書道家Syuunの忘れ物

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日本のデフレ脱却を説く頭の固い経済評論家達

2009-11-09 07:01:40 | 日本の経済議論
日本のデフレ脱却を説く頭の固い経済評論家達

日本のデフレはこの秋口になってから驚くほど進行している。しかも従前よりかなりの円高だから輸入品がかなり安く入ると見えて益々値段が下がってくる。
11月6日「レンタルのゲオ、過去最高益を見込む 業績予想を上方修正」と言うのがあった。(http://www.asahi.com/business/update/1106/NGY200911060008.html?ref=goo
「新作のCDやDVDの売り上げは低迷しているが、7月下旬から始めた『旧作DVDレンタル100円』が当たった。8、9月の直営既存店のレンタル売上高は前年同月を上回った。」と言うものだそうな。
そのためか10月頃から急に他のレンタル店でも「旧作DVDレンタル100円」と言う広告が入ってきた。ゲオは最近行ったことがないので調査未了だが、安くなったある店は本当に安いのかと立ち寄ってみた。
なんのことはない旧作というのは半年前のもので、種類も量も少なくてほとんどが「準新作・新作」という300円のものだった。
毎日「旧作DVDレンタル100円」でない店はそんな欺瞞に満ちた事はしていなかったが、つまらぬ末端のところまでデフレは来たようだ。
イオンに行ってみれば、上等なスーツ(背広)が2着で19,800円。別のところで3着で幾らというものもあった。

近年の経済評論を見てみると、相変わらず二つのことしか主張していない。
それは、「円高が悪い」、「日銀が思い切った量的緩和政策」しないというようなことに尽きる。
それで藤井裕久財務相の円高容認発言を「円高が生活を破壊する時代に入った。」と主張する評論家もいる。
そう言えば、まだ米国がサブプライムローン問題など何も想定していなかった5-6年前の日本の大不況時代。
「円安になれば景気が良くなる」と米国の経済学者や米国かぶれの経済学者が散々主張した。しかし、蓋を開いてみれば円安で景気が良くならなかった。
それどころが低金利に嫌気を差した国民の金が海外へ投資され、大損した話を聞いたりした。結局、景気が上場企業を中心に良くなったのは米国の住宅バブル。
日本の金が国内に投資されなくて、廻りに廻って米国やEU諸国の金融資本主義を標榜する国々を潤した。
何と言っても、日本から低金利で金を借りてくるだけで儲かったのだから笑いが止まらなかったろう。
その景気、斎藤精一郎氏(NTTデータ経営研究所所長・社会経済学者)に言わせれば「牛に引かれた」好景気と言われている通りである。
今や、米国も転けたとなれば「円安」になっても輸出が増えないというのは誰でも分かることだが、何も思い付かないから先祖返りして又「円安になれば景気が良くなる」という。
そして、「日銀が米中並みに、ふんだんに円資金を金融市場に流し込む思い切った量的緩和政策である。」と又一つ覚えの考えしか思い浮かばないというのは不思議でならない。
今まで日本は10年以上に亘ってゼロ金利又は、低金利政策を続けてきた。
その理由は、低金利によって市場に資金を供給すると言うものだか、実際は高金利で借りた金の返済に企業は汲々とし、新規事業には参入しなかった。
それで金融機関は、サブプライムローン問題以前は、米国などの投資ファンドに貸し込み「円キャリートレード」と言う問題を起こした。
サブプライムローン問題以後は、世界中が低金利になったから金融機関は、日本の国債を買っていると言う状況である。
ハッキリ言えば金融機関は「ゼロ金利」で借りたものを、例えば長期利付国債(固定・10年)(個人)だと1.5%で廻せばそれだけで儲かるわけだ。
これなら無理して民間に貸し出す必要などはない。
「円キャリートレード」だって、日本の中小企業に貸し出すより簡単に稟議は通ったはずだし充分儲かったはずだ。
ゼロ金利政策というのは、なんと言うことはない日本の市場に資金を供給するのではないと言う事が明らかになっているではないか。
実際、低金利政策は金融機関はリスクが取れないために貸し出しを難しくしている。
そう言えば、高度成長期、石油ショック後でも銀行ローン年10%など言うのは珍しくなかった。
今のデフレというものは、日本が長期に亘って「低金利・ゼロ金利政策」を続けてきた結果であるというのは明らかだろう。
もしそうでなかったら、年金が破綻するとかお年寄りが年金で食べられないとかと言う問題も解決していたかも知れない。
健康保険組合が解散すると言うこともなかった。
そして、サブプライムローン問題以降回復が一番遅れているのは、この「低金利・ゼロ金利政策」のお陰で巷に金がなくなったということに尽きる。
「日銀が米中並みに、ふんだんに円資金を金融市場に流し込む思い切った量的緩和政策」で景気が上向いた訳ではないのは明らかである。

経済学者が、日銀にゼロ金利を要求してしかも「思い切った量的緩和政策」をしても金融機関で止まり、市場に実際流れていなければ意味がないこと。
以前から仮説としてデフレ脱却のためには年利4%の政策金利を主張してきたが、それによれば少なくとも毎年約40兆円はなくなっている勘定である。
政府の税金としては、約8兆円だから余裕で予算が組めるというものだ。

ここで考え方を改めなければならないというのは、「低金利・ゼロ金利政策」というのは元々経済の教科書に書いているわけではなくて「未知の領域」だったはずである。
その未知の領域を日本は率先して実験をして、長期の不景気、デフレを招いている。
そんな低金利・ゼロ金利政策では、「多少の金利の上下」や「マネーサプライの増減」では全く経済が動かないと言う事は今までの日本経済が証明している。

EUや米国の景気が上向いているというのは、低金利・ゼロ金利政策になったのは最近のことで元々高金利政策だった事である。
そして、日本は景気に左右される民生品の生産なのに対して、米国、EUは軍事品の生産を主としていると言う事も考えなくてはならない。
今の中東の戦争というのは実は欧米にとってメシの種であり、安い武器は中国の独占場でもある。

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