小室直樹は随分前から官僚の腐朽について警告を発していて、特に財務省と外務省の普及についてはその構造から内実をあからさまにしているが、指摘したところでこの数十年改まった様子はもちろん無く、さらに悪化している。
だが時々、省益の論理から外れた人が出て、国益を慮って発言をする。
山上慎吾がその人で「日本外交の劣化」で、外務省の体たらくぶりについて詳しく書いている。
今年5月に発売された本で、人気があり、平塚図書館に予約して2か月くらい掛かって、ようやく借りることが出来た。
前書きの所から上司である次官を実名を挙げて厳しく批判していて、ああこういった気骨のある人が外務省にもいたんだなと、大いに誇らしく思った。
40年前に結婚をしようと思っていた女性が居て、すっかりその気になっていたが、結局外務省の男と結婚してしまったので、大きな私怨を外務省に対して持っている。
その相手が山上慎吾のような人物であったら、すんなり諦めていたな、きっと。
付き合いが無くなった後に、風のうわさで見合いをして結婚したと聞いたので、どのような人物か知らないから怨みを持つ所以は無いんだけど。
そこが女々しい男のダメなところで、何時までも根に持っている。
若い頃から外交についてもっと真剣に考えなきゃいけなかったが、これがネックとなって大いに遅れてしまった。
政治経済歴史社会を学ぼうとすれば、すべてに外交と云ったことが出て来るのだが、外交官としての意見や考えかたは、辛うじて佐藤優から学んだ程度だ。
まあ、自分が生きているその瞬間を時代の激変期だと皆さん思うわけだが、アメリカの力が落ちて中国が台頭したものの、内実は火の車かも知れず、インドやロシアが相対的な影響力を増していて、この先世界がどうバランスされてゆくのか見極める必要に迫られている今、現場で働いた人の意見はかなりい大きな比重を占めると思う。