キエフ・バレエ『ドン・キホーテ』(1月9日)-1


  忙しくてなかなか更新できないっす。申し訳ないっす。記憶から去らないうちに(でもほとんど忘れちゃったけど)書いちゃいましょー。

  今日、新国立劇場バレエ団の『カルミナ・ブラーナ』(4月)のチケットを取りました。ゲストとして予定されていたバーミンガム・ロイヤル・バレエのイアン・マッケイが降板して、あらたに同バレエ団のタイロン・シングルトンが出演することになったそう。

  新国立劇場バレエ団の『カルミナ・ブラーナ』については、私はそもそもゲストを呼ぶ必要はもうないのではと思っているから、特に異論はなし。もう自前ダンサーだけで充分に上演できますよ。

  ついでにジャパン・アーツのサイトに行って、アメリカン・バレエ・シアター日本公演『マノン』(2月)のチケット残存状況を見てみたら、おお、かなり余ってる!ぜひともこのキャストで観たい、というこだわりはないので、いちばん良い席が余ってたポリーナ・セミオノワとコリー・スターンズ主演の日を買いました。ポリーナ・セミオノワは、今はどこのバレエ団の所属なんですか?

  アメリカン・バレエ・シアターの前回の日本公演は、『ドン・キホーテ』もマクミラン版『ロミオとジュリエット』も惨憺たる有様だったから、『マノン』も大いに不安なのですが、演目の魅力には勝てず。

  さて、キエフ・バレエの『ドン・キホーテ』は今回、一幕ごとにキトリ役とバジル役が異なるという方式で行われました。ずいぶん前のマニュエル・ルグリのガラ公演だったか、世界バレエ・フェスティバルだったかで、『白鳥の湖』を一幕ごとに主役を変えるという形で上演したように覚えています。

  こういう形の上演方式はありだとしても、私個人はあまり好きではありません。混乱するから。まさかそんなことはないとは思いますが、たとえば、スタミナの問題でキトリを三幕通しで踊れるバレリーナが現在のキエフ・バレエにいないのが理由だったとしたら、『ドン・キホーテ』を今回の日本公演の演目に入れるべきではなかったと思います。


 『ドン・キホーテ』全三幕(2014年1月9日於文京シビックホール)

   音楽:レオン・ミンクス

   原振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー、K.ゴレイゾフスキー

   改訂振付・演出:ヴィクトル・リトヴィノフ

   美術:V.アレフィエフ、A.ヴラセンコ


   キトリ:ナタリア・マツァーク(第一幕)、オリガ・キフィアク(第二幕)、オリガ・ゴリッツァ(第三幕)

   バジル:デニス・ニェダク(第一幕)、ドミトロ・チェボタル(第二幕)、ヤン・ヴァーニャ(第三幕)

   ドン・キホーテ:セルギイ・リトヴィネンコ
   サンチョ・パンザ:ユーリイ・ロマネンコ
   ロレンツォ:ロマン・ザヴゴロドニー
   ガマーシュ:ヴィヤチェスラフ・ステリマフ

   大道の踊り子(第一幕):エレーナ・フィリピエワ

   エスパーダ:セルギイ・クリヴォコン
   メルセデス:オクサーナ・グリャーエワ

   森の女王:カテリーナ・カザチェンコ
   キューピッド:オクサーナ・シーラ

   キトリの友人:ユリヤ・モスカレンコ、アンナ・ムロムツェワ

   ジプシーの踊り:カテリーナ・タラソワ

   スペインの踊り(ギターの踊り):オレシア・ヴォロトニュク


   指揮:オレクシィ・バクラン
   演奏:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

   上演時間:第一幕 40分、第二幕 45分、第三幕 30分


  たぶん、エスパーダとメルセデスはダブル・キャストだったと思います。エスパーダは第一幕と第二・三幕でダンサーが違いました。第一幕は白い衣装、第二・三幕で踊ったのは金色の衣装のダンサーです。

  メルセデスも第二幕と第三幕でダンサーが違いました。ただしプログラムには、大道の踊り子としてエレーナ・フィリピエワとともにオリガ・キフィアクの名前が記載されていますから、第三幕でエスパーダと踊ったのは、メルセデスではなく大道の踊り子だったのかもしれません。ああもう、書いてて混乱してきた(汗)。

  『ドン・キホーテ』は、たとえば大道の踊り子という役がなく、メルセデス役のダンサーが大道の踊り子の踊りを兼任したり、第三幕のファンダンゴのリーディング・ダンサーを、別のソリストたちではなくエスパーダとメルセデス役が担当したりと、登場人物や担当する踊りが版によってかなり異なります。今回の公演では、キャスト表の不親切さが非常に目立ちました。次回の日本公演ではぜひ改善してほしい点です。

  いきなり第一幕のエスパーダに話がいきますが、エスパーダ役のセルギイ・クリヴォコンは長身、手足長し、きりっとした男前で、動きにもキレがあり、マントさばきも上手く、おお、こんな隠し玉がまだいたか、と感心しました。純白の闘牛士の衣装がよく似合います。

  クリヴォコンは13日の『白鳥の湖』でロットバルトを踊りました。キエフ・バレエが今回上演した『白鳥の湖』はワレリー・コフトゥン版で、ボリショイ・バレエが上演しているユーリー・グリゴローヴィチ版と同様、ロットバルトが踊るシーンがかなりありました。クリヴォコンの踊りには若干の不安定さはありましたが(あと振付が良くなかった)、非常にダイナミックですばらしいものでした。

  大道の踊り子はエレーナ・フィリピエワで、もちろんトゥ・シューズを穿き、ポワントで踊ります。正直言うとあまり記憶に残っていないのですが、音楽への合わせ方が絶妙なのと、揺るぎない安定した動きはさすがだなあ、と思ったことを覚えています。

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