活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

重大事故を起こす企業の特長

2011-04-07 20:53:05 | Weblog
東電福島第一原発事故か拡大した背景は非常用電源の喪失にある。なぜ非常用電源が作動しなかったかについて、当時の関係者からの証言も寄せられている。

それによれば、あらゆる安全対策が後回しにされていたことが明らかにされている。原発そのものの「設計が甘かった」との証言には驚いた。安全を確保するために、改修工事の必要性を認識していながら「カネがかかる」として躊躇していたこともわかった。これでは人災もいいところである。

大事故を起こす企業には特長がある。①トップを含む経営陣が現場を知らない。②利益至上主義で安全教育をしない。③安全への提言や稟議書には、「費用対効果」を強調。トップがいちゃもんをつけ握りつぶす。④保安に携わる人たちを「カネ食い虫」と見て、重要ポストに登用しない。⑤経営者がワンマン。⑥口先だけのコンプライアンス等々、数え上げれば切りがない。

東電が儲けを追求するために、カネをかけなかったことで事故を起こしたことは、「未必の故意」として犯罪要件を満たす。いま、このような企業は多数を数える。事故が起きなかったことは、たまたま運がよかっただけのことである。

事故を起こさない企業は人を大切にする。経団連傘下企業のほとんどはカネがかかるとして、非正規雇用に血道を上げて経費削減することしか考えていない。安全への投資もしなければ、人も大事にしない経営者ばかりだ。どうして東電の事故が起きたのか、いままでの経営態度を一から見直す絶好の機会である。

東電、福島敷地内に原発増設計画

2011-04-05 21:32:21 | Weblog
3月11日発生の東京電力福島第1原発の事故はいっこうに収まる気配がない。原子炉の汚染水が海へ流出し、漏れている場所も確定できない深刻な状況が続いている。

そんな中、東電が3月末に国に提出した電力の供給計画書によれば、福島第1原発敷地内に7号機、8号機の2機を増設することが書かれていたという。これほど地元住民や福島県民、さらには国民の感情を逆撫でするものは他にない。

3月末といえば、高濃度の放射性汚染水が建屋外に漏れ出し、対策にお手上げの頃だった。たまりかねた勝俣会長が廃炉の方針を口にした時期でもあった。

すでに収拾のつかない状況のときに、あえて原発2機増設の計画を提出したことは、なんらかの下心があったはずである。大災害を起こしたことを反省し、増設計画を取り下げなかったことに恣意的なものさえ感じる。

東電が国の出方をうかがうような、傲慢な態度には国との癒着が思い浮かぶ。国は東電がどういうつもりで、増設計画を出したのかきびしく追及し、国民に明らかにする必要がある。

政府は原子力委員長を解任せよ

2011-04-01 18:50:32 | Weblog
世の中いい加減な人間はあまたを数えるが、原子力安全委員会の斑目春樹委員長ほど、いい加減な人物はいないだろう。東電福島原発事故は発生から3週間経っても、沈静化のめどさえ立たない状況が続いている。この惨状を招いた直接の原因は、電源ケーブルが切断したことと非常用の冷却用ポンプが作動しなかったことにある。

斑目は07年に中部電力の浜岡原発をめぐる訴訟の中電側証人として出廷。原発で非常用電源がすべてダウンすることを想定しないのかと問われ、「割り切りだ」(3/26朝日新聞)と反論したという。

そして、「あれもこれもと言っていると、設計ができなくなってしまう」(同)。さらに「我々は謙虚だ。聞く耳を持っている。地震が起きたら大変だという抽象的なことを言われても返答のしようがない」(同)と発言している。要するに地震で原発の電源が失われることなど考えてはいけないというものである。危険を予測できない男である。同時に相手を小馬鹿にしたような発言と態度から、高慢な男との印象も受ける。

斑目を委員長にしたのが間違いだった。原子力安全委員会は原子力についての安全を確保するための企画や審査をする機関である。そのトップの斑目が原発推進派で、電力業界の広告塔だったからである。

公平であるべき委員長が国会の同意人事で一方的に決められた。斑目を起用した民主党議員たちの「伏し穴」にはあきれるばかりだ。原発の事故後、菅直人首相とヘリコプターで現場を視察した以降は、調査やアドバイス等で一度も現地に足を運んでいない。いったい何をしてきたのか。

斑目には高額の報酬が支払われているとのことである。自己の職責を放棄し惰眠をむさぼり続ける、斑目に血税が注ぎ込まれていることが悔しい。政府は役に立たない、「税金ドロボー」を即刻解任することだ。