京料理 道楽のブログ

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【鮭】

2009-11-12 | Weblog
知床の美味しい鮭をいただき、『秋味』を満喫しました。
新鮮な魚体はウロコが全身ビッシリと銀色に輝き、エラは鮮明な赤色、尾鰭もきれいです。
まずは、ルイベと昆布締めに。それから塩焼きです。生食は寄生虫の危険があるので、一旦冷凍してからお刺身に。適度に脂がのってすこぶる美味。昆布締めは、塩をあて暫くおいてお酒で洗いお昆布にはさみます。塩焼きは炭で焼いて、たっぷり大根おろしを添えて。舌にひろがる滋味は、正に日本古来の醍醐味。
頭の軟骨は薄切りにして塩をあて三杯酢に浸け、針柚子を添えて「氷頭(ひず)なます」に。コリコリした食感でおいしいです。
アラは塩をして、大根・里芋・金時人参・九条葱と三平汁に仕立てます。
中骨のわた(腎臓)は、藻塩を強めにして毎日混ぜて「めふん」にしときます。烏賊の細作りなんかで「めふん和え」に。
残りの身は、味噌漬や塩鮭にしときます。
鮭は川で生まれ、大海原を泳いで育ち、ふるさとの生まれた川に帰ってさかのぼって産卵する。実に摩訶不思議でドラマチックな一生です。
川をのぼると脂も落ち、傷だらけになるので、川に戻って来る河口のねきの海で穫れたんを最上とします。