ボリショイ・バレエ『スパルタクス』(1月31日)


  ああ、久々の感動ー!

  クラッスス役のアレクサンドル・ヴォルチコフの生腕と生フトモモが超ヤバイ!

  きれいな筋肉が付いた、形の良い長い手足 まさに理想 なんてセクシー

  ヴォルチコフの生腕と生フトモモに悩殺され、そして、しなやかな身体全体で美しい弧を描く、迫力満点のエビぞりジャンプ連発に即死。(ヴォルチコフ、後で派手に転んじゃったけど……)

  息を吹き返したあとは、ひたすらヴォルチコフの腕とフトモモばかり凝視してました。こんなにキレーな腕と脚を、でっかいフリル付きのシャツだの、ぶ厚いタイツだので隠すなんてもったいない。プログラムに載ってるヴォルチコフの舞台写真は、クラッススのやつが断然魅力的です。

  スパルタクス役のイワン・ワシーリエフは相変わらずでした。全力投球で一生懸命。本当にイイ兄ちゃんだ。ところで、ワシーリエフの肩書きが「ミハイロフスキー劇場プリンシパル・ダンサー」になってます。これ、あの「レニングラード国立バレエ」のことですよね?

  昨年の12月に移籍したそうですが、なんで移籍したの?レオニード・サラファーノフが、マリインスキー劇場バレエからレニングラード国立バレエに移籍した理由はなんとなく分かるし、デヴィッド・ホールバーグが、アメリカン・バレエ・シアターからボリショイ・バレエに移籍した理由も納得できます。でも、なんでワシーリエフが?

  ボリショイ・バレエによほど何か不満があったか、レニングラード国立バレエによほど何か魅力があったかだろうけど、ロシアのダンサーがモスクワからサンクトペテルブルグに移って、普通やっていけるもんなの?

  特に、見た目でも踊りでも、ボリショイ・バレエを体現してるようなワシーリエフが、ワガノワ系ど真ん中のバレエ団で何をやるんだろう?まさか、コンテンポラリーで新境地を開こうとか簡単に考えてるのかな。謎だ。

  エギナ役のエカテリーナ・シプーリナがすごく官能的で魅力的でした。役柄的には、現代では明らかにエギナのほうがフリーギアに勝ってます。フリーギアって、嘆くか悲しむかしかしないでしょ?スパルタクスにすがってばっかり。でも、エギナは自分の野心のために、クラッススを叱咤して奮起させて、自分も積極的に動いて立ち回る。
 
  NHKの朝ドラでいえば、「ゲゲゲの女房」や「ひまわり」のヒロインのどこがいいのかはさっぱり理解できんが、「カーネーション」のヒロインは観てて気持ちいいのと同じ感じです。

  私は今回が『スパルタクス』生観劇なんで、軽々しくはいえません。しかし、今夜の舞台の全体的な出来はたぶん、「わるくはないが、取り立ててすばらしいと言うほどでもない」というのが妥当だろうと思います。

  理由はまだ分かりませんが、

  1.現代のダンサーたちには振付があまりに難しすぎる
  2.今回来日したダンサーたちが総じて二番手、三番手ばかりである
  3.今回来日したオーケストラの団員たちも二番手、三番手ばかりである
  4.1977年の映画版(ウラジーミル・ワシーリエフ、マリス・リエパ、ナターリャ・ベススメルトノワ、ニーナ・チモフェエワ主演)と脳内比較するほうが無理(映像は良いところを切り貼りできるし加工もできる)
  5.単なる気のせい

のいずれかでしょう。これが他のバレエ団のパフォーマンスなら手放しで大絶賛のレベルです。でも、ボリショイ・バレエですから。普通のバレエ団じゃないですからね。

  とりあえず明日の公演を観てみます。
  
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