Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE1137. 知的DNA

2015年03月25日 | field work
 画像は、滋賀県立大学の模型である。真ん中のカスケードで仕切られた内側の建築が内井昭蔵のデザイン。その周囲の学部毎の建築群が複数の建築家によるデザインである。
 つまりデザインガイドラインを最初に作り屋根形状や素材を決めてから一連の建築群がつくられた。参加する個々の建築家のデザインを活かしながら全体の景観的調和を図ろうというものである。これをマスターアーキテクト方式と呼ぶ。多摩ニュータウンのヴェルコリーヌ南大沢で用いられたときの方式でもある。画面の左下に僅かに見える長谷川逸子さんのデザインによる体育館もある。
 周囲の建築群の屋根勾配をみると、日本の民家に近いモノがあるが、中央の内井昭蔵の屋根勾配は少しばかり違う。そうこれは明らかにヨーロッパ建築の屋根勾配に近い。だからどこかヨーロッパの街並みを感じさせてくれる。そこに幼少期から教会建築で育った内井昭蔵の上品な個性がぬきんでているようにもみてとれる。
 それにしても良いキャンパスだな。私の出身大学は、槇文彦さんのデザインだった。大学のキャンパスは、やはり建築家の優れた個性が表出しているほうが俄然面白い。多分建築家の空間的DNAが、教わった私達の意識の中にすり込まれているようでもある。
 さて今日は私の大学でも卒業式である。修了生や卒業生達は、どんな知的DNAを引き継いで社会にでてゆくのだろうか。

滋賀県・彦根市
OLYMPUS E-M1,LEICA.DG.SUMMILUX25mm/F1.4
ISO200,露出補正-1/3,f/2.2,1/200
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« PEN LIFE1136. 内井昭蔵 | トップ | PEN LIFE1138. 春の夜の夢 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

field work」カテゴリの最新記事