キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

春宵一刻値千金

2020年03月10日 | Weblog
昨日とは打って変わり、抜群の天気だった。
それでも朝からやったことはほとんど同じで、JA湘南へ行ったものの、帰ってから昼まで本の整理をした。
昨日丸一日、本を運んでいたので腰がかなり痛くなっていて結構やばかったが、二度二階から本を下ろしてきて、玄関先ではたきをかけ雑巾で拭いて本のクリーニングをした。
もちろん今日もまた、かなりの時間奥付けを見たり、頁を捲ったりして内容を見たりしていたが、飽きないもんなんだよ。
植草甚一の本が10冊ばかり纏まって出てきたが、この人、僕が高校時代抜群に人気があって、未だに団塊の世代に人気があるんだろうねえ、古本価格が下がらない。
所謂趣味人で、英語が出来たからハードボイルドを原書で読み、ジャズの情報もアメリカ仕込みで、散歩が趣味で街の散歩だから洒落た店があると入って何かしら買う。もちろん古本屋へも寄る。
基本的にはアメリカポップ文化の紹介者だったようだが、下町生まれで育ちだからある種の批判があったのかもしれない、本を買いだめしたが数冊しか読んでないので全容はまだ分からない。
随分とジジイだったのに若者に凄い人気だったな、当時の若者は年長者に対する敬意が今よりあったんだろう。今じゃジジイは歯牙にもかけられない。
買ったことをすっかり忘れていた永井龍男の雑文集、今でいうエッセイ集2冊と川崎長太郎の短編集1冊が出てきた。
永井龍男は文章が一番巧いんじゃないかと思うが、好みなんで贔屓目なのかもね、川崎長太郎は小田原高校の先輩で小田原が舞台の短編が多く、文章は独特で、下手だという人もいるが好みというのは足かたない、止められない。

娘たちがスペインへ行っているので、妻が山の上の家まで行き猫の世話をして昼過ぎに帰って来たが、昼飯のアイディアは無しだった。
だいたいこういった時は、残った飯で炒飯になるかインスタントラーメンになる。
子供の頃から日清カップヌードルとサッポロ一番塩ラーメンを食べつけていたので、月に一度このどちらかを無性に喰いたくなることがあるが、炒飯になった。
叉焼のストックが何時も大量にあるから、それに玉葱、葱、卵で炒飯を作り、人参、白菜、えのき茸でスープを作って食べた。

昼飯で1時間休んだが腰が重いのが治らなかったのでプレシネを観てさらに休むことにした。
黒澤明の「蜘蛛巣城」は前に観たような気がしていたが初めてだった。
でも詰まらなかった。

やや腰の状態は良くなったが、まだ芯が重かったので本が無くなった後の床掃除をした。
埃とゴミと落下物で酷かった。
ベッドの下からは、毛布、スリッパ、杖、カネ、乳液、キンカン、ハンカチ、USB、色鉛筆、名刺、カタログ、靴下などが出て来た。
一昨年、抽斗の整理をしていたら49万円入りの封筒が出てきて雀躍したが、今回はコインだけだった。

二階から一度だけ本を運んで、4時半過ぎに大磯方面へ散歩に出た。
ストレッチをやる公園にJKが数人集まっていた。楽しそうだったな、コロナのおかげだ。
相撲をまたも忘れていて、気が付いたので慌てて帰って来たが5時半で、しかも白けた会場なんで観た気がしなかった。

頼んであったZARDのCD「The Sinngle Collectionー軌跡ー」1999年5月28日が着いていたのでパッケージを開けてみたが、クルージングコンサートへの応募はがきが入っていて感激した。
このCD300万枚売れたが、初ライブへの応募はがきが同封されていて、100万人から応募があり8月31日に行われたクルージングライヴに抽選で600人が選ばれた。
その後ライヴをやったが、この時がファンの前に姿を現した初めで、おカネを出してもチケットが買えない訳だから伝説のライヴと言われたらしい。
この間、大船の居酒屋の親方も応募したが外れたと言っていたやつだ、簡単に1999年に時間旅行が出来たわけだ。
寝るまでに3回繰り返して聴いたがあ、これだけCDを買うと同じ曲を何度も聴くことになるが、シングルで出したとき、アルバムに入れたとき、ベストアルバムで採録するときに編曲を変えているので、その微妙な違いを聴いているのが愉しい。
古本をクリーニングしていると、チケットやメモや領収書などが入っていてこれと同じ実感旅行の感覚になるが、玉手箱を開けるのは悪い事ばかりじゃない。

晩飯は鳥取の鰤の刺身、相模湾のメジナの刺身があったので「菊正宗純米辛口生酛」を燗して呑んだ。
特に鰤が美味かった。場所に拠るのか時期に拠るのか分からないが、同じ日本海の氷見の鰤とは違って淡白な美味さだった。
牛肉のアスパラ巻き、牛肉の冷しゃぶ、牛肉と葱のソテ、スティックブロッコリー。
多分妻が牛肉を買い過ぎたんだろうなあ。
アスパラ巻きとブロッコリーが美味かった。

ホワイトホースを持って母の居間に移動して新宿のマリアの番組を観た。
愛する兄を陸軍で命令を拒絶し上官に殴り殺されたことが権力に対する反感になり、その後の人生の指針となった。
おでんの屋台、報道カメラマン、クラブママ、ブラジルでの図書館など幾つか生業を転々としたが、何時も反権力が根底にあり、当然苦労も多かったことだろうが、86歳にしてゴールデン街のママに戻り咲き、昔の仲間と若い人に囲まれ清々しい人生を送っているように見受けられた。羨ましい。

こういうのを観ると、そして新たなCDがあり、自然とコニャックに手が伸びてしまうんだなあ、というよりこういった時のためコニャックははあるんだよ。
部屋には白百合8輪が開花して強烈な芳香が漂っている、春宵一刻値千金、眠るには惜しい春の夜だ。




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