キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

シラス丼

2019年04月18日 | Weblog
実は一昨日の晩、関内からの帰りに茅ヶ崎で下車、「MABUYA」へ寄ってビールを飲んだ。
ママのなおちゃんから、凛が後4日で店を閉めて鎌倉へ移転すると聞いた。
凛へ通いだしたのは何時の事だったのだろう、10年にはならないが、まだ別の場所の二階にあったころで、客も少なくて隠れ家的な存在だった。
関内の駒の職人のFのオヤジが通っていたところで、茅ヶ崎で飲むにはどこがいいのかと彼に聴いたときに、彼が手伝いに通っていた「筍屋」と共に推薦された店だった。
常時20種類ほどの酒が置いてあり、出て来る料理は酒に合う肴で、お運びのオネエサンの一人が色っぽい湘南ガールAだったので、その子を目指して飲み友達の女性と二人で週に一度は通うようになった。
残念ながらAは色っぽ過ぎたのがいけなかったのか、色々あって居なくなり、店も過ぎ近所の大場所へ移動した。
そこへも足しげく通ったが、数年前に料理を作っていた男性が辞め、馴染みのあったお運びのオネエサンもや辞め、団体を取るような方針に変わったので何となく足が遠ざかっていた。


ビールを一本飲んで「凛」に流れて、ママのRに実家の来た鎌倉に店を出すのかと聞いたら、小町通の裏道で観光客を相手の店にするとのことで、やっぱり凄腕だなあと思った。
鎌倉は観光客で昼は賑わうが、夜の引きは早く6時にはガラガラの町になる。
昔は鎌倉文士が集った「紺屋」などの居酒屋が流行ったが、今は飲酒量が減っているうえに、若い世代は煙草と同じように飲酒はカッコ悪いと考えている人が多く、儲けを考えたら観光客を相手にしざるをえないし、幾つかの店が大いに流行って大儲けをしているのを目にしているからだろう。

SNSなどの浸透で、ほとんどの観光客は鎌倉へシラス丼を求めてやって来る、それに嫌気がさした飲食店のオヤジが、わざわざ「シラス丼はありません」と表に張り紙を出しているのを見かけるが、日本人がますます幼稚化しているのを見るは嫌なもんだ。
逆に考えれば、カネ儲けを考えるならその幼稚性を利用することだ。

ちなみに、子供の頃から、朝、浜で上がったシラスを食べているが、生は午前中でないと苦みが出てきて不味くなる。
釜揚げも喰いきれなかった生シラスを茹でて食べるのだが、その日の内に食い切るのが美味く食べる秘訣だ。
地元でしか味わえないものを広く案内するのはいいが、需要が供給を上回ると、広く全国からシラスを求めることになり、「名物に旨い物なし」になることを畏れる。
すでにその状況になっていないことを祈る。

ビールと酒を飲んでから、小腹が減ったので聡のところへ行き、ビールとウイスキーの水割りを飲みながら、茹雲吞、かた焼きそば、拉麺を食べた。

この晩は酒5~6合、ビール3杯、水割り1杯を呑んだので、翌朝酷い二日酔いになるかと思ったが、割と軽度だった。
朝起きて風呂に入り朝めしを喰って、JA湘南へ久し振りに自転車を飛ばした。
朝の空気を切って走るのは気分がいいもんだ、蕨、絹サヤ、八朔を買った。
午前中は娘と妻が茅ヶ崎のマッサージへ出かけたので、二階のベッドで横になり休んでいた。
昼飯を一人で作って喰ってくれってことなので、母には美濃屋で買った菓子とつけ揚げを出して、ロース肉を焼いて、胡瓜の甘酢、蕪と油揚げの煮物、つけ揚げ、とろろ昆布汁で昼を食べた。

食後に羊羹と落花生を食べ、お茶をもって母の居間に移動してプレシネを観た。
「ヒトラー暗殺 13分の誤算」2015年 ドイツ映画で、凄く面白かった。
実話に基づいて制作された映画とのことだが、あの時代ナチに反抗するだけでも大変な迫害を受けたのに、実際に時限爆弾を仕掛けて暗殺を試みた男がいたってことは何度でも映画や小説にして風化を防ぐべきことだし、2015年に作られたってことがドイツが日本よりこの部分で優れていることを強く感じた。
僕は小心で臆病、ビビりなので調子に乗って暗殺を試みるところまでは出来るかもしれないが、権力に拘束されて拷問を受けたら一発で言いなりの自白をしてしまうことが目に見えている。
小心者が暗殺なんて出来るかと思われるかもしれないが、小心ゆえに思いもかけないことをやってしまってから、ああどうしようってビビるんだよね。

この暗殺が巧く行っていたら数百万人の命が救われたし、日本も対米戦争を思いとどまっただろう。

夕方北へ向かい散歩に出た。
1時間ほど歩いて、風呂に入って、晩飯を食べた。
蕨お浸し、メジナの刺身、厚揚げ焼き、絹サヤ、蕪と油揚げの煮物、伽羅蕗、ハンバーグ。
「自然郷」を1合だけ呑んだが身体がくらくらした。






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