活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

気になる強欲経営者の私財寄付

2011-04-10 21:30:02 | Weblog
3月11日の東日本大震災は未曾有の大災害となった。ほぼ1ヵ月経った現在の死者行方不明者は27千人、避難者は164千人を数えている。

地震と同時に発生した東電福島原発の事故は、いつ収束するのか見込みの立たない状況が続いている。

住む場所を追われ、避難生活を余儀なくされている人たちの模様が放映されるが、その姿は痛々しい。一刻も早く元の生活に戻れるようにと願うばかりである。

このような中、少しでも被災者に役に立つようにと、義援金や日常生活に必要な物資が、続々と国内外から届けられている。

日本ではユニクロと楽天の両会長、ソフトバンク社長が高額の私財を寄付したことが話題をさらった。創立の比較的浅い企業の経営者ばかりである。見上げたものである。

ところで日本を代表する経営者が上記3社以外、高額の寄付に応じていることは聞こえてこない。社会に恩返しする気はないようだ。

大企業がリーマン・ショックから立ち直れたのは、使い捨てできる非正規雇用を採用。人件費を削った結果のものである。特にトヨタ、ニッサン、ホンダ、ソニー、キャノンなどの製造業は人件費削減の効果で業績も急回復。その荒稼ぎぶりが注目されたものだった。

業績の貢献に寄与した従業員や非正規社員に、給料アップで応えることもしないで株主には高額配当し、経営者たちも高額の報酬を手にした。利益を山分けしていたのである。

これらの経営者は人を大切にしない。世間は自分さえよければの強欲経営者と呼ぶ。

私財寄付は決して強制するものではないが、人の痛みを理解できないケチな経営者という、そしりはまぬがれない。他人の目はきびしいからだ。

地位や名声に応じた寄付をすることは、最低限の常識でありマナーでもある。こういう時こそ社会貢献できるチャンスだが、多くを期待することは難しいのかも知れない。なにしろみみっちい経営者ばかりだからだ。