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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

海難事故

2012年06月09日 14時56分25秒 | えいこう語る
この数年、函館市と合併した旧4町村で、海の事故が連続して起きている。
戸井町では磯舟漁の夫婦、恵山町でも磯舟漁の夫婦、椴法華では、港湾内で船頭さんが転落、いずれも亡くなっている。
二日前には南茅部町で、タコ漁をしていた親子の磯舟が転覆し、父親は遺体で発見されたが長男は行方不明で、漁師総出で捜索中である。
海難事故では、陸の位置が分るよう夜通し迎え火を焚いて、泳ぎ着くのを祈るのだ。この漁師仲間への愛情が、なんともいえぬ悲しさを誘うのだ。
今年の前浜は水温の関係か地震による海底の振動か、はたまた原発事故の海洋汚染が原因なのか、まったくといっていいほど魚がとれず、漁師のため息が港を埋め尽くしている。
ただタコ漁だけが最近好調だ。
低気圧の影響で、波が高く出漁を見合わせていた舟も多かったそうだが、生活のために無理して出漁したのだろう。


板子一枚下は地獄と言われるが、波も突然大きなうねりを見せたり、風も急激にふいたりする。自然は予想不可能な変化を見せる。
そんな変化にも、近海での磯舟漁は陸に近いからすぐ港に戻れるという、油断がある。
それに不漁続きが重なり、一寸した判断ミスが命を奪うのだ。
遺体が発見されるといいが、海での遭難は行方不明が多い。
磯舟での遭難は、陸から近い場所だけに毎日海と対峙するのは、遺族にとってひじょうにつらいものがあるに違いない。
父親と一人息子を奪われた家族の悲しみは、海よりも深いだろう。
普段、母のように自愛に満ちている海も、時には何かに取り付かれたように暴れまくる。
そんな海も一夜明ければ冷静さを取り戻し、おのれの行為に涙するのだろう。
今日おこなわれる予定の「南茅部ひろめ祭り」。
茅部の漁師魂が炸裂する船こぎ競争や演歌の競演、海の安全と大漁を祝う祭りが中止となった。
浜は悲しみにくれているが、今年の夏も「日本一の真昆布」が豊漁であることを期待したい。それが二人に対する、海の最大の供養である。


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (深山 霞)
2012-06-09 17:10:01
時々漁師の「えいこう」様にお教えいただきたいことがあります。漁業労働者の中で、家族での操業をされている方達には、労災の適用方法があるのですか。新聞紙面に、漁業関係者の災害の記事が載るたび、いつも疑問に思っていました。農業も農業法人になると労災の対象事業所になりますが、漁業関係者の事故時の救済はどのようになっているのか全く情報がありません。万が一不幸な事故にあった時に、救済されるような制度が欲しいですね。
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Unknown (みどり)
2012-06-09 21:49:52
 辛い事故のお話しでした。
なんとも痛ましい限りです。
思いがけなく何処かへ流れ着き助かっているといいのですが、そのような事例は皆無でしょうか。
 都会の若者も過労などで精神を病み、自ら命を絶つ人たちが増えました。
農村、漁村で働く人たちのご苦労も、数限りないとは思いますが、えいこう様も漁へお出掛けの際は、くれぐれも危険を避け、長く地域の中でご活躍頂きたいと思います。

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Unknown (■かわぐち えいこう)
2012-06-10 12:11:53
深山さんへ。労災の適用があるか調べてみます。操業中は必ずライフジャケットを着装する事のなっているのですが、漁師は仕事がやりにくいといい、着装率は悪いようです。遺体があがらないのが一番の迷惑です。浮いて発見されれば遺族の方も諦めがつくというものですが、今回もライフジャケットだけが発見されたといいます。
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Unknown (■かわぐち えいこう)
2012-06-10 12:20:10
みどりさんへ。私はヘルプで船に乗っているので、船頭の判断に、命を預けているようなものです。漁師見習歴わずか3年ですが、すでに3度ほど恐ろしいめにあっています。船頭さんとしては何のそれきしといったところですが、私は冷汗ものです。泳ぎは自信ありますが、ゴムガッパを着ていれば、だれだってお陀仏です。海が時化なければ、とれない魚もあるので、漁師は危険と常に隣り合わせです。
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