亡き王女のためのパヴァーヌ

  このところ忙しかったので、更新がなくてすみませんでした。今日やっとひと区切りつきました。でも今はほとんど放心状態で、今日は久しぶりのご挨拶程度でご容赦下さい。実際、うまくキーが打てなくなっています。

  今日帰宅してテレビをつけたら、なんかの刑事ドラマが終わりかけているところでした。水谷豊が出ていました。

  エンド・ロールが流れる中、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が流れていました(水谷豊演ずる刑事に連行される犯人が、華やかで上品な感じの婦人だかららしい)。

  ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ(死せる王女のためのパヴァーヌ)」は、私は小学校のころに初めて聴きました。NHKの「名曲アルバム」ででした。演奏されていたのはオーケストラ版でした。私はまだ子どもでしたが、それでも「こんなに美しい曲が世の中にあったのか」と、とても感動したことを覚えています。

  その当時はちょうど、なんとなく生きるのが辛いと感じていました。もちろん子どもでしたから、明瞭にそう思っていたわけではありません。ただすべてが辛いなあ、不安だなあ、とぼんやり思っていただけです。

  そんなときに聴いた「亡き王女のためのパヴァーヌ」の美しい旋律は、当時の私を取り巻いていた様々なこととはまったく異なる性質のもので、今の私の言葉で表現するなら、子どもの私は、物悲しいけれど美しいこの音楽に救いのようなものを見出したのでした。

  その刑事ドラマに触発されて、それから何回も「亡き王女のためのパヴァーヌ」を聴いています。ピアノ版もいいけど、私はオーケストラ版のほうがやっぱり好きですね。

  私はラヴェルの他の音楽も好きなのですが、「マ・メール・ロワ」というバレエ音楽が特に好きです。中でも「パゴダの女王レドロネット」とそれに続く「妖精の園」はいつも「感傷的」に聞き惚れてしまいます。ラヴェルの「ピアノ協奏曲」第2楽章についても同様です。

  ところで、「マ・メール・ロワ」はバレエ音楽として作曲されたようですが、どんな作品なのでしょう?大体、今でも上演されているのでしょうか?「ラ・ヴァルス」はアシュトンが振り付けていますね。クーパー君が踊っている舞台写真を見たことがあります(タキシード姿でカッコいい!)。

  「亡き王女のためのパヴァーヌ」も誰か振り付けたりしていないのでしょうか(マクミランの作品に「パヴァーヌ」があるそうですが、ラヴェルの曲なんでしょうか?)。   
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