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Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ヴァーチャルアイランド・プログラム6.

2009年01月08日 | Design&3DCG
 プライベートテラスの話を続けよう。ストーリーでは、ヴァーチャルアイランドという環境があり、そのなかにグリフィンリゾートアイランドホテルという建築があり、その一角にこうしたプライベートテラスを設けたのだから、これまでに紹介してきた島全体の3DCGのなかにテラスを設けることは自明の理なのだが、ここではそうはしていない。これまでに紹介してきた3DCGのなかで制作すると、データ量が俄然重くなる上に、制作の生産性も悪くなり、リンダリングの時間も相当にかかる。そこで別ファィルで、このテラスの部分だけを制作したのがこの写真である。ここでは3DCGの環境では、空中にテラスが浮いている案配になる。風景の中にグリフィン・リゾートが入り込まなければ、こうした方法で構わないだろう。このような方法は、映画の美術制作時の考え方なのだが、ストーリーがつながっておればよいのであって、そうした細かな風景ごとに制作して、あとで、例えば編集時につなぎ合わせることができることを想定した制作方法である。
 strataでテラス周りだけの建築空間をつくり、VUEに読み込み、材質と植栽を設定した。そしてベッドやテーブル類は、ソフトについてる既製品オブジェクトを用いて配置しただけである。制作にそんなに時間はかからない。制作以上に時間をかけたのは、レンダリングである。要は撮影であるから、気候の設定やライティング、樹木の配置、そしてモデルを組み込んで、どんな絵にするかという点に、オブジェクト制作以上の時間をかけた。
 いつも述べているが、3DCGでは、オブジェクトを制作し、お決まりのアングルでレンダリングして、はい終わり、というわけにはいかないのだ。やはりストーリーに適ったレンダリングとすべく、3DCG上の様々な設定の中から、最適と思われる風景をつくりあげてゆくことが、大切なポイントなのだ。それして、十分な時間が必要なのである。それは、映画やCMの撮影とどこか似ているようだ。

制作年:2006
コメント
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