書道家Syuunの忘れ物

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坑道の「かなりや」にされた日本経済に嘆く

2008-09-21 01:35:55 | 日本の経済議論

坑道の「かなりや」にされた日本経済に嘆く


日本経済の議論を聞いていると、日本の景気を良くしたいのかそれとも、消費社会を止めて大きな政府の社会主義国にしたいのか良く分からないところがある。
今までの日本経済の失敗について、経済学者は分析をしたのだろうか。
バフル絶頂期にNHKは2時間の特番を作って、バブルの終焉、要するにバブル潰しにはどうしたらよいか議論させたものだ。
その時に引き合いに出されたのが「チューリップ事件(1637年 オランダ)」オランダに発生したチューリップ騰貴というもの。
しかし、国民の70%が資産として持っている土地資産の騰貴を中心として金が日本中に
ばらまかれたのと、17世紀のチューリップ事件では経済の規模が違いすぎる。
NHKで議論した人々というのは、米国経済を学んで土地の価格を経済指標から無視した人か、マルクス共産主義から土地所有者をヨーロッパ貴族と見立てて嫌悪したかと言うものだった。
実際のところ、この土地騰貴が地方にも拡大した背景には土地の取引税が高額だったことが背景にある。
税制の時期にもよるが、長期所有で凡そ譲渡益の四分の一強の分離課税、ケースによってはその上に総合所得としての課税もあった。
長期譲渡の控除額は当時は5%又は、わずか100万円。
実は、この譲渡所得が安ければ大きなバブルは起きなかったかも知れないと言う部分がある。
なぜなら、この税を逃れるために「買い換え特例」を使ったからだ。
土地を売った代金で、土地、建物を購入する。そして、値段が上がればそれを売って又買い換える。
こうして、土地は騰貴になった。
その時マスコミ、学者、官界、政治家が言っていたのは、「土地を売らせるな」だった。
土地売買を規制すれば、土地の価格は下がる。
それには土地を供給しないこと。
しかし経済の原則として、中学校で「需要と供給」ということを誰でも習った。
供給が減れば、益々土地価格は高騰する。土地騰貴は止まらない。
それで、総量規制で強制的に土地取引を停止するわけだが、以前言ったように、当時通達を出した銀行局長はバブル崩壊後の大不況に陥ったときも、退任後も「総量規制通達」は正しかったと譲らなかった。

日本人感覚としては普通、当時の香港(?邱永漢氏言)の様に譲渡税が5%ぽっきりならば、誰だって税金を払って現金で持っている。
そして、期限を設けず必要な不動産だ購入ればそれで足りるというものだ。
日本人というのは、そう言う貯蓄型の人間性だ。
しかし、それを許さなかったののが日本の社会主義的税制。
それで、その古典的な社会主義的税制と土地神話破壊思想がバブルのハードランディングの原因になる。
今では、そのようなバブルのハードランディングは失政として明らかであって、その後の米国、中国でも日本のようなハードランディングをするところはない。
それならばなぜ日本は、今までどこの国でもしたことがないそんな実験をしたのか、今でも不思議だがその検証はNHKでもやる気配はない。
そして、当時の責任者は「責任はないと嘯いて」帝国陸海軍の将軍のように居直るというのはどうしたことか。
戦記物を昔相当読んでいて気がついたことは、責任者がしらばっくれて責任逃れをして居直るというのは、前の戦争中の帝国軍隊と戦後の中央官庁の官僚達のような気がする。
特に欧米の戦記物を読むと、敗戦の場合は当然責任者には責任を取らせるが、その敗戦の分析をして何が原因だったかを探求する。
それで、あの零式戦闘機(レイ戦、ゼロ戦)が完全に制覇された。

さて、今の日本経済を見てみるといささか妙な感じは否(いな)めない。
なぜかというと、日本の景気に関係なく米国の景気次第で日本の株価が動くという、いや連動していると言う不思議さだろう。
はっきり言って、日本の株価というのは日本経済に全く連動していない。
その理由ははっきりしていて、この前政府・日銀の保有額のファニーメイFNMAとフレディマックFHLMC債権保有額が8兆円規模であることが判明しているとおり、日本の金のほとんどが米国に吸い取られて日本に金がないという状態によるもの。
(2008/09/19の参院委では民主党の大久保勉氏が、米連邦準備理事会(FRB)の資料を基に、日本の公的部門と民間部門が保有する米2公社の債券が2007年6月末時点で約24兆円に上ったと指摘。一方、日本の民間が保有する米住宅公社債は16兆1000億円との金融庁資料を用いて、差額を算出。)

そして、その投資された金が回り回って、日本に環流して日本の株や不動産を買うというファンドに成り代わる。
そう言うファンドはほんの少しの利益、為替変動でも益が出れば動くから、翻弄されるわけだ。
いわゆる投機資金。
そして今、妙なのはこれだけ米国の金融危機になっていながら、日本円は105円程度で止まっている。本来なら100円割れは当たり前の筈。
そして、日本の公定歩合が大不況の米国より1.5%も低いと言うことだろう。

公定歩合という日銀が決める金利の基本だが、金利が安ければ「金が動いて」資金が流動化して景気が上がるというのは、日本では通用しない。
本来こういう考え方は、いわゆる預金などしないで借金ばかりしている米国人に通用する論理だろう。
だから、日本人などのように住宅ローン、サラ金は兎も角も本来借金よりも預金をしたがる国民性から見れば低金利というのはガンだ。
結局、金利という金が回る潤滑剤がないというのは、潤滑剤(金利)を求めて海外投資に走り、日本には金がなくなると言うことになる。

それにしても、日本から出た金が回り回って日本を苦しめているというのは、日本人というのは余程自虐趣味と見られて良いのだろう。
今回の米国に対する金融不安を見てみれば、巨額の現金を日銀は米国に供給し、一方日本には金がないというのは、日本の経済政策というものが如何におかしいか如実に分かるものだ。

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