キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

赤江・ガウディ・バイオエタノール

2007年02月10日 | Weblog
思えばバルセロナから帰って今日が初めての完全休養日です。年のせいで疲れたのかと思っておりましたが、働きすぎが原因ですね、この疲労感は。生憎今日の湘南は曇り空、これも久しぶりのことです。長い間ぽかぽか陽気ばかりで、このどんよりした冬の感じはそれなりに良いものです。

昨日羽田からYCATへバスで帰ってきて、横浜駅ビルの有隣堂へ立ち寄って本を眺めましたが、光文社文庫から赤江瀑短編傑作選”禽獣の門”<情念編>が発売されており早速購入、家まで待ちきれずに帰りの電車で読み始めました。来月発売の<恐怖編>で完結いたしますが、何時も面白い企画をやってくれる光文社の篠原睦子さんには大変感謝いたします。この後もぜひ入手しにくい作家の作品集の企画をお願いしたいものです。赤江さんの本の中にはめったに酒が出てきません。この短編集の<幻想編>の一編にワインが登場するだけです。日常から非日常への出入り口は能、刺青、歌舞伎、花、血、情欲などがお好みで、酒の力を借りる必要が無いのかもしれません。

家に帰ってニュースを眺めておりましたら、最近訪れたところの話題が二つありました。バルセロナでアントニオ・ガウディのトカゲが心無い青年の手で壊され無残な姿が映し出されていました。青年の心の中にはそうしなければならなかった事情があったのでしょうが、ガウディの才能を目の当たりにした私としては残念でした。

沖縄から船で30分の伊江島はバイオエタノール用のサトウキビの栽培で登場いたしました。那覇の試飲会にこの島のホテルの方がわざわざ前泊して参加してくれたので記憶に残っています。それまでこの島の名前は聞いたことも無く知りませんでした。バイオエタノールはガソリンに混ぜて車の燃料にするとの事です。たしか太平洋戦争末期に航空機の燃料として、実際にこの混合燃料が使われました。当時も南方の島のサトウキビからエタノールを造るとの事で技術者が南方に送られたと思います。60数年を経てまた燃料としてエタノールが注目されているようです。

ここのところ悪役として嫌われているアルコールに新たな役割が加わり、社会に貢献できれば、アルコール製造メーカーも技術者も大いにこの仕事に誇りが持てることでしょう。しかし、大きな力によってワインが全て蒸留されエタノールにされてしまう日が来ないよう、くれぐれも注意をする必要があります。

我がイナリヤト食文研のワインとビールはこちらからご覧になれます
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