キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

いい人の裏側

2024年09月12日 | Weblog
愉しみながら読んでいた飯山陽「いい人の本性」が読み終わっちゃった。
イスラムの解説本と異なり、この本は世間にそれらしくまかり通った嘘を暴く本で、山本夏彦、高山正之の系統だな。
これに飯山陽を並べると、皆さん苗字に山がつく、それが何なのと云われても、ただの偶然に過ぎない。

20年前になるかな、山本夏彦に凝って、手に入る古書を手当たり次第買って愉しんでいた。
だが2002年に亡くなっていて新著が手に入らないから、この先無聊を慰めるのに誰を読めばいいかと悲観的な気持ちでいた。

週1回PCを教えに来てくれた還暦前後の先生と、今更PCを習ったところでどうにもならないので、何時も1時間ばかり珈琲を飲みながら雑談をしていた。
その折、この件を話したら、翌週高山正之を5冊抱えてやって来てくれた。
ね、PC教わるより余っ程ためになるでしょ。
しかも、これを契機に保守主義者の名前を芋蔓式に知ったような気がする。

それまではリベラル系の人のものを読んでいたが、どうも子供ぽいんだな、保守の人の大人の風情に魅せられて、西部邁、福田恆存等を熱心に読み始めた。

さて、「いい人の本性」に戻るが、飯山陽が何時も攻撃しているイスラム学者に東大先端科学技術センター教授の池内恵がいる、この人がどのように酷いかは、長くなるので本書に当たっていただくとして、この人、僕が好んで読んでいたドイツ文学者の池内紀の息子でね。
ドイツ文学系の一番の好みの物書きは種村季弘だったが、20年前に亡くなっちゃって、その後は池内紀の新著が出ると買っていた。
もちろん種村季弘を溺愛していたから、代理だったけど慰めになった。
ところが息子の恵の事を知ったら、とたんに読む気が失せてね。
親子は別の人格ではあるが、人間として恥ずべき行ないをする息子に、いくばくかの親の影響があるんじゃないかと思ったら、著書の中に引っかかる部分があったことを思いだした。

人間誰しも欠陥を持っているから、人のことをとやかく云えるわけじゃないが、それでも卑劣でさもしいのって、どうもいけない。


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