政府は、拷問の事実を認めず、「答弁いたしたくない」(76年当時の稲葉法相)との態度で、これが今に至るまで引き継がれていることである。 . . . 本文を読む

選挙では「対決」ポーズ、選挙が終われば元の「オール与党」―東京都にみる民主党の実像

2007-02-19 18:02:07 | 政治経済
自民党政治を変えたいという善意の人々から、独自候補を立てる共産党に対し、野党共闘すべきだという意見がよくでる。たしかに国会で民主党は、自公と別会派であり、野党に違いない。しかし、民主党は国政において、憲法改悪と日米同盟の強化、大企業中心の「構造改革」と庶民増税路線など、基本路線で自民党と同じ方向で競い合っているのが現実である。自民・公明与党か民主党か、どちらが「よりまし」という関係にはないのだ。地方政治では民主党の“与党振り”はもっとはっきりしている。全国ほとんどの自治体で自民党、公明党、民主党は、首長が提案する予算などの議案に100%賛成する「オール与党」である。ところが民主党は、東京都知事選(3月22日告示、4月8日投票)を前にしてにわかに石原知事批判を強めている。選挙では「対決」ポーズ、選挙が終われば元の「オール与党」というのが民主党の常套手段である。 . . . 本文を読む

「第二次アーミテージ報告」  日本に米軍産複合体への全面従属を迫るもの

2007-02-18 20:42:56 | 政治経済
よく知られているように、アメリカが戦争を止められないのは、軍産複合体が政治・経済に多大な影響を持ち、戦争を望む彼らの要求を無視できなくなってしまったからである。この軍産複合体の有力な一員であるアーミテージ元国務副長官とナイ元国防次官補を中心とする米国の超党派のアジア専門家グループが16日、西暦2020年までを見通した日米同盟についての提言を公表した(「しんぶん赤旗2007年2月18日」)。現在、在日米軍基地再編、自衛隊の海外派兵、そのための改憲策動など事態は、「第一次アーミテージ報告」通りに進んでいる。日本国民にとって「第二次アーミテージ報告」が看過できない所以である . . . 本文を読む

プロ野球  クライマックスシリーズは本当に意味があるの?

2007-02-17 18:37:26 | スポーツ
2007年日本プロ野球界は、これまでパ・リーグがやっていたプレーオフをセ・パ両リーグで統一しようということでクライマックスシリーズを導入した。3年ぶりにセ・パで試合数、優勝決定方法が同じとなった。両リーグで条件が統一されたことは、歓迎すべきことなのだろうが、日本一を決めるクライマックスシリーズにどれほどの意味があるのか。ただ試合数を確保して興行収入を増やすことだけを狙ったのではないかと思われてならない。 . . . 本文を読む

神戸空港開港1年  やっぱり無駄な公共事業だった?

2007-02-16 19:13:45 | 政治経済
神戸空港が今日16日、開港一周年を迎えた。予想された通り、旅客需要見込みは大幅に下回るし、空港島建設の借金返済の原資と考えていた造成地の売却は高価格のためまったく売れ残ったまま。早くも空港の経営は危機的状況である。心ある住民の意思を無視して空港建設を推進した市行政と市と一体となった自民、公明、民主の議会与党の責任が厳しく問われなければならない。 . . . 本文を読む

改憲手続き法案 与党が揺さぶり どうする民主党

2007-02-15 18:46:19 | 政治経済
自民、公明両党の幹事長、国対委員長らは14日午前、都内で会談し、改憲手続き法案について、民主党が衆院憲法調査特別委員会での審議に応じない場合は、与党単独採決で臨む方針を確認した。また、自公両党は5月3日の憲法記念日までに同法案の成立を図ることで一致した(「しんぶん赤旗」2007年2月15日)。煮え切らない民主党の態度に業を煮やした自公与党は「単独採決にかけるのはこの間の民主党との合意を反映させた修正案になる。いまボールは民主党にある。向こうが考えるときだ」と、民主党への揺さぶりを強めている。憲法問題という日本の進路にかかわる基本問題で自民党と同じ土俵に立ちながら、国民の声を恐れ「悪政の共同執行者」の本質を隠したい民主党。どうする民主党?心ある国民はとうの昔にその正体を見抜いているのだが・・・。 . . . 本文を読む

6カ国協議合意  「言葉上の公約」から確実な「行動のための公約」へ前進できるか

2007-02-14 18:47:51 | 政治経済
8日から北京の釣魚台国賓館で開かれていた北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は13日午後、全体会議を開き、北朝鮮が核放棄に向けた具体的な措置を取るのに対し、5カ国がエネルギーなどの支援を与えるとする共同文書を採択して閉幕した。共同文書は、2005年9月の共同声明の「実施のための初期段階の措置」と位置づけられた。北朝鮮と関係国は、朝鮮半島非核化へ向けた重要な第一歩として、共同文書を誠実に履行することが求められる(「しんぶん赤旗」2007年2月14日)。共同文書が単なる「言葉上の公約」ではなく、「行動のための公約」(国連の潘基文事務総長―「読売新聞」2月14日12時58分配信)となるかどうかは関係国、とりわけ今後の北朝鮮の具体的な行動にかかっている。 . . . 本文を読む