キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

辛口の酒

2011年08月30日 | Weblog
横浜の古書店で「その人吉田秀雄」文春文庫、辻堂の古書店で「雀の卵‐その他」講談社と二冊永井龍男さんの本を買い足しました。
ある人の本を買い集め出したら勢いがつくもので、何時もは目に入らない本が目に付くこともあり、取り合えず見かけたらよっぽど高額でない限りは買い求めておくようにしています。

「その人吉田秀雄」は電通の四代目社長の評伝で、永井さんにとっては異質な本ですが、優秀な経営者になりたいなと心のどこかで思っているのでしょうか、気がついたら読了しておりました。
読書はベッドの上で寝転んでしているので、文庫本が読みやすいですね。

吉田秀雄さんというのは今であればちょっとやり過ぎなところのある経営者ですが、戦後にはこのような破格の経営者が必要であり、短期間で電通という会社を大きく伸ばす事が出来たのです。
有名な鬼十則を久し振りに見て、30年前に横浜で仕事を始めたときの経営者が、これを援用していたことを思い出し、あの頃は今より時代が若かったんだなあと当時の雰囲気を懐かしく思い出しました。

先日来買い求めた単行本の箱入り美装本の古書四冊は本棚のお飾りにして、新潮文庫の「青梅雨」をひっくり返りながら再読しておりますが、永井さんの酒についての嗜好が窺われるところが何箇所かあり、それを総合的に判断すると基本的には酒がお好きのようです。
気温が高いときは冷で、寒いときは燗で飲んでいたようです。

永井龍男が三千盛をほめた談話がこのメーカーのホームページに載っていますが、辛口の酒が好みだったようです。
戦前のような辛口の美味い酒が戦後消えてしまったと嘆いているのを確か吉田健一が書いていたと思いますが、戦後は食糧難のせいか甘口の酒が好まれたようです。
永井さんも戦後の甘口の酒にうんざりしていて、岡山の親戚の家でこの三千盛に出会い、以後贔屓にしたようです。








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