キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

八戸から

2013年01月25日 | Weblog
水曜日の昼のことだが、物を考えなくなった脳が身体だけは今のところ無意識に動かしてくれて、気がつけば鮨屋に座ってチラシを喰っていた。しかも首振り暖房機の前で暖かい。鮨、蕎麦、支那料理の繰り返しの昼だが、それでも穴子重が新しい昼飯のレパートリーに入っただけでも良しとするか。

喰い終わると脳が足を無意識の内に芳林堂に向けてくれる。次は自覚的に目を使うことだ、中公文庫の新刊が出ていた。しかもやけにそそるラインナップじゃないかと目を見張ったが、中公文庫40周年と銘打ってある、どうりで。
武田泰淳「淫女と豪傑」、深沢七郎「庶民列伝」、正宗白鳥「文壇50年」の三冊をとりあえず押さえたが、まだそそるものが数冊ある。これが毎月続いたらウハウハだが、中公文庫気合が入っているからやりそうな気配が濃厚である。
佐伯啓思「日本の宿命」新潮新書を前にどこかで見て買おうと思ってそれきり忘れていた。
永田和宏「近代秀歌」岩波新書も先日書評で見たので押さえておいた。

武田さんと深沢さんの本はここのところちょくちょく色々なところで出ている。こういった人たちのものが気軽に読めるのはあり難い。市場調査で採算が取れるだけの読者がいると見込んでいるんだろうが、どういった人が読むんだろうね。やはり俺のようなオヤジか、若い人が読むようなら日本の未来も明るいんだが。正宗白鳥はあまり読む機会が無い、岩波文庫に僅かにあるだけだなのであり難い。日本の文学の特徴は歌にあると思うが、戦後はあまり人気が無い、もっとも我々のような戦後教育を受けたものだけで根強い人気があるのかもしれないが、少し心を込めて読んでみようと思った。

今回のみちのく出張には「日本の宿命」をもってきた。新幹線の中、ホテルのベッドで読み進めたが、最近の佐伯さんは良い。既存の経済学の限界が見えてきたんだろうね。

今日はこれから仙台に向かう。



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