活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

東電、汚染まみれの企業体質

2011-04-13 22:36:53 | Weblog
福島第一原発で重大事故を起こした東京電力が心から反省しているのか、疑わしい事態が生じている。

福島原発周辺の被災者は、県内あるいは県外に難を逃れるための避難生活を余儀なくされている。「無一文」「着の身着のまま」の避難者は相当数に上る。一時帰宅しようにも立ち入りが制限され、かつ被曝する危険性があることから、身動きのとれない状況であることが察せられる。

原発事故も最悪のレベル7に引き上げられ、収束どころか手に負えない状態である。このことは、長期間の避難生活を覚悟しなければならないことが示唆される。東電は生活支援金として、百万円を仮払いするよう政府から要請を受けたが、いまだに対応していない。加害者としての誠意はまったく感じられない。

なぜ対応しないのか。聞くところによれば、法的根拠のない支出は、株主から訴訟を起こされることが念頭にあるからだという。

ふざけるなと言いたい。事故で住む場所を奪って生活困窮に追い詰め、示談解決するまで、仮払金の支払いに応じないことに不誠実な東電の姿も見え隠れする。この事故は賠償金も多額になり、東電だけでは支払い能力を超えることから、株主にも不足分の損害賠償を求めるべきと考える。

経団連傘下企業は東電を始め、盛んに株主主権論を展開してきた。株主は経営者と同様、高額の配当金を手にしてきた。その株主がこんどは経営者としての立場を捨て、東電が賠償金確定までの間、仮払金を支払うことに異議を主張していることは強欲という他ない。本末転倒のことである。

東電は株主のことなど気にしないで、つべこべ言わずにさっさと支払うことだ。示談金支払いで金庫が底をついたら株主に負担させればいい。それでも足りなければ解体し、国の管理下に置かれることも結構なことである。

東電と株主だけが分け前にあずかり、従業員を粗末にあつかう新自由主義経営の行き着く先ではないか。安全への投資もできない企業に存在価値はない。