プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

08年労働者の反撃・職場のたたかい  09年は「雨のち晴れ」

2008-12-31 21:07:04 | 政治経済
「労働者階級の状態は、現存の社会的困窮の最高の、最も露骨な頂点であり、したがって、また現代のあらゆる社会運動の実際の土台、出発点である」(エンゲルス『イギリスにおける労働者階級の状態』)。年の瀬とともに、日本列島をきびしい寒波が襲っている。不況の嵐が吹くなか、「派遣切り」や「期間工切り」など雇用の破壊で、仕事はもちろん住む場所さえ奪われ、寒空のもと路頭に迷う人びとが続出している。CS朝日ニュースタ . . . 本文を読む

09年度予算案  いよいよ動き出した「米軍再編」経費負担

2008-12-29 20:08:44 | 政治経済
政府は24日の閣議で2009年度予算案を決定した。09年度予算案と08年度第2次補正予算案は、ともに年明けの通常国会に提出される。景気・雇用の急速な悪化で国民生活防衛のために、いまこそ「大砲かバターか」の対決が問われるなかで、アメリカの国益防衛のために超思いやり=グアム移転費・「米軍再編」経費の負担が激増している。「百年に一度の経済危機」(麻生首相)といいながら、米軍天国をこのままにしておいてよい . . . 本文を読む

イスラエルのガザ空爆  国際社会はいつまでイスラエルの無法を黙認するのか

2008-12-28 20:42:05 | 政治経済
パレスチナ自治区ガザに対するイスラエル軍の27日の大規模な空爆によって、多数の死傷者がでている。ロイターによれば、少なくとも229人が死亡、700人以上が負傷した。空爆は同日夜になっても続き、死傷者はさらに増える可能性もあるという(ロイター2008年 12月 28日 09:49 )。ユダヤ国家は、パレスチナ人に対し民族浄化をしても、あるいはパレスチナ人に対してどんな好き勝手をしても、国際社会からの . . . 本文を読む

教科書検定制度の「改善」は巧妙な「改悪」   新自由主義が国家主義と結びつく必然性

2008-12-27 20:20:28 | 政治経済
文科省役人の狡賢さは天下一品である。日本史教科書の沖縄戦「集団自決」の記述から「軍の強制」が削除された問題を通じて教科書検定制度の問題点があらためて天下公知となった。ところが文科省役人は、検定制度の抜本的改革や廃止を求める声を聞くどころか、教科用図書検定調査審議会に教科書検定の実質的「改悪」を答申させたのだ。転んでもただでは起きない霞が関の官僚は本当に諸悪の根源である。安倍元首相に見られるように、 . . . 本文を読む

『私は貝になりたい』 戦争に正義はあるか ドイツの「良心的兵役拒否」 

2008-12-26 22:42:35 | 政治経済
映画『私は貝になりたい』が上映中である。前作は1959年、フランキー堺主演で上演され国民的関心を呼び起こした。今回も、あらためて日本が引き起こした戦争の野蛮さと悲劇性、庶民にとって、戦争がいかに理不尽なものであるかを強く語りかけている。ともすれば、東京裁判のA級戦犯がなにかと注目されがちであるが、BC級裁判は、軍隊組織のなかで一庶民が良心に反する、あるいは違法な上官の命令を受けた場合に、どこまで抵 . . . 本文を読む

サブプライムローンなどによる米自己破産、前年比37%増  「生存権」を攻撃する日米支配層

2008-12-25 20:56:11 | 政治経済
米信用情報大手エクイファクスのデータによると、米国の消費者の間で住宅ローンやクレジトカード、自動車ローンの返済の延滞が増えており、自己破産も増加している。11月の消費者信用のトレンドについてまとめた同社のデータによると、同月の自己破産申請件数は13万1672件で、前年比37%増加した。サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅担保ローン)を使って住宅(主な居住場所)を購入した人のうち36.6% . . . 本文を読む

米国のゼロ金利政策導入 ドル暴落の危機  日本経済の構造転換が必須の課題

2008-12-24 20:22:48 | 政治経済
米連邦準備制度理事会(FRB)は16日の公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を年1.00%から過去最低の0.00~0.25%に引き下げ、とうとう日銀顔負けの事実上のゼロ金利政策に入った。アメリカ経済の先行きがいよいよ見えなくなってきた。自動車ビッグスリーに続いて米金融・旅行大手アメリカン・エキスプレスにも、金融安定化法に基づき33億9000万ドル(約3100億円)の公的資金が注入されるという。一 . . . 本文を読む

大阪・橋下知事の「自己責任論」 「子どもが泣き、大人も泣く大阪」 だのに人気はなぜ?

2008-12-23 20:53:45 | 政治経済
大阪府の橋下徹知事が10月23日、私学への助成金削減をやめるように請願する地元高校生に対し、「なぜ、公立を選ばなかったんだろう?」「今の世の中は、自己責任がまず原則ですよ。誰も救ってくれない」と切り捨てた。高校生との議論で負けそうになると、「それはじゃあ、国を変えるか、この自己責任を求められる日本から出るしかない」とまで言い放った。橋下徹知事の選挙公約は「子どもが笑い、大人も笑う大阪」であった。お . . . 本文を読む

WTO交渉挫折と食糧自主権  またしても輸入米からカビ猛毒  反省のない農水省

2008-12-22 20:14:27 | 政治経済
農水省は19日、同省が加工食品メーカーに食用として販売したタイ産米(ミニマムアクセス=MA米)からカビ毒が検出されたと発表した。しかし、輸入商社の名前もカビ毒米を購入した国内業者の社名やコメ加工食品の製品がなにであるかもすべて伏せたままである。具体的な健康被害が出るまでは知らん振りを決め込むつもりのようだ。輸入汚染米が、あれだけ問題となったにもかかわらず、まったく反省がない。「政官財」の癒着の構造 . . . 本文を読む

イラク“靴投げ記者”が人気  中東地域の反米感情を醸成しただけのブッシュ政権8年

2008-12-21 20:19:52 | 政治経済
2月14日、イラクを電撃訪問したブッシュ大統領は、マリキ首相との共同記者会見中にイラク人記者から靴を投げつけられた。靴を投げつけたのはイラクのバグダディヤ・テレビに所属するムンタダル・アル・ゼイディ記者。事件後、彼はアラブ社会で英雄として賞賛されており、無罪放免を求める声はいよいよ高まっている。「靴投げ」事件直後、ブッシュ大統領は「事実としていえるのは靴のサイズは10」「私はかわすのがうまい」など . . . 本文を読む

裁判員候補者、11万8500人が「辞退希望」と回答  改めて問う「裁判員制度」

2008-12-20 19:07:08 | 政治経済
来年5月に始まる裁判員制度で、約29万5000人の裁判員候補者のうち4割にあたる約11万8500人から、12月18日までに辞退を希望する回答票が返送されたという(「読売」12月19日19時46分配信)。不安、不満…辞退したいというのが、裁判員候補者の大方の胸の内だろう。「裁判員制度」は本当にひどい制度である。「裁判員制度」によって、冤罪・誤判を生む日本の刑事裁判の構造的欠陥が少しでも改善されるどこ . . . 本文を読む

共産党が大量解雇の中止・撤回を経団連に要求  片や国会は雇用法案を巡っての自公民の茶番

2008-12-19 18:55:22 | 政治経済
派遣・期間労働者の大量解雇がきわめて深刻な社会問題となるなか、日本共産党と日本経団連の初めての会談が18日、都内で行われ、志位委員長は「大量解雇を主導しているのは、日本経団連の中核を担う世界的大企業であり、その社会的責任はきわめて重大だ」と指摘。非正規労働者の大量解雇の中止・撤回を求める御手洗冨士夫会長あての要求書を手渡すとともに、財界の認識をただした。片や、参院厚生労働委員会では18日、民主、社 . . . 本文を読む

「生きづらさ」を打破する「共同」の回路をいかに構築するか―現代の変革主体形成論の活発化を―

2008-12-18 20:48:20 | 政治経済
現代の若者を中心に「生きづらさ」が暗雲のように覆いはじめている。ところが、首都圏青年ユニオン書記長の河添誠さんは、「日本の若者が怒りを忘れているように見える。私が活動のなかで出会う若者の多くも『やさしい』人たちで、傷つきやすく繊細である。『怒り』の感情をストレートに表出することなどめったにない」という(「しんぶん赤旗」2008年12月17日)。横浜市立大学教授の中西新太郎さんも1995年以後、若者 . . . 本文を読む

“派遣切り”まるで人ごと経団連春闘方針  企業の社会的責任と経営者の職業倫理 

2008-12-17 16:47:14 | 政治経済
「労働者の使い捨ては許さないぞ」。全労連などでつくる国民春闘共闘委員会は16日、派遣労働者らの雇用を守るよう大企業の社会的責任を求め、日本経団連会館前で抗議行動を行った。約300人が「大企業のボロもうけを労働者に回せ」などと唱和した。財界側の春闘方針である「経労委報告」の発表にあわせた緊急行動である(「しんぶん赤旗」2008年12月17日)。かつての日本的経営というのは、不況になっても簡単には首を . . . 本文を読む

米自動車3社(ビッグスリー)の救済劇から見えてくるもの―その文化的・社会的側面―

2008-12-16 21:59:56 | 政治経済
米自動車3社(ビッグスリー)の救済劇が迷走している。議会では3社につなぎ融資を与える法案が上院を通過せず事実上の廃案になった。ホワイトハウスは金融安定化法に基づく公的支援を検討している。急速に悪化する世界経済への影響も考えれば、経済的緊急対策の論議が中心になることは当然ではある。ただ今回の経済危機からの回復を目指すとき、アメリカ主導のグローバル資本主義とはなにであったのかについて単に経済的側面だけ . . . 本文を読む