キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

雑文集

2011年08月29日 | Weblog
先日会社の帰りに藤沢で途中下車して古書店により、永井龍男の古書を三冊買いましたが、雑文集とありました。
今ではこの手の本は随筆集と銘打たれておりますが、色々なところに色々な長さで書いた雑文を集めて一冊に編んであり、共通の主題は無く、名文であれば飽きずに最後まで色々な味わいを楽しめます。
当時、随筆はエセーの翻訳と考えられていて、モンテーニュのエセーが直ぐに頭に浮かび、思索のための文章でなければ随筆とは言いにくかったのかも知れません。
ましてや文章については厳格な永井さんでしたから尚更でしょう。

「カレンダーの余白」 講談社 1965
「ネクタイの幅」 講談社 1975
「身辺すごろく」 新潮社 1976


3冊とも箱入りで、46年から35年前の本ですから箱が破れていたり、本に染みがついたりしておりますが、読むのに差し支えは無く、価格は3冊とも¥525でした。
ネットで探せばもっと安く販売している古書店もあるようですが、本との出会いを大切にして、この店の棚にあった永井龍男の本は全ていただきました。

永井さんの物は多くが古本でしか入手できないため、纏めて読もうとすれば古書店で全集を求めるのが一番簡便なやり方です。
作家の研究や文筆業を生業としていればきっとそうするでしょうが、何しろしがないワイン業者ですから、古書店巡りで好みの本に邂逅するのを楽しみにしており、永井文学を味わうのが目的ですからこのような暢気なやり方が好ましいのです。
素人は勝手放題楽しんでいるうちが華です。

永井さんの文章は、雑文といえども手を抜いたところが無く、ちょっと拾い読みをしただけでも味わい深く、当分は楽しめそうです。
私もこのような駄文を毎日したためておりますが、一度で好いから簡潔で味わいのある雑文を書いて、人を唸らせてみたいものです。






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