母またまた襲来

  またまたごぶさたしちゃってすみません~

  小林紀子バレエ・シアターの公演を観た翌日、母が秋田より上京いたしました。その母につき合ってまた東京観光などをしたので、時間が取れなかったというわけです。

  しかし、母が上京した主な目的は、(なぜか)私が新しく引っ越した部屋をぜひとも見たいということと、あとは、私の部屋の庭の草むしりがしたいということでした。

  今の部屋は1階なので、狭いながらも庭が付いているのです。引っ越したときから庭に生い茂っている草が気になっていたのですが、忙しくてなかなか草むしりの時間が取れませんでした。

  実は部屋の契約をしたとき、不動産屋さんが「入居までにトイレの窓の柵の修理と草むしりをやっときます」と言ってくれたのです。にも関わらず、私は「草むしりなら自分でやるからいいです」と断ってしまいました。内見したときは、こんな狭い範囲なら、自分でできるだろう、と甘く見ていたのです。

  ところが、実際に住んでみると、内見したときよりも庭が広くなっていたのです(←そんなわけない)。私は業者さんによる草むしりを断ったことを内心すっごく後悔しましたが、後の祭りです。仕方ないので、夕方などに時間を見つけて、蚊に刺されながら、ちまちまと草むしりをやっていました。

  それがとにかく終わらないのです。いつまでたってもゴールが見えません。庭に生えている草は、刈るとクセのある独特な匂いがします。長く嗅いでいるとちょっと気分が悪くなるくらいです。だからマスクを装着して、悪臭と闘いながら刈っていました。

  更にこの草は根が異様に発達しており、根っこを土中から引っ張り出すと、ゴボウみたいなふっとい根が1メートルくらいもぞろぞろぞろ、と出てくるのです。根っこを引き抜かないとすぐにまた葉が生えてくるので、面倒でも根っこごと引っ張り出さないといけません。それで、すんごい手間がかかって、さっぱり作業が進まなかったのです。いつになったら終わるのか。私は絶望的な気分になっていました。

  てなことを電話で母に愚痴ると、母は「じゃあ私がやってあげるわ」と言いました。私は冗談だろうと思っていました。せっかく上京したのに庭の草むしりなんぞする人間がいるものか。

  ところが、母の言葉は冗談ではなかったのです。母が上京した翌朝、庭に生えているあの草が刈られたときに発する独特の匂いで私は目覚めました。庭を見ると、なんと驚愕の光景が!

  私があれほど手を焼いたあの草が、庭の半分からすっかり姿を消していたのです!庭の半分に残っている草と土とのボーダーライン上には母がいて(帽子、パーカー、軍手という「草むしり仕様」)、実家から持参した「マイ草刈り鎌」で手際よく草をむしっていました。母によってあっという間に蹂躙され、殲滅されていく草たち・・・・・・。

  私がすっかり呆気にとられていると、私に気づいた母は振り返ってニッコリ笑って言いました。「おはようさん♪すんごいドクダミだわ。大変~!」 でも、ちっとも大変そうではありませんでした。

  ところで、あの草はドクダミだったんですね。薬草の一種で(だからアクの強い匂いがしたわけだ)「毒出し」の作用があり、乾燥させて煎じて飲むと体に良いそうです。

  母は結局、たった2日間(しかも合わせて4時間ほど)で、庭を覆い尽くしていたドクダミをすっかりむしり取ってしまいました。恐るべし田舎のおばちゃんパワー。現在、部屋の庭は実にさっぱりしております。私にはガーデニングの趣味はないのですが、試しになんか(←素人でも世話が簡単なやつ)植えてみようかな、という気になっております。

  あとは、母が行きたいというので、築地市場に行きました。さすがにセリの時間には行けませんでした。なお、案内図によると、セリが行なわれている時間帯(朝5時~7時)には、卸、仲卸区域ともに一般人は立ち入り禁止だそうです。以前にニュースで報じられていた、一部の観光客のマナー違反が原因でしょうか。

  それでも、巨大な市場の一角を見学し、築地市場内の店でお寿司を食べました。皿も箸もなく、お寿司とガリは目の前のカウンターに直置きされ、それを手づかみで食べます。これはたいそう面白い経験でした。お寿司はおいしかったし。

  それからお約束でまた浅草に行きました。郷里の人々へのおみやげの人形焼と、母が舞台で踊るときに使う専用の化粧品を買うためです。

  舞台専用の化粧品というのも面白かったです。購買層も用途も限られているから、さぞ高額だろうと思いましたが、意外なことに、一般の化粧品よりもだいぶ安かったです。リキッドファンデ(200ml入り!)が3,000円弱、パウダーファンデ、頬や鼻筋にさす紅が2,000円弱、唇と目尻に使う紅が1,000円弱といった具合です。

  そこは舞台用品全般を扱っている専門店でした。化粧品担当の店員のおばさんは、化粧品を扱っているだけあってとてもおしゃれで、髪も化粧もきちんとしており、ハスキー・ボイスで話すハキハキした江戸弁が耳に心地よかったです。

  前に母が来たときはスケジュールの時間配分で疲れましたが、今回は荷物持ちで疲れました。一つ発見。人形焼は大量(100個近く)になるとかな~り重い。 
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