福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

難局

2007-03-12 01:15:00 | 南極

ある編集者から原稿の督促が来てしまいました。すっかり締切日を失念していたと言う次第です。お恥ずかしい。緊急に対応しなければならない案件が重なってしまうと、大失態を招くおそれがあります。要注意!

原稿書きも、筆がのるときもあれば、そうでないときも。遅筆で有名な小説家と言えば、井上ひさし。彼の作品のなかから、印象的なひとつをあげるとするならば、『四千万歩の男』でしょうか。江戸時代の地理学者「伊能忠敬」を題材にした小説。歩測で緻密な日本地図を作り上げたことで知られていますね。小説では、蝦夷地でのあれこれが描かれていて面白い。この小説を通して、当時の蝦夷地の自然や文化などを想像してみてみるのも良いかもしれません。エピソードのなかでも、興味がそそられたのは、伊能忠敬と間宮林蔵との関係。小説のなかでは、間宮をちょいワルとして描いています。

それにしても、歩測で正確な地図を作り上げるのは至難の業だと思います。それ01_6502_36は、試してみると明らかです。南極観測隊員になるためには、いくつかの訓練を受けなくてはならないのですが、その一つが冬の乗鞍高原でコンパスと歩測で目的地に辿り着くこと。道なき雪原を掻き分けて行かなければならないのですが、まさに、小松左京原作の映03_1804_6画『復活の日』の主人公(草刈正雄)のようです。ヘトヘトになって辿り着いた場所は、数百mも目標からずれてしまったのです。

あの冬期総合訓練から早2年。先週、この11月末から出発する第49次隊の訓練があったとのこと。どんな方が隊員になられるのでしょうか? 

そんなことを考えていたら、国際南極大学担当のAさんから、提出すべき書類の督促が届く。

いよいよ、難局にさしかかりました。うーむ、ブログを書いている場合でないな。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
南極観測隊員になるためには訓練が必要なのですね... (Eugen)
2007-03-13 23:56:52
南極観測隊員になるためには訓練が必要なのですね。そのような難局を乗り越えねばいけないとは初めて知りました。宇宙飛行士のようですね。





返信する
Eugenさま (福井)
2007-03-15 00:28:57
Eugenさま

南極観測は危険が多く、病気や怪我になっても十分な治療を受けることができません。したがって、観測隊員になるためには種々の訓練を受けなければなりません。冬期に行われる訓練は、ルート工作の他に、鯖威張る訓練やビバ-ク訓練などもあります。いつか、このブログでご紹介いたします。

また、訓練の他に身体検査も結構厳しく、宇宙飛行士の身体検査を行っている病院で行われます。
返信する

コメントを投稿